YouTubeアパートメントラボのコメント欄に届いた質問に、賃貸物件を経営する現役大家・宅建士が本音で答える連載「コメント研究室」。実際のコメントを引用しながら、動画では答えきれなかった疑問にじっくりお答えします。
第4回のテーマは、賃貸の悩みナンバーワンとも言える「騒音・防音」。防音室から線路沿い、隣人の見抜き方まで10問です。
- 1 Q1. 防音室って、真夜中に大音量でも本当に大丈夫?
- 2 Q2. グランドピアノって窓から入れるの?
- 3 Q3. 線路沿いの物件って、住めば慣れるもの?
- 4 Q4. 最上階の角部屋は静かだけど、夏は暑い?
- 5 Q5. 階段下に洗濯機置場。上の足音は聞こえない?
- 6 Q6. メゾネットなら上下の足音問題はなし?
- 7 Q7. 「変な住民がいないか」って、聞いたら答えてくれるの?
- 8 Q8. 繁華街や川の近く。騒音やにおいは内見で分かる?
- 9 Q9. 複層ガラス?樹脂サッシ?窓の性能はどれだけ効く?
- 10 Q10. 動画の「音」へのこだわり、何を聞かせたいの?
- 11 まとめ|音は「構造+間取り+環境」の掛け算で読む
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Q1. 防音室って、真夜中に大音量でも本当に大丈夫?
防音室なんて使ったことないけどここでDVDを大音量で真夜中に見て歌いタコ踊りを踊っても近隣にはなんの影響もないってことよね?
「これが一人暮らしの間取り!?騒音を気にせず楽器演奏やライブ配信できるお部屋」のコメント欄より
楽器可・防音室付き物件の防音性能は「Dr値」などの遮音等級で表され、「どの楽器を何時まで演奏してよいか」が契約や利用規約で決められているのが普通です。つまり「防音室=無制限」ではなく「通常の物件より大幅に広い範囲が許容される」が正解。歌・映画鑑賞レベルなら深夜でもほぼ問題にならない性能の物件が多いですが、契約前に「演奏可能な楽器と時間帯」を必ず確認してください。踊る場合の床への振動(固体音)は空気音より伝わりやすい点だけ頭の片隅に。
Q2. グランドピアノって窓から入れるの?
凄いなぁ!グランドピアノは窓から入れるのでしょうか??いくつかに分けて組み立てるのかなぁ。
「これが一人暮らしの間取り!?騒音を気にせず楽器演奏やライブ配信できるお部屋」のコメント欄より
ほぼ正解です。グランドピアノは脚とペダルを外して本体を立て、専門業者が搬入します。階段やエレベーターで入らない場合はクレーンでの窓吊り搬入になり、費用は数万円〜十数万円規模。楽器可物件を探す方は、部屋の防音性能だけでなく搬入経路(開口部の幅・エレベーターのサイズ)と床の耐荷重まで確認するのが鉄則です。管理会社への搬入日の事前連絡もお忘れなく。
Q3. 線路沿いの物件って、住めば慣れるもの?
むか〜し、むかし、東京の山手線沿いに住んでいました。朝っぱらから夜中まで電車が、ひっきりなしに走っていましたが、意外と慣れてしまえば気になりませんでした。
「理想的な同棲暮らし!?睡眠のタイミングが別々でも快適に暮らせる間取り」のコメント欄より
体験談ありがとうございます。実際「電車の音は規則的なので慣れやすい」と言われ、私たちの取材でも線路沿い在住の方から同じ声をよく聞きます。ポイントは規則的な音(電車)は慣れやすく、不規則な音(人の声・足音)は慣れにくいという性質の違い。線路沿いは家賃が抑えめな分、窓の遮音性能(複層ガラス・二重サッシ)が整っていれば期待以上に快適です。内見では窓を閉めた状態と開けた状態の差を必ず聞き比べてください。当チャンネルの動画で窓を開けて環境音を録るのは、この差をお見せするためです。
Q4. 最上階の角部屋は静かだけど、夏は暑い?
最上階の角部屋って絶対夏暑いですよね…冬は暖かいのかな?でも生活音も少なく眺望もいいでしょうね
「贅沢すぎる一人暮らし!?最上階の角部屋で日当たりと景色がよいお部屋」のコメント欄より
おおむねその通りで、最上階角部屋は「上の足音ゼロ・隣接1方向」という騒音面の最強ポジションと、「屋根と外壁からの熱」というトレードオフです。夏は屋根からの熱で暑くなりやすく、冬は外気に接する面が多い分冷えやすい(日当たりが良ければ日中は暖かい)。断熱改修や屋上の仕様で差が大きいので、内見では最上階の天井断熱について質問を。音を最優先する人には、それでも選ぶ価値のあるポジションです。
Q5. 階段下に洗濯機置場。上の足音は聞こえない?
洗濯機置き場は左のドアから2階に上がる階段下になるんですね?足音が聞こえたりするのかな?
