実家じまいの費用総額はいくら?片付け・解体・売却の相場と「安くなる順番」【2026年版】

実家じまいの費用総額はいくら?片付け・解体・売却の相場と「安くなる順番」【2026年版】

※本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

「実家を片付けて、壊して、売る。全部でいくらかかるのか」。売買の仲介の現場で、何度も受けてきた質問です。答えは正直に言うと「50万円で済む家もあれば、300万円を超える家もある」です。無責任に聞こえますが、幅が出る理由ははっきりしていて、内訳を工程ごとに分ければ自分の実家がどのあたりに落ちるかは見えてきます。

僕自身、昭和初期に建った築50〜60年超の実家(敷地約250㎡)をどうするか、家族と話し合っている最中です。プロとして人の実家じまいを見てきた目と、当事者として自分の実家の見積を眺める目、両方で書きます。

この記事では、費用の内訳を工程別に表にし、3つのモデルケースで総額を比べ、一番伝えたい「順番を間違えると高くなる」話をします。最後に、自分の実家で試算した数字も載せました。

数字は2026年9月時点の公開データと、僕が現場で見てきた相場をもとにしています。税務・法務の個別判断は税理士・司法書士等にご確認ください。相場は地域と物件の状態で大きく変わります。

先に結論

  • 実家じまいの総額は「片付け」「測量」「解体」「売却諸費用(登記・仲介手数料・印紙)」「税金」「決断までの管理費」の6つの合計。幅が出る原因のほとんどは解体するかどうか、片付けを誰がやるか、測量が要るかの3つ。
  • 木造30坪・土地1,500万円で売れる実家なら、建物付きで売ると約150万円、解体して更地で売ると約270万円、買取なら諸費用は安いが売値が2〜3割下がる。
  • 費用を下げる最大のコツは値切りではなく順番。「登記→相場→補助金→片付け→測量→解体は買主が決まってから→売却→申告」の順で進めると、同じ家でも数十万〜数百万円変わる。
  • 相続した実家なら、3,000万円控除で譲渡所得税がゼロになるケースが多い。ただし期限と条件があり、解体の順番を間違えると使えない。

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実家じまいとは何か。総額が「50万円〜300万円超」まで幅がある理由

実家じまいという言葉に法律上の定義はありません。僕は「親が住まなくなった家を、片付けて、名義を整理して、売るか貸すか壊すかを決めて、手放すところまで」を指して使っています。片付けだけで終わる人もいれば、解体して更地にして売る人もいる。だから総額に幅が出ます。

幅を作っている要因は、突き詰めると次の3つです。

要因安くなる側高くなる側差額の目安
解体するか建物付きで売る(0円)木造30坪を解体(90万〜150万円)約100万〜150万円
片付けを誰がやるか家族で仕分けし、処分だけ業者(10万〜20万円)4LDK丸ごと業者に依頼(22万〜70万円)約20万〜50万円
測量が必要か境界が確定済み(0円)確定測量が必要(35万〜80万円)約35万〜80万円

この3つだけで最大約300万円の差が出ます。逆に言うと、この3つが「不要」または「安い側」に収まる実家なら、仲介手数料と登記費用だけで50万円台で終わることも珍しくありません。

📖 用語メモ|残置物とは

家の中に残された家具・家電・衣類・食器など、建物と一緒には売れない物すべてを指す。売買契約では「残置物なしで引き渡す」のが原則で、残っていると買主から撤去費用分の値引きを求められる。片付け業者の見積は「残置物ゼロで引き渡せる状態まで」を条件に取る。

費用の内訳を工程別に見る

実家じまいで実際に発生する費用を、工程の順に並べます。「自分の場合はどれが必要か」を右端の列で確認してください。

工程費用の目安出典・備考必要な人
遺品整理・残置物処分2LDK 10万〜20万円、3LDK 17万〜50万円、4LDK 22万〜70万円各社相場。物量・搬出経路で変動ほぼ全員
相続登記登録免許税=固定資産税評価額×0.4%+司法書士報酬5万〜8万円+戸籍等の実費国税庁 No.7191、報酬は事務所ごと相続した人(2024年4月から義務)
確定測量(境界確定)民民のみ35万〜45万円、官民査定あり60万〜80万円ノムコム・HOME4U・住友不動産ステップ各コラム境界未確定・地積測量図がない土地
解体(木造30坪)90万〜150万円(坪4万〜6万円)HOME4U ほか。地域・条件で120万〜180万円更地で売る人
解体補助金補助率1/3〜1/2、上限50万〜150万円各自治体。着工前申請が条件自治体に制度がある人
仲介手数料売却価格×3%+6万円+消費税(上限)宅建業法。800万円以下は特例あり仲介で売る人
印紙税売買契約書1通 1万円(1,000万円超〜5,000万円以下、軽減後)国税庁 No.7108、軽減は2027年3月31日まで全員
譲渡所得税譲渡益×20.315%(所有5年超の長期)国税庁 No.3208利益が出た人。控除で0円になることも
管理費(決断までの期間)固定資産税+火災保険+管理サービス月5,000〜15,000円空き家パス比較決めるまでの期間に比例

