※本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
一括査定サイトの比較記事は山ほどありますが、ほとんどは「利用者側」から書かれていて、依頼を受け取る不動産会社の事情は出てきません。僕は売買の仲介の現場で、一括査定サイトから届く依頼を受け取ってきた側です。そして今は、築50〜60年を超える実家を売るか残すかで家族と話している、依頼を出す側でもあります。
この記事では、一括査定の「お金の流れ」から始めて、主要5社を依頼を受ける会社の目で比べ、築古の実家や地方の物件ではどれが合うのか、本気の会社をどう見分けるか、一括査定を使わない方法と比べてどうかまで書きます。LIFULL HOME’Sを僕が使っている理由と、その弱点も隠しません。
各サービスの提携社数・依頼可能社数・連絡方法は2026年9月16日に各社公式サイトで確認した値です。変更されることがあるので申込画面の表示を優先してください。税務・法務の個別判断は税理士・司法書士等にご確認ください。
先に結論
- 一括査定サイトは、不動産会社が依頼1件ごとに1万円前後(サービスにより2万円超)の広告費を払って成り立っている。電話が早くて熱心なのは、この構造が理由。
- 築古の実家・地方なら、地元会社の登録が厚いLIFULL HOME’S・リビンマッチ・イエウールが合う。都市部で大手に任せたいならすまいValue・HOME4U。1つで全部は取れない。
- 迷っている段階は、名前と電話番号を渡さない匿名査定から入る。実名の一括査定は、売ると決めて会社を選ぶ段階でいい。
- 営業電話は「連絡方法をメール指定」「依頼は3〜4社」「備考欄に3行」で減らせる。残す会社は査定額の高さではなく、根拠の出し方で選ぶ。
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一括査定の仕組み。誰がお金を払っているのか
利用者は無料です。では誰が払っているのか。答えは不動産会社で、あなたの依頼が1件届くたびに、サイト運営会社へ広告費を払っています。
| 立場 | 払うもの・受け取るもの |
|---|---|
| 利用者(あなた) | 無料。物件情報と(実名なら)連絡先を提供する |
| サイト運営会社 | 広告で集客し、依頼を不動産会社に配信。会社から反響課金・月額費・成約課金を受け取る |
| 不動産会社 | 依頼1件ごとに1万円前後(大手サイトでは2万円超も)。月額数千円〜数万円のシステム料が別途かかる場合がある。成約時に手数料の一部を払う方式もある |
LIFULL HOME’Sが不動産会社向けに出している記事(2023年8月)では「反響1件にかかる広告費は1万円前後のケースが多い」、不動産会社向けの集客メディア(2026年8月)では「1件あたり1万円から2万円超、大手サイトでは2万円を超えるケースも珍しくない」とあります。僕の現場感覚も同じで、1件1万円前後が目安です。
ここから何が言えるか。依頼を受け取った時点で会社は1万円を払っている。査定書を送っても媒介契約が取れなければ、その1万円は消えます。だから電話が早い。だから熱心。しつこさの正体は悪意ではなく、払った広告費を回収したいという事情です。
もう一つ。仲介手数料は成約価格の3%+6万円が上限(400万円超の場合)なので、2,000万円の実家なら66万円。一括査定の依頼100件に100万円払って、1件でも媒介を取って成約すれば元が取れる計算になります。会社にとって一括査定は「数を撃つ」広告であり、あなたの依頼はその1発です。
📖 用語メモ|反響課金と成約課金
反響課金は、査定依頼が不動産会社に届いた時点で料金が発生する方式。成約課金は、媒介契約や売買成約に至ったときに仲介手数料の一部を払う方式。反響課金型のサイトほど「1件も無駄にできない」ので、会社の初動が早くなる傾向がある。
主要5社を比較する
提携社数と依頼数に加えて、不動産会社が見ている「大手が入っているか」「地方の会社が入っているか」「築古でも依頼が回ってくるか」を並べます。前の記事(匿名で実家の相場を知る方法)の表より一段深い項目です。
| 項目 | LIFULL HOME’S | HOME4U | すまいValue | リビンマッチ | イエウール |
|---|---|---|---|---|---|
| 運営会社 | LIFULL(東証プライム) | NTTデータ・ウィズ | 大手6社共同運営 | リビン・テクノロジーズ(東証グロース) | Speee(東証スタンダード) |
