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引越しの見積もりは、新居の入居審査が通り、入居日(家賃が発生する日)の見通しが立った日に取り始めるのが基本です。そこから退去日と搬入日の候補を2つ以上用意して、2〜3社の見積書を同じ条件で比べます。早すぎると日付が決まらず見積もりが出し直しになり、遅すぎると希望の日が埋まります。この記事では、部屋探し・退去の手続きとの順番、見積書で見る所、キャンセル料の決まり、一括見積もりの連絡に振り回されないコツをまとめます。
結論:見積もりは「審査が通った日」に動き出す
見積もりに必要なのは、荷物の量と日付と住所です。部屋探しの途中ではこの3つのうち日付と住所が決まっていないため、正確な見積もりが出ません。入居審査が通れば新居の住所が確定し、入居日もほぼ見えてきます。この日を合図に、今の部屋の解約通知と引越しの見積もり依頼を同じ週に進めるのが、いちばん無駄のない順番です。
- いつ:新居の審査が通った日(遅くとも入居日と退去日が決まった日)
- 何社:2〜3社を目安に、同じ条件で比べる
- 何を持って:退去日と搬入日の候補を2つ以上、大きな家具・家電の一覧、新居の搬入条件
- 何を比べる:合計額だけでなく、内訳・作業内容・解約手数料・受取日時
3月から4月にかけては引越しの依頼が集中します。国土交通省は、3月の引越件数が通常月の約2倍になる(全日本トラック協会による大手引越事業者6社への聞き取り)として、ピーク時期を避けるよう呼びかけています(国土交通省「引越時期の分散に御協力をお願いします!」令和7年2月12日)。この時期に引っ越すなら、審査が通ったらその日のうちに見積もりを頼むくらいの気持ちでいてください。
部屋探しから入居までの順番と、見積もりの位置
見積もりのタイミングで迷うのは、部屋探しと退去の手続きが同時に進むからです。全体を一列に並べると、見積もりを入れる位置がはっきりします。部屋探し全体の流れははじめての部屋探し 完全ガイドで9段階に分けて説明しています。
| 順番 | やること | 引越しの見積もりとの関係 |
|---|---|---|
| 1 | 新居の内見・入居申込 | まだ住所と日付が決まらない。荷物の整理と不用品の洗い出しを始める |
| 2 | 入居審査の結果が出る | ここで見積もり依頼を始める |
| 3 | 今の部屋の解約通知 | 通知と同じ週に見積もりをそろえる。退去日の候補が決まる |
| 4 | 新居の契約・契約金の支払い | 見積もりを比べて、業者を決めて予約する |
| 5 | 鍵の受け取り日が決まる | 搬入日を鍵の受け取り日以降で確定させる |
| 6 | 搬出・退去の立ち会い | 搬出を終えてから立ち会いに入れるよう、時間に余裕を持たせる |
| 7 | 新居へ搬入 | 荷物の傷や破損がないか、受け取った日に確認する |
気をつけたいのは5番の鍵です。仲介の現場では、鍵をお渡しする日は、契約金の入金と契約の手続きが済んでから決めるのが一般的です。鍵の日が決まる前に搬入日を確定させると、日をずらす相談になりかねません。見積もりの段階では「搬入は○日か○日」と候補で伝えておき、鍵の日が決まってから確定させると安全です。
解約通知の期限は契約書の解約予告の条項で決まります。遅れると住んでいない部屋の家賃がかかるので、見積もりより先に賃貸の退去連絡はいつまで?で予告期間を確かめておいてください。
見積もりの取り方3つを比べる
見積もりの頼み方は大きく3つです。どれが正解というより、荷物の量と、連絡のやり取りにどれだけ時間を使えるかで選びます。
| 取り方 | 向いている人 | 気をつける所 |
|---|---|---|
| 一括見積もりサイト | 一度の入力で複数社を比べたい人。繁忙期で空いている会社を早く見つけたい人 | 依頼すると複数社から電話やメールが来る。比べる項目を先に決めておく |
| 引越し会社に直接頼む | 頼みたい会社が決まっている人。会社の数を自分で絞りたい人 | 1社ずつ同じ説明をするので手間がかかる。比べる相手がいないと条件を判断しにくい |
| 単身向けの定額便(専用の箱に積む型) | 荷物が少ない一人暮らし | 箱に入る量に上限がある。国の標準引越運送約款が使われない場合がある(下で説明) |