見落としやすいのは下の2つです。

譲渡所得税は、売却価格から取得費と譲渡費用を引いた利益に約20%かかります。実家は親が何十年も前に買った土地で取得費が分からないことが多く、その場合は売却価格の5%を取得費とみなします(国税庁 No.3258)。1,500万円で売れると譲渡益は約1,400万円、税額は約280万円。ここで効くのが3,000万円の特別控除で、条件を満たせばこの税がゼロになります。費用表のどの項目より大きいので、「順番」の章で詳しく書きます。

管理費は決断までの期間に比例します。年間20万〜30万円が目安で、3年迷えば60万〜90万円。解体費の半分に相当する金額が、何も決めないことで出ていきます。

🔢 数字メモ|800万円以下の仲介手数料

2024年7月1日の宅建業法報酬規定改正で、売買価格800万円以下の物件は仲介手数料の上限が税込33万円になった(国土交通省告示)。500万円の家なら従来の上限は税込23.1万円だったので、手数料が上がるケースもある。地方の実家を売る人は、査定時に手数料の根拠を必ず聞いておく。

3つのモデルケースで総額を比べる

同じ実家でも、出口によって総額と手残りが変わります。「木造30坪・4LDK・土地は仲介で1,500万円で売れる・相続登記の評価額1,000万円・境界は民民のみ・決断まで6か月」の条件で、3つの出口を並べます。

費目A:建物付きで売る(仲介)B:解体して更地で売る(仲介)C:買取業者に売る
遺品整理(家族で仕分け後)30万円30万円0〜15万円(残置物ごと引き取る業者あり)
相続登記(税4万円+報酬7万円)11万円11万円11万円
確定測量(民民)40万円40万円0〜40万円(業者負担で交渉できることも)
解体0円120万円0円
仲介手数料(1,500万円×3%+6万円+税)56.1万円56.1万円0円(直接売買)
印紙税1万円1万円1万円
管理費(6か月)12万円12万円6万円(決断が早い前提)
費用合計約150万円約270万円約20万〜75万円
想定売却価格1,500万円1,500万〜1,600万円1,050万〜1,200万円(仲介の7〜8割)
手残り(税0円の場合)約1,350万円約1,230万〜1,330万円約1,000万〜1,150万円

費用が一番安いのはC(買取)、手残りが一番多いのはA(建物付きで仲介)です。Bは「更地のほうが売りやすい」のは事実ですが、解体費を売値に上乗せできるとは限らず、手残りではAを下回ることが多い。まず建物付きのまま査定を取るのが順番です。

ただしAは売却までに3〜6か月、築古で場所が悪ければ1年以上かかることがあります。その間の管理費と精神的な負担を考えてCを選ぶ人がいるのも分かります。「早さを買う」のがC、「手残りを取る」のがA、「買主が更地しか買わない地域」でだけBが正解になります。

売らずに残す場合も、同じ物差しで並べておきます。固定資産税・火災保険・管理サービス(月5,000〜15,000円)で年20万〜30万円、10年なら200万〜300万円。賃貸に出せば収入は入りますが、築古の実家は貸す前の修繕費が別にかかり、相続した家を一度でも貸すと相続空き家の3,000万円控除は使えなくなります。残す・貸すを選ぶなら、この維持費と控除の消失を織り込んだうえで決めてください。

📝 現場メモ|解体の判断は査定の後

「古い家だから壊さないと売れない」と思い込んで先に解体する人が多いが、築古でも土地目当ての買主は自分で解体したい(解体費を値引き交渉の材料にしたい)ことが多い。解体するかどうかは、複数の会社に「建物付き」と「更地渡し」の両方で査定を出させてから決める。

「安くなる順番」——順番を間違えると同じ家でも高くなる

実家じまいの費用を下げるコツは、業者を値切ることではなく、工程の順番を守ることです。順番を間違えたせいで数十万〜数百万円多く払った例を、現場で何度も見てきました。

