更新料を払ったことがある人は58%|「聞いたこともない」地域があるのはなぜ?視聴者823人のアンケートを宅建士が解説【アンケート研究室#2】

更新料を払ったことがある人は58%

YouTubeアパートメントラボのコミュニティで定期的に行っているアンケートを、現役大家・宅建士の視点で読み解く連載「アンケート研究室」。第2回のテーマは「更新料を払ったことある?」です。

賃貸に住んでいると、2年に一度やってくる「更新のお知らせ」。そこに書かれている更新料を見て、「これって何のお金?」「払わないとダメ?」と思ったことはありませんか。結果とコメントを見ていくと、更新料が「当たり前」の地域と「そもそも存在しない」地域が、はっきり分かれていることが分かりました。

結論:更新料は「慣習」。契約書に書いていなければ発生しない

選択肢 割合
ある 58%
ない 38%
その他 4%

「ある」が過半数ですが、「ない」も4割近く。私たちの視聴者は全国に散らばっているので、この数字はそのまま「更新料がある地域とない地域の分布」に近いと考えられます。

先に結論を言うと、更新料は法律で決まったお金ではなく、契約書に定めがある場合にだけ発生する地域の慣習です。だから契約書に書いていなければ払う必要はありませんし、地域によっては契約書に更新料の項目自体が存在しません。基本は更新料とは?相場・地域差の記事で整理しているので、今回はアンケートで見えた「地域差の実感」を中心に書きます。

コメントで見えた「更新料のない地域」

今回いちばん盛り上がったのが、北海道の方からのコメントでした。

今の所は更新料ないです(札幌市住み)

@おっきー1009 さん(アンケートのコメント欄より)

あれ?北海道って更新料あるのかな?初めて聞く。だいたいは無いと思う。私も札幌しか知らないけど、そもそも、更新料という言葉自体、聞いたことはなかった。

@user-kotori162 さん

「更新料という言葉自体、聞いたことがなかった」というのは、関東や関西で暮らしている人にはかなり驚きではないでしょうか。さらにこんな続きも。

札幌市で更新料ある所は少ないと思います。東京では更新料払うタイミングで引越しする人もいるって知った時は驚きました。更新料なくて引越し面倒なので16年も同じ所に住んでます😅

@おっきー1009 さん

「更新料がないから、引っ越す理由がなくて16年住んでいる」。逆に東京では「更新料を払うくらいなら引っ越す」という人がいる。同じ賃貸暮らしでも、更新料の有無が住み替えの頻度まで変えているという、面白い気づきでした。

もちろん「払ってるよ〜ん」(@sichanmarulove さん)という声や、「賃貸に住んだ事ないです」(@ssm8761 さん)という声もあり、「ない」派の中には持ち家の方も含まれています。

仕組み・ルール:更新料の基本を3つに整理

1. 地域差が大きい

一般的に、更新料の慣習があるのは首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)や京都など。金額は家賃の1か月分前後が多いとされます。一方、北海道・東北・九州の多くのエリア、大阪や名古屋周辺でも、更新料がない、またはごく少額という物件が多いと言われています。コメントにあった「札幌では聞いたことがない」は、まさにこの地域差を表しています。

2. 「更新料」と「更新事務手数料」は別物

更新のときに請求される項目には、貸主に払う「更新料」のほかに、管理会社や仲介会社に払う「更新事務手数料」が並んでいることがあります。後者は書類作成などの手数料で、更新料がない地域でも数千円から1万円程度かかるケースがあります。明細を見るときは、どちらの名目なのかを確認してみてください。

3. 払わなかったらどうなる?

契約書に更新料の記載があれば、支払いは契約上の義務です。過去には「更新料は高すぎて無効ではないか」と争われた裁判もありましたが、2011年の最高裁判決で、家賃や更新期間に照らして極端に高額でなければ有効という判断が示されています(2026年9月時点)。「払いたくない」だけでは断れないので、納得できない場合は契約前に条件を確認するのが現実的です。

【大家の本音】更新料がない地域の大家は、何で帳尻を合わせているのか

貸す側の視点で言うと、更新料は「2年ごとにまとまった収入が入る」ありがたいお金です。では更新料のない地域の大家は損をしているのかというと、そうでもありません。

私たちが経営しているアパートは広島にあり、更新料の慣習は薄いエリアです。その代わり、礼金や敷金の設定、保証会社の更新保証料、家賃そのものの水準で全体のバランスを取っています。地域によって「初期費用で厚く取る」「更新時に取る」「家賃に乗せる」の配分が違うだけで、貸す側のトータルの収入は大きくは変わらないのです。

だから借りる側が見るべきなのは、更新料の有無だけではなく「2年間の総額」です。更新料がない代わりに礼金が2か月分、というケースは珍しくありません。コメントにあった「更新料がないから16年住んでいる」という方は、結果として引っ越し費用も礼金も払わずに済んでいるわけで、これは貸す側から見ても理想的な入居者です。長く住んでくれる入居者は、更新料よりずっと価値があります。

チェックリスト:更新料を「損」にしない3つの視点

  1. 契約前に「更新料あり・なし」を確認する:募集図面や重要事項説明で必ず書かれています。同じ家賃でも、更新料の有無で2年間の総額は1か月分変わります。
  2. 家賃交渉のカードにする:更新のタイミングは、家賃の見直しをお願いできる数少ない機会です。周辺相場が下がっていれば、更新料を払う代わりに家賃を相談してみる価値はあります。通る交渉・通らない交渉は家賃交渉の記事で例文付きにまとめています。
  3. 引っ越しコストと比べる:「更新料を払うくらいなら引っ越す」という選択も、引っ越し費用・敷金礼金・仲介手数料を合わせると更新料より高くつくことがほとんどです。

よくある質問

Q1. 更新料は必ず払わないといけない?

契約書に更新料の定めがあれば、支払いは契約上の義務です。定めがなければ払う必要はありません。契約書の「契約の更新」の条項を確認してください。

Q2. 更新料と更新事務手数料の違いは?

更新料は貸主に払うお金、更新事務手数料は管理会社や仲介会社に払う書類作成などの手数料です。更新料がない地域でも、事務手数料だけ請求されることがあります。

Q3. 更新料のある物件とない物件、どちらが得?

更新料だけで判断せず、礼金・敷金・家賃を含めた2年間の総額で比べてください。更新料がない代わりに礼金が高い、という設定は珍しくありません。

まとめ|更新料の有無より「2年間の総額」で見る

  • 「更新料を払ったことがある」は58%。地域差が大きく、北海道などでは「聞いたことがない」という声も
  • 更新料は法律ではなく慣習。契約書に書かれていなければ発生しない
  • 「更新料」と「更新事務手数料」は別物。明細の名目を確認する
  • 貸す側は礼金・敷金・家賃で帳尻を合わせている。比べるなら2年間の総額

次回のアンケートもYouTubeのコミュニティでお知らせします。

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畠

畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士

登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、賃貸・分譲・戸建ての内見動画を制作。自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する現役の不動産オーナー。UR都市機構などの物件PR動画も手がけ、賃貸を「借りる側」と「貸す側」の両方の視点から発信しています。運営者について >

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