「狭小アパートで一人暮らし!?快適すぎる変幻自在なロフト付きワンルーム」のコメント欄より
良い着眼です。階段・廊下・水回りのような「音が出る空間」同士を上下左右で揃えるのが、集合住宅の防音設計の基本。階段下が収納や洗濯機置場になっている間取りは、居室が階段から遠ざかるので、むしろ音対策として優秀なんです。逆に自室の寝室の真上が隣戸の階段・廊下という配置は音を感じやすい。図面を上下階で見比べられる場合は「寝室の上に何があるか」を確認すると、住んでからの音のストレスをかなり予測できます。
Q6. メゾネットなら上下の足音問題はなし?
上下での音が気にならないのは良いですね。足音お互い気まづいのは嫌だし。
「女性の一人暮らしに最適!?常識をぶっ壊すロフト付きのメゾネットワンルーム」のコメント欄より
メゾネット(1住戸で2フロア使う間取り)の大きな価値はまさにそこで、2階の足音の「出し手」も「受け手」も自分になるため、上下階への気遣いから解放されます。小さなお子さんのいる家庭や、在宅時間の長い人に人気の理由です。注意点は、隣戸とは壁でつながっているので左右の音は通常の物件と同じ条件であることと、階段の上り下りが毎日の生活に組み込まれること。取材した実例はメゾネットのタグから見られます。
Q7. 「変な住民がいないか」って、聞いたら答えてくれるの?
私も初めての一人暮らしは怖い思いをして警察呼びました〜。変な住民がいないか聞いて答えてくれるもんなんですか??
「【懐かしい間取り】一人暮らし経験者は「あ〜そうそう」と感傷にひたれるお部屋」のコメント欄より
大家として正直に答えると、個人情報やプライバシーの関係で「◯号室の人はこういう人」とは答えられません。ただ、「騒音などのトラブルは過去にありましたか」「入居者の属性は学生さんが多いですか、社会人ですか」という聞き方なら、答えられる範囲で答えるのが誠実な仲介・管理会社です。加えて自衛策として、共用部(ゴミ置場・掲示板・駐輪場)の状態を見るのが効きます。掲示板に騒音注意の貼り紙が多い建物は、それが答えです。騒音トラブルの対処法もあわせてどうぞ。
Q8. 繁華街や川の近く。騒音やにおいは内見で分かる?
間取り的に相場の4倍の家賃もすれば納得の設備ですね。堀川臭はどうなのかな?あとは騒音。栄や大須にも近いけど、飲み屋も多い。
「名古屋駅まで徒歩圏内!?イメージを覆すタワーマンション型のお部屋」のコメント欄より
環境系の音とにおいは、「時間帯と曜日を変えて現地に行く」以外に確実な確認方法がありません。昼の内見では静かでも、金曜夜の繁華街は別世界です。契約前に平日夜・週末夜の2回、建物の前まで行ってみてください(部屋に入らなくても分かることが多い)。においは風向きや季節で変わるので、仲介担当と近隣店舗への聞き込みも有効です。家賃が相場より安い理由が環境要因のこともあるので、「安さの理由」を環境から逆算する習慣をおすすめします。
Q9. 複層ガラス?樹脂サッシ?窓の性能はどれだけ効く?
複層ガラスはもとより海外はトリプルガラスが当たり前。そして引き違い窓は掃除がやり難いし寒いですよね。ちなみに樹脂窓ですか?住み手にとって温熱環境が健康に重要で…
「これが極上2LDK!?二人暮らしで在宅ワークしても快適に過ごせるお部屋」のコメント欄より
専門的なご指摘、その通りです。窓は熱と音の両方の弱点で、複層ガラス(ガラス2枚)はまず断熱・結露対策、防音まで狙うなら二重サッシ(窓自体が2組)が効きます。サッシ枠がアルミか樹脂かで断熱性能はさらに変わります。賃貸の募集図面には書かれないことが多いので、内見でガラスの厚み(合わせ目のスペーサー)とサッシ枠の材質を実際に触って確認を。結露との関係は結露・カビ対策の記事で詳しく書いています。
Q10. 動画の「音」へのこだわり、何を聞かせたいの?
まさかのラムエイさん!しかし、音声がないと上品ですね。実際はオぉプ〜ンって言ってるのかな?
「【変わった間取り】なが〜い内階段が特徴の一人暮らしのお部屋」のコメント欄より
コラボの舞台裏まで見ていただきありがとうございます(笑)。当チャンネルが動画で環境音・生活音をなるべく残すのは、音が「図面に載らない最重要情報」だからです。窓を開けたときの外の音、床を歩く音、扉の開閉音——住んでからのストレスの多くは音なのに、写真と図面では一切伝わらない。だから内見動画では意識して音を録っています。皆さんが実際に内見するときも、話すのをやめて30秒耳を澄ませる時間を作ってみてください。物件の「素の音」が聞こえてきますよ。
まとめ|音は「構造+間取り+環境」の掛け算で読む
騒音の予測は運まかせではなく、構造・間取り配置・環境の3点でかなり読めます。構造ごとの傾向は木造・鉄骨・RC造の違いの記事に、入居後のトラブル対処は騒音トラブル対処法にまとめました。あなたの疑問もぜひYouTubeのコメント欄へ。
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畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士
登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、賃貸・分譲・戸建ての内見動画を制作。自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する現役の不動産オーナー。UR都市機構などの物件PR動画も手がけ、賃貸を「借りる側」と「貸す側」の両方の視点から発信しています。運営者について >