空き家管理サービスの比較と自主管理|実家を残す年間コストと判断ライン

空き家管理サービスの比較と自主管理|実家を残す年間コストと判断ライン

※本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

実家を「すぐには売らない、壊さない」と決めた方に向けて書きます。

昭和初期築の僕の実家は、僕自身は売却派ですが、親戚が集まる場所として残したい家族の意向があり、当面はそのまま持つことになりました。いまは親のひとりが住んでいるので空き家ではありませんが、親が住まなくなった後の管理は家族で決めておく必要があります。つまり、この記事に書く管理は、お客様に勧めてきた内容であると同時に、自分の実家でもいずれ必要になることです。

「残す」は立派な選択肢です。ただし、残すには年間いくらかかり、月に何をすれば家が傷まないのかを知らないまま残すと、数年後に「傷んだ家を高い税金で持っている」状態になります。この記事では、放置で何がどの順番で起きるか、自分で管理するときの月1回のチェックリスト、管理サービスの料金と内容の差、そして「残す」の年間の値段を数字で並べます。

料金・制度は2026年9月時点の各社公式サイトと国土交通省・総務省の公開資料によります。税務・法務の個別判断は税理士・司法書士等にご確認ください。

先に結論

  • 空き家が傷む原因のほとんどは「湿気」と「水」。月1回の換気と通水で、劣化の速度は大きく変わる。
  • 自分で管理できるかは、距離で決まる。車で1時間圏なら自分で、遠方なら月1回の交通費が管理サービス代を上回るので外注が合理的。
  • 管理サービスは月2,750円から14,300円まで幅があるが、安いプランは「外から見るだけ」。室内の換気・通水が入るのは月6,600円以上のプラン。
  • 「残す」の値段は、固定資産税・保険・光熱基本料・管理費を足して年20万〜30万円前後。この数字と相場を並べて、何年残すかを家族で決める。

▼ 残す・売るを決める前に、実家の相場を匿名で知る(無料・最大6社・連絡方法を選べる)

LIFULL HOME'S 不動産売却査定

放置した空き家に起きることの順番

管理の話の前に、何もしないと何が起きるかを順番で見てください。仲介で空き家の内見に入ると、傷み方には決まった順番があります。

時期の目安起きること原因放置した先
1〜3か月排水口から下水の臭い、郵便受けからチラシがあふれる排水トラップの水(封水)が蒸発臭いで害虫が集まる。「留守」が外から分かる
3〜6か月押入れ・北側の部屋にカビ、畳の湿り換気ゼロで湿気がこもる家財・建具が使えなくなる
半年〜1年雑草が腰の高さ、庭木が隣地・道路に越境手入れなし近隣から自治体へ通報
1〜2年雨樋の詰まり、屋根材のずれ、天井のシミ台風・大雪の後に誰も見ない雨漏りで構造材が腐る
2年〜不法投棄、動物(ハクビシン・ネコ)の侵入、窓ガラスの破損「管理されていない」と見なされる管理不全空家の指導・勧告

順番が大事なのは、最初の「臭い・カビ」は月1回の通水と換気で止められ、費用がほぼゼロだからです。逆に雨漏りまで進むと、修理は数十万円になり、家を残す意味自体が揺らぎます。

2023年12月13日に施行された改正空家等対策特別措置法では、倒壊寸前でなくても「放置すれば特定空家になるおそれがある」段階で「管理不全空家」として自治体が指導・勧告できるようになりました。勧告を受けると住宅用地の特例が外れ、翌年度から土地の固定資産税が上がります。上の表の下2行が、その入口です。国土交通省のガイドラインでは、屋根材や外壁の一部が剥がれている、窓が割れたまま、雑草や樹木が越境している、といった状態が例示されています。

現場の実感で言うと、自治体が動くきっかけは、ほぼ近隣からの通報です。「隣の空き家の木が越境している」「ハチの巣がある」。だから管理の目的は、家を守ることと同じくらい「近所に迷惑をかけない状態を保つこと」です。

📖 用語メモ|封水(ふうすい)

排水口の下にある曲がった管(トラップ)に溜まっている水のこと。下水管からの臭気と虫を遮断する蓋の役割をしている。使わない家では1〜2か月で蒸発して臭いが上がる。各排水口に水を流して満たし直すのが「通水」。