定額便について補足します。多くの引越し会社が使う国の標準引越運送約款は、第1条で「当店が提供する定型の容器を用いて定額で行う運送であって、この約款によらない旨をあらかじめ告知した場合には、適用されません」としています。つまり、専用の箱で運ぶ定額の商品は、キャンセル料などのルールが会社独自のものになっていることがあります。申し込む前に、その商品の約款や規約を確認してください。
荷物がワンルームより多い、日付の候補が限られている、繁忙期に引っ越す、という場合は、一括見積もりで空いている会社を早めに探すのが近道です。頼みたい会社が決まっているなら、直接頼むほうが連絡のやり取りは少なく済みます。私自身は、毎回同じ会社に直接頼んでいます。
実体験メモ
- いつ:これまでに引越しを4〜5回
- 頼んだ会社:毎回サカイ引越センター
- よかった所:作業が速い。丁寧に扱ってくれる。当日の予定の変更や想定外のことにも臨機応変に対応してくれた
- 結果:今のところ、一度も「嫌だな」と感じたことはない
- 注意:私の引越しでの感想です。担当の方・地域・時期で変わるので、見積もりは条件をそろえて比べてください
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見積もりを頼む前に決めておくこと
見積もりの差は、会社の違いだけでなく「伝えた条件の違い」からも生まれます。条件がそろっていないと、安く見えた会社があとから追加料金になることもあります。依頼する前に、次の7つを手元にまとめておいてください。
- 退去日と搬入日の候補を2つ以上:1日しか出せないと、空きがなければそこで終わります。平日や時間のおまかせにできるなら、それも伝えます
- 大きな家具・家電の一覧:冷蔵庫・洗濯機・ベッド・ソファ・本棚など。サイズが分かれば書いておく
- 段ボールの見込み数:少なめに言うと当日に積み切れないことがあります
- 今の部屋と新居の階数・エレベーターの有無:階段だけの建物は作業の人数や時間に響きます
- 新居の搬入ルール:作業してよい曜日・時間帯、共用部の養生、トラックを停める場所。管理会社に聞いておく
- 処分する物:運ばない物を先に決めると荷物の量が減ります。粗大ごみは自治体の収集予約が先です
- 連絡の受け方:電話がいいか、メールがいいか、連絡してよい時間帯
冷蔵庫や洗濯機は、新居の置き場と通り道に入るかどうかも見ておくと当日慌てません。測り方は冷蔵庫の幅・奥行・搬入経路の測り方にまとめています。荷造りの道具は退去荷造りの養生テープと段ボールを参考にしてください。
見積書で見る所とキャンセル料の決まり
標準引越運送約款では、見積書に書く項目が決まっています(第3条2項)。合計額だけを見比べるのではなく、次の項目がそろっているかを確かめてください。
| 見積書の項目 | 見る所 |
|---|---|
| 荷物の受取日時・引渡日 | 伝えた候補日と合っているか。時間帯の指定の有無 |
| 運賃等の合計額・内訳・支払方法 | 荷造り・開梱・エアコンの取り外しなど、頼んだ作業が内訳に入っているか |
| 解約手数料の額 | いつから、いくらかかるか |
| 会社の名称・事業許可番号・担当者名 | 許可番号の記載があるか。問い合わせ先が分かるか |
| 作業内容 | 自分でやること・会社がやることの分担 |
キャンセル料(解約手数料)も約款で上限が決まっています。自分の都合で解約・延期したときにかかるのは、荷物の受取日の前々日からです(第21条)。
| 解約・延期を伝えた日 | 解約手数料・延期手数料の上限 |
|---|---|
| 受取日の前々日 | 見積運賃等の20%以内 |
| 受取日の前日 | 見積運賃等の30%以内 |
| 受取日の当日 | 見積運賃等の50%以内 |
引越し会社は受取日の3日前までに、見積書の内容に変更がないかを確認することになっていて、この確認をしなかった場合は解約手数料・延期手数料を請求しません(第3条7項・第21条1項)。また、見積もりの際に内金や手付金は請求しません(第3条5項)。ただし、会社が独自の約款を使っている場合や、定額便のように標準約款によらない商品もあります。数字は見積書に書かれた解約手数料の欄で必ず確かめてください(標準引越運送約款は令和7年国土交通省告示第193号までの改正を反映した本文で2026年10月1日に確認)。