| 提携社数 | 約1,700社 | 2,500社 | 6社(792店舗) | 2,100社以上(査定ページは「約1,700以上」と表記) | 2,500社以上 |
| 同時依頼数 | 最大6社 | 最大6社 | 最大6社(地域・種別で変動) | 最大6社 | 最大6社 |
| 匿名査定 | あり(メールアドレスのみ) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 連絡方法の選択 | 実名査定で選べる | 公式に記載なし | メールか電話を選べる | 公式に記載なし | 公式に記載なし(結果はメール・電話・マイページで届く) |
| 大手の参加 | 少なめ | あり(ロゴ表示) | 大手6社のみ(三井のリハウス・住友不動産ステップ・東急リバブル・野村・三菱地所・小田急) | 一部あり | あり(長谷工・住友林業ホームサービス等) |
| 地方対応 | 地元会社が厚い | 全国47都道府県 | 営業エリア外の表示あり | 全国47都道府県 | 全国47都道府県 |
| 築古・空き家 | 地元会社が拾う | 会社次第 | 大手は築古を敬遠しやすい | 買取の導線あり | 郊外の反響が多い |
※「公式に記載なし」は、2026年9月16日時点で公式サイトに記載を見つけられなかった項目です。機能がないと断定するものではありません。※SUUMO売却査定(リクルート)は提携社数を公式で確認できず、表から外しました(公式ガイドでは依頼社数の上限なし)。
一言ずつ補足します。LIFULL HOME’Sは連絡先のない依頼が来るので、会社は営業のしようがなく主導権が利用者にある。HOME4Uは2001年開始の最古参で、依頼の質が良いという評価が現場にある。すまいValueは都市部のマンションなら最強だが、地方は依頼できないことがある。リビンマッチは地方の中小会社と買取会社が多い。イエウールは郊外の反響が多い。
🔢 数字メモ|訪問査定に進む割合はサイトで差
訪問査定に至る割合はLIFULL HOME’S 30.6%、SUUMO 21.5%、HOME4U 17.1%、リビンマッチ 14.0%、イエウール 12.3%(LIFULL HOME’S 会社向け記事・2022年下半期)。自社発表と割り引いても、サイトごとに利用者の温度が違うのは現場感覚どおり。
築古の実家・地方。あなたの条件で向き不向きを判定する
「どのサイトが一番か」は条件で変わります。自分の実家に近い行を見てください。
| 実家の条件 | 向いている | 理由 | 向いていない |
|---|---|---|---|
| 築40年超の戸建て・地方の市町村 | LIFULL HOME’S、リビンマッチ | 地元会社が厚い。買取の選択肢も取れる | すまいValue(エリア外・大手が築古を敬遠) |
| 築古でも県庁所在地・政令市 | LIFULL HOME’S+HOME4U | 地元と大手を両方取れる | — |
| 都市部のマンション・築浅 | すまいValue、HOME4U | 大手の買い手リストが効く | リビンマッチ(大手が薄い) |
| 再建築不可・共有名義・残置物あり | リビンマッチ | 買取会社・訳あり対応の会社が参加 | すまいValue |
| まだ売るか決めていない | LIFULL HOME’S(匿名) | 連絡先を渡さずに相場が取れる | 他の4社(匿名査定の記載なし) |
| 郊外の団地・ニュータウン | イエウール、HOME4U | 郊外の反響と提携数が多い | — |
築古の実家で一番多い失敗は、大手から「建物は評価ゼロ、土地値から解体費を引いて」という査定だけが返ってきて、それを相場だと思い込むことです。大手は都市部の平均的な物件が得意で、築古・地方は苦手。悪い会社なのではなく、得意分野が違うだけです。
僕の実家(広島市内・昭和初期築・敷地約250㎡)で言えば、地元会社2社+買取会社1社+大手1社の構成が理想で、それを1つのサイトでは取れません。LIFULL HOME’Sで地元と買取、HOME4Uで大手、が現実的な組み合わせです。
📝 現場メモ|「営業エリア外」の読み方
すまいValueで地方の住所を入れると「運営各社の営業エリア外」と出ることがある。大手が店舗から車で1時間圏に絞って営業しているだけで、物件が悪いわけではない。この表示が出た時点で、その物件の買い手は地元会社が持っていると判断してよい。
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営業電話を減らし、本気の会社を残す使い方