自分で管理する場合:月1回のチェックリストと年間コスト

近距離のお客様に勧めていて、自分の実家が空いたときにもやるつもりの月1回の内容です。慣れれば滞在は1時間ほどで済みます。

順番やること所要時間ポイント
1外周を一周(屋根・外壁・雨樋・窓ガラス・基礎まわり)10分前回と同じ位置からスマホで写真。比べると変化が分かる
2郵便受けの回収5分自治体・税務署・保険会社の封書を分ける。チラシは持ち帰る
3全部屋の窓を開けて換気滞在中ずっと押入れ・下駄箱・北側の部屋は扉を開けたまま
4通水(台所・洗面・浴室・トイレ・洗濯機置場・屋外水栓)10分各1分以上流す。トイレは2回流す
5天井・押入れの天井板のシミ、畳の湿り確認10分雨漏りは天井のシミが最初のサイン
6庭(雑草・庭木の越境・ゴミ・動物の痕跡)15分越境枝は先に切る。近隣の目線で見る
7隣家への挨拶5分「月1で来ています」と一言。顔を覚えてもらうのが目的
8施錠確認、ブレーカー・給湯器の元栓5分冬は配管の凍結対策で水抜き(寒冷地)

換気の頻度は「月1回、できれば2週に1回」が僕の答えです。月1回でもカビは大きく減りますし、2週に1回まで増やしても劣化の差は体感で小さい。それ以上増やすと、交通費と時間の負担で続かなくなります。続けられる頻度が正解です。

問題は交通費です。自分で管理するコストは、作業そのものより「行く」ことにかかります。

実家までの距離1回の交通費の目安月1回の年間隔月の年間
車で1時間以内ガソリン・高速で2,000〜3,000円2.4万〜3.6万円1.2万〜1.8万円
車・電車で2〜3時間5,000〜10,000円6万〜12万円3万〜6万円
新幹線・飛行機圏往復2万〜3万円24万〜36万円12万〜18万円

交通費は片道の運賃と距離から読者自身が入れ替えてください。ここに自分の1日と、家族の理解が乗ります。新幹線圏で月1回通うと、交通費だけで年24万円を超え、次の節の管理サービスの最上位プランより高くなります。僕が遠方のお客様に「自分で通うのはやめましょう」と言うのは、ここが理由です。

📝 現場メモ|隣家に渡す一枚の紙

管理で一番効くのは、隣家に「所有者と管理者の連絡先」を書いた紙を渡しておくこと。異変を自治体より先に自分へ知らせてもらえる。通報が自治体に行ってから動くのと、隣家から電話をもらって動くのとでは、指導に至るかどうかが変わる。

空き家管理サービスの比較:料金と「どこまでやるか」の差

遠方なら外注です。2026年9月時点で、全国対応の主なサービスを公式サイトの料金で並べました。

サービス運営月額(税込)頻度室内の換気・通水内容の要点エリア
空き家あんしん管理NPO法人 空家・空地管理センター2,750円月1回なし外観・草木確認、ポスト掃除、近隣クレーム対応、写真報告対応エリア限定(公式で要確認)
空き家あんしん管理プラス同上6,600円月1回あり上記+換気・通水・室内確認・庭ゴミ処理同上
郵便局の空き家みまもり日本郵便4,280円月1回オプション(+5,000円/月、鍵を預ける)外観・庭木・郵便受け・施錠・越境・不法投棄の7項目を写真報告全国(離島等除く)
日本空き家サポート ライトL&F5,500円月1回なし屋外約30分。郵便確認、簡易清掃、外部目視点検全国47都道府県
日本空き家サポート スタンダード同上11,000円月1回あり屋外・室内約60分。全室換気、通水、雨漏り確認、動画・画像レポート全国
日本空き家サポート スタンダードプラス同上14,300円月2回ありスタンダード+屋外巡回をもう1回全国
HOME ALSOK るすたく 基本ALSOK7,700円月1回なし(換気つきは18,700円)屋外指定10か所の異常確認、郵便物整頓。初期費用0円全国

出典:各社公式サイト(2026年9月)。料金・内容は変わるので契約前に必ず公式で確認してください。

細かい条件も公式で拾っておきます。郵便局の通風・通水オプションは鍵を預ける前提で、申込前に貴重品を片付ける必要があり、訪問するのは専門知識のない郵便局社員なので漏水の見落としはあり得る、と公式自身が書いています。日本空き家サポートは隔月(2か月に1回)も選べ、延床150㎡を超えると料金が変わります。NPOのプランには空き家が原因の事故に備える賠償補償が自動付帯します。

表で見てほしいのは、月額の差ではなく「室内の換気・通水」の列です。月2,750〜5,500円の安いプランは、外から見て写真を撮るサービスです。前の節の表で言えば、順番1・2・6までしかやらない。臭いとカビ、つまり最初に起きる劣化は止まりません。

