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夜に帰ってきて、明日も着るジャケットをハンガーごとカーテンレールの端に引っかける。翌朝カーテンを開けようとすると、ジャケットがつかえて窓が半分しか開かない。クローゼットが小さい1Kやワンルームだと、こうして窓ぎわが「着た服の置き場」になっていきます。衣替えでコートやニットが部屋に出てくる10月から、レールに掛かる重さは増える一方です。
選び方メモ
この記事の道具は、私は使っていません。見たのは、壁に穴を開けずに置けるか、耐荷重と寸法がメーカーの公式ページに数字で出ているか、の2点です。候補は8点。壁にクギを打つ型や、付く扉の条件が公式ページに見当たらないドアハンガーなど4点を落とし、残った4点を置き場所別に並べました。
カーテンレールは、カーテンの重さまでで作られている
カーテンレールは、カーテンを吊るすための部品です。服を掛けることは考えられていません。1回掛けたくらいで落ちることはまずありませんが、毎晩同じ端に掛け続けると、負担は端のブラケット(レールを壁や天井に留めている金具)の1か所に集まります。
起きやすいのは、レールのたわみ、ランナー(カーテンのフックを通す小さな車)の割れ、ブラケットのビスのゆるみです。ビスがゆるんだまま使い続けると、穴のまわりの壁がくずれて、締め直しても効かなくなります。こうなると直すのはレールではなく壁です。
お金の話になるのはここからです。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、ふつうに暮らして生じた傷みは貸主負担、借主の不注意や通常でない使い方で生じた傷みは借主負担、という考え方です。服を掛け続けてレールが曲がった、ビスが抜けて壁の穴が広がった、は「ふつうの使い方」とは言いにくい側です。退去の立ち会いでは、レールが水平か、ランナーが欠けていないか、ブラケットのまわりの壁紙が浮いていないかが見られます。
動画の視聴者アンケートでは、947人のうち約6割が「カーテンレールに洗濯物はかけない」と答えていました(カーテンレールに洗濯物をかけるのはダメ?)。裏を返すと、4割近くの人は掛けています。責める話ではなく、ほかに掛ける場所がないから掛けている、というのが実際のところだと思います。
なので、この記事の答えは「掛けるのをやめる」ではなく「掛ける場所を別に1つ用意する」です。
床に36.5cm角が空くなら「山崎実業 ポールハンガー スマート」
外寸は幅36.5×奥行36.5×高さ140cm。壁にも天井にも触れずに、床に置くだけで立ちます。メーカーの公式ページの耐荷重は、ハンガーを掛ける部分が10kg、カバン用のフックが1つあたり2kgです。
私がこれを最初に選ぶのは、10kgという数字に余裕があるからです。仮置きの服は「今日脱いだ上着」「明日も履くパンツ」「洗うかどうか迷っているニット」と、だいたい2〜4枚。私は、耐荷重の半分くらいで使える道具を選びます。ぎりぎりで使う道具は、いずれ曲がるからです。
もう一つは本体の重さで、5.2kgあります。軽いハンガーは片側に服が寄ると傾きますが、このくらい重さがあると倒れにくい。逆に言えば、掃除のたびに動かすのは少し手間です。

山崎実業 ポールハンガー スマート ホワイト 4080
置く場所は、窓の前を避けて、クローゼットの扉の横か玄関に近い壁ぎわ。窓の前に置くと、結局カーテンの開け閉めのじゃまになって、元の問題が場所を変えただけになります。
向かないのは、ベッドと机を置いたら床に36.5cm角の空きがもう取れない部屋です。高さ140cmなので、丈の長いコートは裾が床に近くなります。メーカーの説明では丈の長い衣類も掛けられるとしていますが、裾を床につけたくない人は手持ちのコートの丈を測ってから決めてください。