依頼は選んだ会社に同時に届き、各社が「先に接触した会社が有利」と考えて当日中に電話をかけてきます。査定額が高めに出るのも、他社より低いと話を聞いてもらえないからです。送信後の社内の動き、査定額の読み方、断り方は前の記事「匿名で実家の相場を知る方法」に書いたので、ここでは僕が家族や友人に教えている手順だけに絞ります。
| ステップ | やること | 文言・設定 |
|---|---|---|
| 1. 入口は匿名 | 売るか決めていないなら、LIFULL HOME’Sの匿名査定で相場の目安を取る | メールアドレスのみ。電話番号を渡さない |
| 2. 実名は1サイト・3〜4社 | 実名に進むなら、条件に合うサイトを1つ選び、タイプの違う会社を3〜4社 | 地元2+買取1+大手1が目安。同じタイプを並べない |
| 3. 連絡方法と備考欄に3行 | 連絡方法を選べるサイトは「メール」を指定。備考欄に3行を書く | 「連絡はメールのみ希望」「売却時期は家族と相談中、まず相場を確認したい」「査定書に成約事例を添付してほしい」 |
| 4. 訪問査定は2社に絞る | 届いた査定書を下の表で見分け、残った会社にだけ訪問査定を頼む | 候補外の会社には「他社に決めました」とメールで伝える |
備考欄の3行は、電話を減らすだけでなく、届く査定書の質を上げます。3行目に応えない会社は、媒介契約のあとも応えません。書いてあるのに電話してくる会社は、希望を守れない会社として候補から外して構いません。
⚠️ 失敗メモ|3サイト併用で18社から電話
「多いほど比較できる」と3サイトで各6社に依頼したお客様が、初日に18社から電話を受けて、その週のうちに一番熱心だった会社と専任媒介を結んだ例がある。比較のために依頼したのに、比較する余裕をなくした。併用するなら、社数はサイトごとではなく合計で数える。
どの会社が本気か見分ける方法
| 見分けるポイント | 本気の会社 | そうでない会社 |
|---|---|---|
| 査定書の根拠 | 成約事例3件以上と、その物件との差を説明 | 「周辺相場から」の一言 |
| 訪問査定の提案 | 現地を見てから数字を出したいと言う | 机上査定の数字で媒介契約を迫る |
| 築古への反応 | 解体費・買取・現況渡しの3案を出す | 「建物価値ゼロ」で終わる |
| 質問への返答 | 売れなかった場合の次の手を答えられる | 「頑張ります」 |
受ける側が本気になるのは、売主が「複数社に依頼している」と正直に言い、質問が具体的な案件でした。比較する姿勢を見せると、会社も査定額の高さではなく根拠で勝負するしかなくなります。
📝 現場メモ|「査定価格」と「売出提案価格」
査定書には、会社が成約できると考える「査定価格」と、営業上高めに置く「売出提案価格」が並んでいることが多い。複数社を比べるときは、査定価格の欄だけを横に並べる。売出提案価格どうしを比べると、一番強気な会社が一番良い会社に見えてしまう。
一括査定を使わない選択肢との比較
受ける側にいた僕から見ても、一括査定を使わないほうが良い場面はあります。
| 方法 | 費用 | 手間 | 価格の出方 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|
| 一括査定サイト | 無料 | 入力5分+各社対応 | 複数社の幅が分かる。営業上の高値が混ざる | 相場を知らない・比較したい人 |
| 地元1社に直接 | 無料 | 来店か電話1回 | 1社の数字だけ。比較できない | 会社に信頼があり、急がない人 |
| 知り合いの業者 | 無料 | 少ない | 断りにくく、値下げ交渉もしにくい | 関係を壊さず頼める人 |
| 買取専門業者 | 無料 | 少ない。現地確認1回 | 僕の経験上の目安で仲介相場の6〜8割(統計値ではない)。早く確実 | 築古・再建築不可・早く終えたい人 |
| 空き家バンク(自治体) | 無料 | 自治体申請・掲載作業 | 移住希望者次第。時間がかかる | 田舎の実家で仲介会社が扱わない物件 |
「知り合いの業者」は、一番トラブルになりやすい方法です。根拠を聞きにくく、売れなくても他社に変えにくい。関係が近いほど、比較材料を先に持ってから相談したほうがお互いのためです。
買取の6〜8割は、業者が解体・リフォーム費と在庫リスクを引いた結果で、物件と会社で上下します。損得の詳細は「実家の売却は仲介と買取どちらが得か」に書きました。売らずに当面残すなら、空き家管理サービスの月5,000〜15,000円(空き家パス比較)と固定資産税がかかり続けるので、その額を相場と並べて家族で判断してください。
