カーテンレールに洗濯物をかけるのはダメ?視聴者947人の6割が「かけない」|壊れたら誰の負担かを大家が本音で解説【アンケート研究室#1】

カーテンレールに洗濯物をかけるのはダメ?視聴者947人の6割が「かけない」

YouTubeアパートメントラボのコミュニティでは、暮らしにまつわる質問を定期的にアンケートしています。その結果とコメントを、賃貸物件を経営する現役大家・宅建士の視点で読み解く連載が「アンケート研究室」です。

第1回のテーマは「カーテンレールに衣類をかける?かけない?」。雨の日の部屋干し、明日着る服のスタンバイ、脱いだ上着のちょい掛け。やったことがない人のほうが少ないかもしれないこの習慣には、賃貸暮らしで知っておきたいポイントが隠れています。

結論:かけないのが安全。かけるなら「軽いもの・一時的に」

先に答えを言うと、カーテンレールはカーテンの重さしか想定していない部品なので、洗濯物を日常的にかけるのはおすすめしません。壊れた場合、借主の使い方が原因と判断されれば修理費は借主負担になり得ます。

選択肢 割合
かける 39%
かけない 60%
その他 1%

結果は「かけない派」が6割。ただし4割近くが「かける」と答えており、きれいに割れました。コメント欄を読んで分かったのは、「かけない派」の理由が「行儀が悪いから」ではなく、別の乾かし方や道具を持っているからという人が多かったことです。かける・かけないの違いは意識の差というより、「代わりの手段があるかどうか」の差なのかもしれません。

「かける派」のリアル:雨の日と、明日の準備

部屋干しする時に活用してます。😁

@Matilda-Millefiore さん(アンケートのコメント欄より)

雨の日だけ。コインランドリー勿体無いし、乾燥機導入も金かかる。コストが選択の基準の全て。

@あるこ-w1l さん

次の日に必要なものをひっかけてたりします。

@いのとも-j4x さん

洗濯物をベランダに出すのに出入りする部屋を使ってないので、そこのカーテンレールだけ干してます。相方がワイシャツとかかけてかけっぱなしにしてます

@悦子西村-k2x さん

「雨の日だけ」「明日の準備に」「使っていない部屋のレールだけ」と、みなさん用途を限定して使っているのが印象的です。目的を決めて一時的に使う。これが「かける派」の共通点でした。

私たちが「どれくらいかけるものなんですか?」と質問したところ、こんな具体的な回答もいただきました。

2重のカーテンレールですが、1人暮らしなので、バスタオル一枚、フェイスタオル2枚、Tシャツ、パーカー合わせて5枚、ボトムス4着くらいです。入居初日にレールのたわみを直しています。

@Matilda-Millefiore さん

注目したいのは最後の一文。入居初日にレールのたわみを直している、つまり「レールは重さで変形するもの」と分かった上で使っているということです。かける派の中でも、レールの限界を意識している人とそうでない人で、リスクは大きく変わります。

「かけない派」のリアル:手段があるから、かけなくていい

「かけない派」の理由は、大きく4つに分かれました。

1. 乾燥は機械に任せている

ドラム式洗濯乾燥機をフル活用してます。

@okayhang2825 さん

コインランドリーを使用してます

@ssm8761 さん

2. 部屋干し専用の道具がある

物干し竿の馬?を置いて干します。

@てらちゃん-t7z さん

「物干し竿の馬???」と聞き返したところ、「竿が通してある室内用物干し台……なんて言えば良いのやら😅」とのこと。いわゆる室内物干しスタンドです。これがあれば、カーテンレールの出番はなくなります。

3. 物理的にかけられない

そもそもカーテンレールに手が届きません😊

@エリべ-arubire0 さん

4. 賃貸だから、あえてかけない

賃貸でカーテンレールに洋服とかかけて壊した時に修理費がかかるからいけないと教えてもらってから、かけない様にしてます。

@sichanmarulove さん

この方は私たちの動画で知ったとのこと。ちなみにこの方のカーテンレールには、衣類ではなく虫除けがぶら下がっているそうです。衣類はかけないけれど、軽いものは吊るす。これも一つの落としどころです。

仕組み・ルール:なぜ「かけない」ほうが安心なのか

カーテンレールは衣類の重さを想定していない

一般的な賃貸に付いている機能性レール(アルミや樹脂製)は、カーテン1枚あたり数kgを吊るす前提で設計されています。洗濯直後の濡れたバスタオルやパーカーは、乾いた状態の何倍も重くなります。それを毎回同じ位置にかけ続けると、レール本体がたわむ、ランナー(フックを通す部品)が割れる、壁に固定しているブラケットのビスが緩んで抜ける、といった不具合が起きやすくなります。コメントにあった「入居初日にたわみを直した」という話は、レールがそれだけ変形しやすい部品であることの裏返しです。

