賃貸の管理会社の選び方|連絡の速さ・業者間サイト・写真・報告の4点で見分ける

賃貸の管理会社の選び方|連絡の速さ・業者間サイト・写真・報告の4点で見分ける

結論:管理会社は「提案の上手さ」より「連絡の速さ」で選ぶ

アパートや戸建てを貸すときの管理会社は、連絡の速さ・業者間サイトへの掲載・募集写真・報告の仕組みの4点で見分けます。契約前のプレゼンが上手い会社より、問い合わせへの返信が翌日までに返ってくる会社のほうが、その後の1年は確実に楽です。

この記事は、これから貸す人(実家・転勤・相続・1棟目)と、すでに貸していて「任せているのに空室が埋まらない」と感じている人に向けて書きます。管理会社の仕事の中身、契約前に確かめる4点の表、変えるタイミングの判断、の順です。

前提:管理会社がやること・やらないこと

貸主(大家)が管理会社に委託するのは、おおまかに次の5つです。

  • 募集:家賃の設定の相談、ポータルサイトや業者間サイトへの掲載、内見の案内
  • 契約:入居審査(保証会社の手配を含む)、契約書の作成、鍵の引き渡し
  • 入居中の対応:家賃の集金と送金、設備の故障や騒音などの一次対応
  • 退去:解約の受付、退去の立ち会い、原状回復の見積もりと精算
  • 報告:空室の状況、問い合わせの数、収支の月次報告

注意したいのは、管理会社は貸主の代理であって、貸主そのものではないということです。空室が埋まらないときの損は貸主に出ます。管理会社は委託された仕事を「やる」ことはできても、「成果に責任を持つ」契約ではないのが普通です(成果まで引き受けるのがサブリースで、これは仕組みが別です)。

制度面では、2021年6月に全面施行された賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)で、管理戸数200戸以上の管理会社は国土交通大臣の登録が義務になり(第3条)、管理を委託する契約の前に書面で重要事項を説明すること(第13条)、家賃を自社のお金と分けて管理すること(第16条)などが決まりました。200戸未満は登録が任意なので、「登録があるか」は一つの目安になります。制度の全体は国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト 制度解説」にまとまっています。

契約前に確かめる4点と、その確かめ方

4点とも「聞けば分かる」ではなく「自分で確かめられる」ものを選びました。会社の説明を信じるかどうかではなく、見れば分かる形にしておくのが要点です。

見る点何が分かるか確かめ方
連絡の速さ入居者対応・募集対応の速さそのもの相談の段階でメールやLINEを送り、返信が翌営業日までに来るかを見る。契約前に遅い会社は契約後も遅い
業者間サイトへの掲載他の仲介会社がその物件を紹介できるか「どの業者間サイトに、空室を全部載せますか」と聞く。可能なら付き合いのある仲介会社に画面を見せてもらう
募集写真ポータルサイトで選ばれる物件になるかその会社が今扱っている物件をポータルで見る。暗い・古い・外観だけの写真が多い会社は、自分の物件も同じ扱いになる
報告の仕組み空室の状況を貸主が把握できるか「空室中は週1回、問い合わせ数と内見数を報告できますか」と聞く。月次の収支報告の見本を見せてもらう

業者間サイトの仕組みを知っておく

4点の中でいちばん見落とされるのが、業者間サイトです。部屋を探す人はポータルサイトを見ますが、実際に案内して契約まで進めるのは仲介会社です。その仲介会社は、自社で管理していない物件を業者間の物件情報サイトで探します。管理会社がそこに登録して初めて、他の仲介会社が「紹介できる物件の一覧」に入ります。

載っていなければ、管理会社1社の客付けだけで戦うことになります。登録漏れのこともあれば、自社でお客さんを決めて広告料や仲介手数料を自社に残したい、という事情で載せていないこともあります。どちらにしても貸主からは見えないので、自分で確かめる必要があります。