順番やること順番を間違えると差額の目安
1名義を確認し、相続登記を済ませる親名義のままでは売却契約ができない。2024年4月から3年以内の登記が義務、放置で10万円以下の過料(法務省)売却が数か月止まる
2相場を匿名で取る(建物付き・更地の両方)相場を知らずに解体や片付けを発注すると、売値に見合わない費用をかける解体費100万円超が無駄になる
3自治体の解体補助金を調べる補助金は着工前申請が条件。着工後に気づいても出ない50万〜150万円
4家族で貴重品・書類を抜いてから、片付け業者に複数見積丸投げすると仕分け工数分が上乗せ。権利証や通帳が捨てられる事故も20万〜50万円
5測量が必要か確認し、必要なら着手境界未確定のまま売り出すと値引き要求か、決済が遅れる数十万円
6解体は買主が決まってから(更地渡し条件で契約)1月1日時点で更地だと住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が翌年度から最大6倍売れるまで毎年数万〜数十万円
7売却・引き渡し3,000万円控除の期限を過ぎると譲渡益に20.315%数百万円
8翌年に確定申告控除は申告しないと使えない。「税0円だから申告不要」ではない控除全額

6番の解体と7番の税金は影響が大きいので補足します。

解体を先にすると固定資産税が上がる。 住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」で、200㎡までの部分は固定資産税の課税標準が1/6(都市計画税は1/3)、超える部分は1/3(同2/3)になっています(総務省)。1月1日時点で建物がないと特例が外れます。「秋に解体して、年内に売れずに年を越した」実家は、翌年度の税額が数倍になります。買主が決まってから更地渡しの条件で解体するのが現場の定石です。

相続空き家の3,000万円控除は、順番と条件が細かい。 1981年5月31日以前に建った家で、相続から3年目の年末までに売り、制度期限は2027年12月31日。建物付きで売る場合は買主が翌年2月15日までに耐震改修か取壊しをすれば適用可(国交省・国税庁 No.3306)。解体後に売る場合も使えますが、相続後に一度でも貸したり事業に使ったりすると外れます。「売れるまで駐車場として貸した」だけで数百万円の控除が消えた例を知っています。相続人が3人以上なら1人2,000万円に減る点は、兄弟で分ける方は要確認です。

親が存命で親名義のまま売る場合は、居住用財産の3,000万円控除(国税庁 No.3302)が対象で、「住まなくなった日から3年目の年末まで」が期限です。親が施設に入って数年経っている実家は、この期限が迫っていることがあります。

⚠️ 失敗メモ|残置物ごと解体を頼んだ例

片付けが面倒で、解体業者に「中身ごと壊してください」と頼んだ相続人がいた。解体時に出る家財は産業廃棄物扱いで処分単価が高く、見積が遺品整理業者の約2倍になった。しかも仏壇と権利証が瓦礫と一緒に出て行った。片付けと解体は分けて、片付けは遺品整理業者か自分で、が鉄則。

僕の実家(昭和初期築・敷地250㎡)で試算してみた

ここからは当事者としての話です。前の記事で書いたとおり、僕は自分の実家について建て替えもアパート併用も数字で消えて、売却に傾いています。家族はまだ「残したい」と言っています。ではもし売るとしたら、実家じまいの費用はいくらになるのか。上の表に自分の家を当てはめました。

項目僕の実家の条件試算
建物木造、昭和初期築、延床は40坪前後(図面がなく要実測)解体なら坪4万〜6万円で160万〜240万円。土壁・瓦で上振れの可能性
敷地約250㎡(約75坪)、前面は公道官民査定が必要な可能性が高く、確定測量60万〜80万円
片付け4LDK相当+納戸・物置に親戚の荷物家族で仕分けしても業者分で40万〜70万円
名義いま住んでいる親の名義(相続は未発生)相続登記は今は不要。売主は親。控除は居住用財産の3,000万円が対象
固定資産税200㎡までが1/6、残り50㎡が1/3解体で特例が外れると土地分が数倍。ここが僕の家では痛い
建物付きで売る場合片付け+測量+印紙約100万〜150万円(+仲介手数料は査定額×3%+6万円+税)
更地で売る場合上記+解体約260万〜390万円(補助金があれば50万〜150万円減)

試算して分かったのは、うちは「解体費が高い側」の家だということです。昭和初期の家は瓦と土壁が重く、処分費が上振れします。40坪だと標準的な30坪より1.3倍。しかも敷地が250㎡あるので、更地にした瞬間に特例が外れる面積も大きい。