賃貸では「借主負担」になり得る

退去時の原状回復は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が基準になります(2026年9月時点)。経年劣化や通常の使用による損耗は貸主負担ですが、借主の故意・過失や通常でない使い方による損傷は借主負担というのが基本的な考え方です。「衣類をかけ続けてレールが曲がった」「ビスが抜けて壁の穴が広がった」は、通常の使用とは見なされにくいケース。壁の補修まで及ぶと、レール交換だけでは済まない金額になることもあります。詳しくは退去費用の相場と原状回復ガイドラインの記事にまとめています。

カーテン本来の役目を邪魔する

衣類をかけたままだとカーテンがきちんと閉まらず、遮光・断熱・目隠しの効果が落ちます。夏の西日や冬の冷気は窓から入ってくるので、カーテンを閉めきれない状態は光熱費にもじわじわ効いてきます。

【大家の本音】レールの交換より怖いのは「壁」

貸す側の立場で正直に言うと、カーテンレールそのものの交換費用は大きくありません。私たちが経営しているアパートでも、レール1本の交換なら部材と工賃で数千円から1万円台です。

本当に困るのは、ビスが抜けて壁の下地(石膏ボード)が崩れているケースです。同じ穴にビスを打ち直せないので、下地の補修とクロスの張り替えが必要になり、費用は一気に跳ね上がります。退去立会いで「レールが少し曲がっている」程度なら経年扱いにすることもありますが、壁が崩れていると借主負担をお願いせざるを得ません。

コメントに「かけ続けて壊れた時のリスクは?」という質問があり、「重くなりすぎなければ壊れませんよ」という返信も付いていました。それはその通りなのですが、「重くなりすぎ」の線引きは人によって違い、レールの種類(機能性レールか装飾レールか、樹脂製かアルミ製か)によっても変わります。「大丈夫だと思っていた」が通用しにくいのが、原状回復の難しいところです。

チェックリスト:レールを使わずに部屋干しする5つの方法

「かけない派」のコメントを参考に、代わりの手段をまとめました。

  1. 室内物干しスタンド:コメントにも登場した「竿が通してある室内用物干し台」。折りたたみ式なら使わないときは畳んで収納できます。
  2. 突っ張り棒・突っ張り式物干し:壁と壁、または床と天井の間に突っ張るタイプ。穴を開けずに設置でき、賃貸向きです。選び方は賃貸OKの室内物干しの記事で比較しています。
  3. 窓枠・鴨居用の引っかけフック:窓枠の上部や鴨居に引っかけて使うタイプ。レールではなく窓枠そのものに荷重をかけるので、レールを傷めません。
  4. 浴室乾燥機・浴室の物干しバー:最近の賃貸は浴室に物干しバーが付いていることも多く、内見のときに確認しておきたいポイントです。
  5. ドラム式洗濯乾燥機・コインランドリー:初期費用や利用料はかかりますが、天気に左右されない安心感は大きいです。

「明日着る服をスタンバイしたい」だけなら、ドアの上に引っかけるドアハンガーや、壁に立てかけるハンガーラックでも十分です。代わりの手段を一つ用意するだけで、レールを使わずに済むケースがほとんどです。

よくある質問

Q1. 少しくらいなら、カーテンレールに服をかけても大丈夫?

乾いた薄手の服を一時的にかける程度なら、すぐに壊れることはまずありません。避けたいのは、濡れた洗濯物や重いコート類を毎日同じ位置にかけ続けること。レールのたわみやブラケットのビスの緩みは少しずつ進むので、「かけっぱなし」にしないことが大切です。

Q2. カーテンレールが曲がってしまった。退去時に請求される?

借主の使い方が原因と判断されれば、修理費を請求される可能性があります。ただし、レール本体の交換だけなら数千円から1万円台が目安で、壁の下地まで傷んでいるかどうかで金額が大きく変わります。気づいた時点で管理会社に相談するほうが、退去時に揉めにくくなります。

Q3. 部屋干し用に自分で物干しを取り付けてもいい?

壁や天井にビスで固定するタイプは、貸主の承諾が必要です。承諾なしに穴を開けると原状回復の対象になります。突っ張り式や置き型の物干しなら穴を開けずに使えるので、賃貸ではこちらを選ぶのが基本です。

まとめ|かける派も、かけない派も「レールの限界」を知っておく

  • 「かけない派」が6割。理由の多くは「別の手段があるから」
  • カーテンレールは衣類の荷重を想定した部品ではなく、たわみやビス抜けが起きやすい
  • 借主の使い方が原因の破損は借主負担になり得る。壁の下地まで傷むと費用が跳ね上がる
  • 室内物干しや突っ張り棒など、レールを使わない選択肢は多い

「かけているけど大丈夫」という人は、一度レールのたわみやブラケットの緩みを確認してみてください。次回のアンケートもYouTubeのコミュニティでお知らせします。

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畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士

登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、賃貸・分譲・戸建ての内見動画を制作。自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する現役の不動産オーナー。UR都市機構などの物件PR動画も手がけ、賃貸を「借りる側」と「貸す側」の両方の視点から発信しています。運営者について >

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