契約してから分かること:所有するアパートで起きたこと

上の4点は、机上で考えたものではありません。広島県内に所有するアパート(2棟26世帯)で、取得後の1年に実際につまずいたことから選びました。

実体験メモ

  • いつ:2025年の年末から、2026年9月に管理の形を切り替えるまで
  • どこで:広島県内に所有するアパート(取得から1年目)
  • やったこと:年末年始に、客付けしてくれた仲介会社へ挨拶に回った。その場で業者間サイトの画面を見せてもらった
  • 結果:空室の全部は載っていなかった。ポータルの写真は建築中のまま(足場とブルーシート)で、差し替えを頼んでもなかなか変わらなかった。問い合わせの返信は1週間かかることがあり、途中から「週1回、募集状況を報告する」決まりを自分から作った。取得から1年で管理の形を切り替えた
  • わかったこと:「任せて安心」は確認して初めて成り立つ。4点のうち、契約前に確かめられなかったのは報告の仕組みだけで、他の3点は見ようと思えば見えていた。1棟での例であり、会社や地域で事情は違う

挨拶に回った仲介会社の1社は、話したその日のうちに写真を撮って掲載まで動いてくれました。同じ物件でも、動く会社と動かない会社でここまで違う。契約前の印象ではなく、動いた実績で判断するのが、管理会社選びの本質だと思っています。

管理会社を変えるかどうかの判断の分かれ目

「変えたほうがいい」と「待ったほうがいい」は、次で分かれます。

  • 変える:業者間サイトへの掲載を頼んでも対応されない/写真の差し替えを2回頼んでも変わらない/空室中なのに報告が来ない。この3つは「仕組み」の問題なので、担当者が変わっても直りにくい
  • 待つ:返信は遅いが募集条件の提案は的確/繁忙期(1〜3月)の真っ最中。切り替えの手続き中に募集が止まるので、繁忙期の前か後に動く
  • 確認してから:管理委託契約の解約予告期間(1〜3か月が多い)、入居者への通知の方法、保証会社・火災保険の契約の引き継ぎ。ここを見ずに動くと空白期間ができる

変える先は、別の管理会社に委託し直す形と、サブリース(一括借上)に切り替える形があります。サブリースは「貸主」が所有者からサブリース会社に変わる仕組みで、保証率や免責期間の読み方が別に要ります。詳しくはサブリースを選ぶ前に確かめることに書きました。

よくある質問

Q1. 管理会社の管理料の相場はいくらですか?

家賃の3〜5%程度が多いですが、地域と会社で差があります。管理料の安さより、空室が1か月長引いたときの損失(家賃1か月分)のほうが大きいので、管理料の差だけで選ばないほうがよいです。

Q2. 管理会社を変えると入居者に迷惑がかかりますか?

家賃の振込先と連絡先が変わるので、通知は必要です。新旧の管理会社が引き継ぎの書面を入居者に送るのが一般的で、入居者が何か手続きをし直すことは通常ありません。賃貸借契約そのものは所有者と入居者の間で続きます。

Q3. 自主管理(管理会社なし)は現実的ですか?

戸数が少なく、物件の近くに住んでいて、入居者からの連絡に自分で出られるなら可能です。ただし募集だけは仲介会社に頼むことになり、業者間サイトへの登録は管理会社でないとできない場合があります。「募集は委託、入居中は自分で」という分け方もあります。

Q4. 管理会社の登録の有無はどこで確認できますか?

賃貸住宅管理業の登録業者は国土交通省の検索システムで調べられます(上記ポータルサイトから辿れます)。200戸未満の会社は登録が任意なので、登録がないことだけで悪い会社とは言えませんが、登録があれば重要事項説明や分別管理の義務を負っている会社だと分かります。

出典

まとめ

  • 管理会社は、連絡の速さ・業者間サイトへの掲載・募集写真・報告の仕組みの4点で見分ける
  • 4点とも契約前に自分で確かめられる。説明を信じるのではなく、画面と返信で見る
  • 変えるなら繁忙期を避け、解約予告と引き継ぎを確認してから。委託先を変える形とサブリースに切り替える形がある
  • 最終的な判断は、契約書と管理会社への確認を踏まえて

この記事で書いた4点を、所有するアパートで実際にどう確かめ、1年目に何が起きて、切り替えた後どうなったか(経緯と数字)は、note の連載「管理会社に任せっぱなしはよくない|不動産賃貸経営 #6」(無料)に書いています。

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所有するアパートの実数と経緯はnote の連載(新しいタブを開きます)に書いています。

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