僕の実家では匿名査定から入る理由。僕が使っているLIFULL HOME’S売却査定
実名で依頼したらどう動かれるかは、ここまでに書いたとおりです。だから自分の実家では、家族と話し合いがまとまるまで実名の依頼を出していません。相場の目安は匿名で取り、家族会議の材料にしています。
売るか決まっていないのに営業を受けると、「いま買い手が多い」の一言で家族が焦り、話し合いが止まります。僕が見てきた範囲では、条件が普通の物件なら匿名の机上査定と訪問査定の差は1〜2割に収まることが多く、家族会議の材料には十分です。
仕事でLIFULLさんと一緒になる機会が多く、仕組みも分かっているので、正直な特徴を書きます。
良い点
- 比べた5社のうち、公式サイトで匿名査定を確認できたのはLIFULL HOME’Sだけ。メールアドレスだけで、不動産会社に名前も電話番号も渡らない。会社側から見ると「営業できない依頼」なので、机上査定を返すしかない
- 提携約1,700社で地元会社の登録が厚く、最大6社まで依頼できる。築古の実家・地方は、地元会社が買い手を持っている
- 実名に進むときも、連絡方法を選べる。運営は東証プライム上場のLIFULLで、個人情報の扱いはISO/IEC 27001認証
気をつける点
- 大手不動産会社の登録は少なめ。 三井のリハウスや住友不動産ステップの査定も欲しいなら、すまいValueかHOME4Uを別途使う
- 対応の速さに会社ごとの差がある。 匿名査定は返答が1社しか来ないエリアもある。地方では「そもそも返答が少ない」ことを織り込んでおく
- 匿名の机上査定は概算。残置物・境界・越境は反映されない。売ると決めたら必ず2〜3社の訪問査定に進む
一括査定は「どこが一番か」ではなく「今の段階に合うのはどれか」で選ぶものです。迷っている段階なら僕の答えはLIFULL HOME’S、売ると決めた段階では大手を足すために他社を併用してください。
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よくある質問
Q. 一括査定を使うと、不動産会社に「安く買い叩かれる」ことはありませんか?
A. 逆です。一括査定は競合前提なので査定額は高めに出ます。問題は「高すぎて売れない」ほうです。仲介の査定額は成約事例を書面で求め、買取の額は「仲介で売れなかったときの下限」として別に取っておくと、両方の意味が分かります。
Q. 一括査定の会社は、サイトに紹介料を払っている分、仲介手数料が高くなりますか?
A. なりません。仲介手数料は宅建業法で上限が決まっていて(400万円超の物件で成約価格の3%+6万円+消費税)、一括査定経由でも変わりません。会社は広告費として自社で負担しています。「専任媒介なら広告費をかける」という提案の背景には、その回収を確実にしたい事情があります。
Q. 地方の実家で、どのサイトでも1社しか返答がありませんでした。
A. 珍しくありません。提携社数は全国合計で、市町村単位では登録会社が1〜2社のことがよくあり、サイトを変えても同じ顔ぶれになりがちです。返答した会社に成約事例を聞きつつ、買取会社の額や空き家バンクなど、上の「使わない選択肢」の表で出口を横に広げてください。
Q. 匿名査定だけで売却を決めていいですか?
A. 決めないでください。匿名の机上査定は「家族と話す材料」です。築古の実家は現地を見ないと解体費の要否、境界、越境、残置物の扱いが分かりません。売ると決めたら、必ず2〜3社の訪問査定を受けて、手取りの見込みまで確認してから媒介契約に進んでください。
まとめ
- 一括査定は、不動産会社が依頼1件ごとに1万円前後(大手サイトでは2万円超も)の広告費を払って成り立つ仕組み。電話が早く熱心なのは、この構造が理由。
- 築古の実家・地方は、地元会社が厚いLIFULL HOME’S・リビンマッチ・イエウール。都市部で大手に任せたいなら、すまいValue・HOME4U。得意分野が違うだけで、優劣ではない。
- 営業電話は「匿名で入口」「実名は1サイト・3〜4社」「連絡方法はメール指定と備考欄に3行」で減らせる。査定価格の欄を横に並べ、成約事例を出せる会社を残す。
- 地元1社・知り合い・買取・空き家バンクにも向き不向きがある。知り合いに頼むなら、比較材料を先に持つ。
- 僕自身は、家族との話し合いがまとまるまで匿名で止めている。相場を知っても、売らなくていい。