一括見積もりで連絡に振り回されないコツ
一括見積もりの一番の負担は、依頼した直後に複数社から連絡が来ることです。連絡方法を選べるサイトもありますが、電話は来る前提で準備しておくと楽になります。
- 時間がとれる日に依頼する:依頼した日とその翌日は電話に出られる日を選ぶ
- 連絡方法の希望を書く:備考欄などに「メールでの連絡希望」「連絡は○時以降」と書いておく(対応するかは会社によります)
- 比べる項目を先に決める:上の見積書の表の項目を、どの会社にも同じように聞く
- その場で決めない:比べると決めた社数がそろうまで予約しない
- 決めたら早めに断る:他の会社には「今回は見送ります」と一言伝えておくと、その後の連絡を減らせます
退去と入居の日程で揉めやすい所
見積もりそのものより、引越しの日程と建物側の予定がかみ合わないことでつまずく人が多いです。よくあるのは次の3つです。
- 搬出と退去の立ち会いを同じ時間に入れる:搬出が長引くと立ち会いに間に合いません。立ち会いは搬出が終わってからの時間で予約します
- 鍵を受け取る前の日に搬入を入れる:鍵の受け取り日と場所を確認してから搬入日を確定させます
- 建物の作業時間のルールを知らない:マンションによっては作業できる曜日や時間帯、エレベーターの養生が決まっています。管理会社に先に聞いて、見積もりのときに伝えます
退去と入居の日付そのものの決め方は、家賃が重なる期間にも関わります。引越しの時期で費用がどう変わるかは部屋探しはいつから?の「引越し費用も時期で大きく変わる」の節も参考にしてください。
よくある質問
Q1. 引越しの見積もりは無料ですか?
標準引越運送約款では「見積料は請求しません」と定めています(第3条4項)。ただし、今の部屋や新居に来て下見をした場合に限り、下見の費用を請求することがあり、その場合は見積もりの前に金額を知らせて了解を得ることになっています。独自の約款を使う会社もあるので、下見を頼むときは費用の有無を先に聞いてください。
Q2. 見積もりは何社に頼めばいいですか?
2〜3社を目安にしています。1社だと比べる基準がなく、多すぎると連絡のやり取りだけで疲れます。繁忙期で日付が埋まりやすいときは、空きのある会社を見つけるために少し多めに当たるのも一つの方法です。
Q3. 審査が通る前に見積もりを取ってもいいですか?
予算をつかむための概算なら問題ありません。ただし新居の住所と日付が決まっていないので、正式な見積もりは審査が通ってから取り直すことになります。審査に落ちる可能性もあるので、予約まで進めるのは審査が通ってからにしてください。
Q4. 予約した後にキャンセルするといくらかかりますか?
標準引越運送約款を使う会社なら、自分の都合での解約・延期で手数料がかかるのは受取日の前々日からで、上限は前々日が見積運賃等の20%以内、前日が30%以内、当日が50%以内です(第21条)。これとは別に、見積書に書かれた附帯サービスですでに着手したものの費用がかかることがあります。実際の額は見積書の解約手数料の欄で確かめてください。
Q5. 引越しで荷物が壊れていたらどうすればいいですか?
気づいたらすぐ引越し会社に連絡してください。標準引越運送約款では、荷物の一部の滅失や損傷についての会社の責任は、荷物を引き渡した日から3か月以内に通知しないと消えるとしています(第25条)。搬入の日に大きな家具・家電を確認し、傷があれば写真を撮っておくと話が早く進みます。
まとめ
- 見積もりは、新居の審査が通った日に動き出す。解約通知と同じ週にそろえる
- 退去日・搬入日の候補を2つ以上持ち、2〜3社を同じ条件で比べる
- 搬入日は鍵の受け取り日が決まってから確定させる
- 見積書は合計額だけでなく、内訳・作業内容・解約手数料・事業許可番号を見る
- 一括見積もりは連絡が来る前提で、時間のある日に依頼する
ほかの手続きの抜けは引越しチェックリスト【時期別・保存版】で確認できます。日付と荷物の量が決まったら、見積もりを比べるところから始めてください。
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