僕の使い分けはこうです。

状況向くプラン理由
年に数回は自分で帰れる外観のみ(2,750〜5,500円)+自分で帰った時に換気・通水近隣対応と「管理されている」外観を保つのが目的
1年以上帰れない、家財が残っている室内あり(6,600〜11,000円)換気・通水・雨漏り確認を外注しないと家が傷む
家財を片付けて空にしてある外観のみ室内で守るものが少ない。雨漏りだけ半年に1回は自分で確認
防犯が不安な立地ALSOKのセキュリティパック等巡回より機械警備の抑止力

月1回の巡回でも「誰かが出入りしている」状態が作れます。管理看板やステッカーを貼るサービスが多いのは、放火や不法投棄が「管理されていない家」を選ぶからです。

⚠️ 失敗メモ|外観のみプランで雨漏り1年放置

遠方の相続人が最安の外観確認プランを2年続け、売却の内見で天井が落ちているのが見つかった例がある。外から屋根のずれは見えても、天井裏のシミは室内に入らないと分からない。安いプランを選ぶなら、台風シーズン後の臨時見回りか、年1回の室内点検を必ず足す。

「残す」の年間総コスト:固定資産税・保険・光熱・管理・交通費

ここが、この記事で一番見てほしい表です。残すことを否定はしません。ただ、残す値段は知っておいてください。

モデルは、地方都市の木造戸建(土地150㎡・建物築50年)を、僕が仲介で見てきた平均的な水準で置いています。実際の税額は毎年春の課税明細書で確かめてください。

費目年額の目安根拠・備考
固定資産税・都市計画税5万〜8万円住宅用地の特例が効いた状態。勧告を受けると土地分が最大6倍
火災保険3万〜6万円空き家は「一般物件」扱いで割高になる会社が多い。加入を断られる場合もある
電気・水道の基本料金2.4万〜4.8万円通水に水道契約は必須。電気は照明・換気扇のため残す
管理費(下の3パターン)0〜17万円
突発費用の積立3万〜5万円草刈り外注(1回1万〜3万円)、雨樋掃除、蜂の巣駆除など

管理のやり方で年額を3パターンに分けます。

パターン管理費交通費年間総額の目安
A. 近距離・自分で月1回0円2.4万〜3.6万円約16万〜27万円
B. 遠方・外観のみサービス+年2回帰省3.3万〜6.6万円4万〜6万円約21万〜36万円
C. 遠方・室内ありサービス+年1回帰省7.9万〜13.2万円2万〜3万円約23万〜40万円

これまでの記事で「年20万〜30万円」と書いてきた数字の中身がこれです。5年残せば100万〜200万円、10年で200万〜400万円。しかも、この金額を払っても家は古くなり続けます。築50年の家が10年後に「築60年」になり、売るときの建物価値はゼロのまま、解体費だけが上がっている可能性が高い。

一方で、この金額で「親戚が集まる場所」「親が帰りたいと言える家」が残るなら、払う価値があると考える家族もいます。僕の家族も、親戚が集まる場所を残したい側です。だから僕は、否定せずにこの表を家族に見せました。

🔢 数字メモ|固定資産税は課税標準×1.4%

固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税は上限0.3%(総務省 地方税制度)。課税明細書の「課税標準額」に掛ければ、自分で税額を再計算できる。土地の課税標準額が価格の6分の1になっていれば住宅用地の特例が効いている。

管理を続けるか、手放すか:判断ライン

「残す」を選んだ人にも、見直す節目はあります。僕が面談で使っている判断ラインを表にしました。

見直しの節目続けてよい条件手放す方向に傾く条件
相続から3年目の年末相続空き家の3,000万円控除を使わなくても売却益がほぼ出ない控除の期限(相続から3年目の年末、制度は2027年12月31日まで)を過ぎると税額が数百万円変わる
管理費の累計が100万円を超えたその金額で得ている使い方(集まる・泊まる)が現実にある年に1回も使っていない
雨漏り・シロアリ・基礎の傷みが出た修繕して住む・貸す予定がある修繕費が数十万円超で、住む人がいない
自治体から「適正管理のお願い」が届いたすぐに改善でき、以後の管理体制を作れる遠方で改善の手配ができない
管理していた人が続けられなくなった引き継ぐ家族と費用負担が決まっている誰も引き継がない