だから僕の実家は、建物付きで、土地として売るのが費用面では正解になります。買主が自分で解体するなら、その分を値引きされるかもしれませんが、僕が先に240万円かけて解体して、売れずに年を越すリスクを取るより合理的です。家族との話し合いでも、「解体しても得にならない」という数字は、思っていたより素直に受け止められました。感情の議論に数字を持ち込むと、賛成も反対も静かになります。

もう一つ。親が存命の今は相続登記が要らず、居住用財産の控除が使えます。相続後に売る場合は相続空き家の控除に切り替わり、こちらは2027年末までの期限つきです。「いつ売るか」で使える制度が変わる。これは自分の実家で試算して初めて実感しました。

📖 用語メモ|官民査定とは

土地が道路や水路など公有地に接している場合に、行政の立会いで境界を確定する手続き。民民(隣地所有者との立会い)だけの測量より工程が多く、期間は3か月を超えることもある。前面道路が公道の実家は、ほぼ必要になると考えておく。

僕が使っている「相場を先に知る」方法

順番の2番目に「相場を匿名で取る」と書きました。解体するか、片付けにいくらかけるか、買取に出すか。全部、売値が分からないと決められません。実家じまいの費用は、最初に相場を知るかどうかで半分決まります。

ただ、いきなり不動産会社の店頭に行くと営業がかかります。「売るかどうかも決めていない」段階では、それが負担で止まる人が多い。

僕が使っているのはLIFULL HOME’Sの不動産売却査定です。仕事でLIFULLさんと一緒になることが多く、仕組みを知っているので、良い点と気をつける点を両方書きます。

良い点

  • 匿名で査定依頼ができる。名前や電話番号を出さずに相場感だけ取れる
  • 提携約1,700社、最大6社まで同時依頼。地方の実家は大手より地元の会社が強いことが多く、地元会社の登録が充実している
  • 連絡方法を電話・メール・郵送から選べる。「メール希望」にすれば電話攻勢は避けられる

気をつける点

  • 大手不動産会社の登録は少なめ。大手の査定も欲しい場合は別途依頼する
  • 会社によって対応の速さに差がある。返事が遅い会社は候補から外してよい
  • 査定額が一番高い会社が良い会社ではない。「建物付き」と「更地」の両方の根拠を説明できる会社を選ぶ

依頼するときは備考に「建物付きと更地、両方の査定が欲しい」と書いてください。この一言で、解体すべきかどうかの答えが返ってきます。

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よくある質問

Q. 実家じまいの費用は、誰が払うのですか?

A. 相続後なら相続人です。兄弟がいる場合、片付けや解体の費用を誰が立て替え、売却代金からどう精算するかを先に決めておかないと揉めます。一番多いトラブルは負担割合ではなく「一人が勝手に業者を頼んで、後から請求した」ケースでした。見積は共有してから発注してください。

Q. 片付けを自分でやれば、費用はどれくらい下がりますか?

A. 業者見積の半分から3分の1になることが多いです。ただし一軒家の粗大ごみは自治体回収に回数制限があり、全部自分でやると数か月かかります。「貴重品と思い出の品は家族が抜き、残りは業者」が、費用と時間のバランスで一番現実的です。

Q. 解体補助金は必ずもらえますか?

A. 自治体によって制度の有無も条件も違います。「老朽危険空き家」の認定が条件だったり、解体後の土地の用途に制限があったりします。共通しているのは着工前申請。市区町村の建築・住宅担当課のサイトで「空き家 解体 補助」を検索してください。

Q. 売れない実家は、費用だけかかって終わりですか?

A. 買取業者、空き家バンク、隣地所有者への打診、相続土地国庫帰属制度(審査手数料1.4万円、負担金原則20万円。建物は事前に解体が必要)の順に検討します。国庫帰属は最後の手段で、解体費と負担金が必要なので「費用ゼロ」ではありません。

まとめ

  • 実家じまいの総額は6つの費目の合計。幅のほとんどは「解体するか」「片付けを誰がやるか」「測量が要るか」で決まる。
  • 木造30坪・1,500万円の実家なら、建物付きで約150万円、更地なら約270万円、買取なら諸費用は安いが売値が2〜3割下がる。
  • 費用を下げるのは値切りより順番。登記→相場→補助金→片付け→測量→解体は買主が決まってから→売却→申告。
  • 3,000万円控除は数百万円の差になる。相続後は2027年末と「相続から3年目の年末」、生前は「住まなくなって3年目の年末」が期限。
  • 僕の実家は解体費が高い側なので、建物付きで売るのが費用面の正解だった。まず相場を知ることで、家族の議論が数字になった。

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