床を空けられない部屋は、ドアか壁ぎわへ
4帖台の部屋では、36.5cm角でも惜しいことがあります。たとえば中野区江原町のロフト付きワンルームは、住戸11.00㎡、居室7.60㎡(4.6帖)で、クローゼットは階段下にあるハンガーパイプ付きのもの。こういう部屋では、床に置く道具より、ドアの上や壁ぎわの「厚みの少ない場所」を使うほうが合います。ちなみにこの部屋は、窓の上に格納式の物干し金具が付いています。服を窓ぎわに干したいなら、本来はこういう金具を使う場所です。自分の部屋にも付いていないか、一度窓の上を見てみてください。
| 道具 | 置き方 | 床に要る広さ(幅×奥行) | 耐荷重(公式) | 合う服 |
|---|---|---|---|---|
| ポールハンガー スマート(本命) | 床に自立 | 36.5×36.5cm | ハンガー部10kg・フック1つ2kg | 上着・コート・カバンまで |
| 使わない時は収納できるドアハンガー タワー | ドアの上に掛ける | なし | 合計7kg・フック1つ1kg | ハンガーに掛けた上着、シャツ |
| スリムコートハンガー タワー | 壁に立てかける | 38.5×42cm | 5kg | 上着・パンツ数枚 |
| ラダーハンガー タワー | 壁に立てかける | 45×24cm | バー1本1kg | パンツ・ストール・ニットをたたまずに |
結果として4点とも山崎実業になりました。寸法・耐荷重・取り付けの条件が公式ページで全部そろって確かめられたのが、今回はこのメーカーの品だったからです。同じ形の道具はほかのメーカーにもあります。別の品を選ぶときは、この表と同じ「床に要る広さ」と「耐荷重」の2つを見比べれば、外れにくくなります。
ドアの上に掛けるなら、厚みとすき間を先に測る
「使わない時は収納できるドアハンガー タワー」は、ドアの上端に引っかけるだけで、床を1cmも使いません。耐荷重は合計7kgで、ハンガーを掛けるフック・くぼみが1つあたり1kg。使わないときはたためます。
ただし、付くドアには条件があります。公式ページの表記では、扉の厚みが2.7〜3.6cm、扉の上と枠のあいだに3mm以上のすき間、扉の幅が2cm以上。買う前にメジャーで扉の厚みを測り、扉を閉めた状態で上のすき間に名刺を差し込んでみると、3mmあるかどうかの見当がつきます。1Kなら、居室とキッチンを仕切るドアがいちばん使いやすい位置です。

山崎実業 使わない時は収納できるドアハンガー タワー 5514
向かないのは、居室の入口が引き戸の部屋と、ガラス入りの扉です(ガラス戸には使わないよう公式ページに書かれています)。付属の木ネジで壁に付ける使い方もできますが、賃貸ではネジ穴が残るので、私はドアに掛ける使い方だけを勧めます。
立てかける2つは、軽いぶん壁に触れる
「スリムコートハンガー タワー」は幅38.5×奥行42×高さ160cm、本体1.0kg、耐荷重5kg。壁に立てかけて使います。ポールハンガーより5倍ほど軽いので、掃除のときに片手で動かせます。

山崎実業 スリムコートハンガー タワー ホワイト 7550
「ラダーハンガー タワー」は、はしごの形をした立てかけ式で、幅45×奥行24×高さ160cm、本体2.3kg。奥行24cmは4点の中でいちばん薄く、ベッドと壁のあいだのような細い場所に入ります。椅子の背にパンツやストールを掛けてしまう人には、これがそのまま椅子の代わりになります。

山崎実業 ラダーハンガー タワー ホワイト 2812
2つとも、上の端が壁紙に触れています。掛けた服の重さで少しずつこすれるので、壁に当たる所に家具用の透明な保護シートを1枚貼っておくと安心です。壁に当たる部分の作りは商品ページで確認してください。
ラダーハンガーはバー1本あたり1kgまでです。厚手のコートを掛ける場所には向きません。スリムコートハンガーは、床の奥行きが42cm要るので、ベッドと壁のあいだの通路に置くと体が当たりやすくなります。どちらも、小さな子どもやペットがよじ登る部屋には置かないほうがいいと私は考えます。
落とした4点は、壁の穴・扉の条件・大きさで引っかかった
- 壁付けコートハンガー タワー(山崎実業):石こうボード用のピンで壁に留める型で、付属のクギは12本。ガイドラインでは、下地のボードを張り替えずに済む程度の画鋲・ピンの穴は通常の損耗とされていますが、12本ぶんの穴をそう扱うかは部屋の契約や貸主の考えでも変わります。コンクリートの壁には付かず、位置も動かせないので外しました。
- ドアハンガー タワー(山崎実業):フックが上下2段の型。公式ページの仕様は見られましたが、Amazonで同じ品番の商品を確かめきれなかったので外しました。
- ドアハンガー スマート ロング(山崎実業):フック1つあたり1kg。公式ページに扉の厚みとすき間の条件が見当たらず、付くかどうかを買う前に判断できないので外しました。
- 天井と床に突っ張るポールハンガー:服を掛ける量に対して大きすぎました。天井側の当たり面の跡にも気を使います。たくさん掛けたいなら、押入れをクローゼットにする方法や突っ張り棚の選び方のほうが、収納そのものを増やせます。
なお、壁に何かを留める道具を使う前に迷ったら、管理会社か貸主に「ピンの穴はどこまで許されるか」を聞いておくのが確実です。部屋ごとに契約の書き方が違うので、最後の判断はそちらで確認してください。
よくある質問
ハンガー1本だけなら、カーテンレールに掛けても大丈夫?
1回で壊れることはまずありません。困るのは「毎日同じ端に」が続くことです。どうしても掛けるなら、端ではなくブラケットのすぐ下に、乾いた服を1本だけ。濡れた服は乾いた服より重くなるので、洗濯物はレールに掛けないでください。
椅子の背に掛けるのはだめですか?
部屋が傷むことはないので、原状回復の面では問題ありません。困るのは、座るたびに服をどかすことと、服にしわが寄ることです。椅子に掛けがちなのがパンツやストールなら、上のラダーハンガーがいちばん近い使い方になります。