僕の場合は、実家が空いたら家族と「管理費の累計と、年に何回使ったか」を毎年1回並べる約束をしています。感情で決めないための仕組みです。

もう一つ、残す人ほどやっておいてほしいのが、相場を知っておくことです。理由は二つ。売る・売らないの判断は「残す値段」と「売った場合の金額」を並べて初めてできること。そして、いざ売ると決めたときに相場を知らないと、最初の査定額に引きずられることです。相場を知るのは売る約束ではありません。匿名で取れる査定なら、家族に「まだ売らないが、数字は持っておく」と説明しやすい。

📝 現場メモ|火災保険は「空き家」と告知する

親が住んでいた時の火災保険をそのまま続けると、空き家になったことを告知していない扱いになり、事故時に支払いを減らされたり断られたりする。空き家になった時点で保険会社に連絡し、契約を空き家向けに切り替える。断られたら空き家対応の保険会社を探す。

僕が使っている相場の調べ方

売ると決めていなくても、数字だけは取っておく。そのために僕が使っているのがLIFULL HOME’Sの不動産売却査定です。仕事でLIFULLさんと一緒になることが多く、仕組みを分かったうえで書きます。

良い点

  • 匿名で査定依頼ができる。名前や電話番号を出さずに相場感だけ取れるので、「残す」段階の人に向いている
  • 提携約1,700社、最大6社まで同時依頼。地方の実家は地元会社の査定が現実的で、LIFULLは地元会社の登録が多い
  • 連絡方法を電話・メール・郵送から選べる。一括査定の弱点である営業電話は、「メール希望」にすれば避けられる

気をつける点

  • 大手不動産会社の登録は少なめ。大手の数字も欲しければ別途依頼する
  • 会社によって対応の速さに差がある。連絡が来ない会社は候補から外す
  • 査定額が高い会社が良い会社ではない。根拠を説明できる会社を選ぶ。高い数字より、説明の中身で比べてください

▼ 残す期間を決めるために、実家の相場を匿名で知る(無料・最大6社・メール連絡を選べる)

LIFULL HOME'S 不動産売却査定

▼ 親が施設に入っていて介護と並行する方はこちら

LIFULL介護

よくある質問

Q. 換気は月1回で足りますか?

A. 僕は月1回を最低ラインにしています。理想は2週に1回ですが、続けられる頻度が正解です。月1回が無理な距離なら、室内の換気・通水が入る管理サービスに切り替えてください。

Q. 電気と水道は解約していいですか?

A. 水道は残してください。通水ができなくなり、封水切れの臭いと配管の劣化が止められません。電気も照明と換気扇のために残すのが基本です。ガスは解約して構いません。

Q. 管理サービスに頼めば、固定資産税が上がる心配はなくなりますか?

A. 勧告の要件は「状態」なので、外観と近隣対応が保たれていれば勧告に至る可能性は大きく下がります。ただし外観のみのプランでは室内の劣化は止まらないので、雨漏りが進めば屋根の破損として外に現れます。「勧告されない」と「家が傷まない」は別の話です。

Q. 空き家の火災保険に入れないと言われました。

A. 空き家を引き受ける保険会社は限られます。「管理している」「家財が残っている」「定期的に訪問している」ことを示すと引き受けられる場合があります。管理サービスの報告書は、その証明にも使えます。個別の条件は保険会社と代理店にご確認ください。

まとめ

  • 空き家の劣化は「臭い・カビ→雑草越境→雨漏り→勧告」の順番で進む。最初の2段階は月1回の換気・通水と草取りで止まる。
  • 自分で管理するなら月1回のチェックリスト。コストは作業ではなく交通費で決まり、新幹線圏なら年24万円超になる。
  • 管理サービスは月2,750円〜14,300円。安いプランは外観確認のみで、室内の換気・通水が入るのは月6,600円以上。
  • 「残す」の値段は年20万〜30万円前後。5年で100万円超。この数字と相場を並べて、家族で「何年残すか」を決める。
  • 残す人ほど、相場だけは匿名で把握しておく。売る約束ではなく、判断の材料。

僕の実家も、親が住んでいる今のうちから、この表を見ながら家族と見直しています。決まったら続きを書きます。

▼ 実家の相場を匿名で知る(無料・最大6社・連絡方法を選べる)

LIFULL HOME'S 不動産売却査定

あわせて読みたい

空き家管理サービスの比較と自主管理|実家を残す年間コストと判断ライン
最新情報をチェックしよう!
> 

 

Amazonのアソシエイトとして、アパートメントラボ合同会社は適格販売により収入を得ています。

物件の地図

ピンを押すと物件の記事へ進めます。PC は Ctrl(Mac は ⌘)を押しながらホイールで拡大、スマホは2本指で動かせます。

最近の物件レポートと記事