エアコンが壊れたら誰の負担?賃貸の設備故障の連絡方法と費用負担を大家が解説

賃貸の設備のイメージ(実際に内見取材したエアコン付き居室の写真)

「エアコンが壊れた。修理代は自分持ち?」「連絡したのに直してくれない」——設備故障は、賃貸トラブルの中でも特に多い相談です。この記事では、実際に入居者さんからの故障連絡を受けて修理を手配している現役大家・宅建士のアパートメントラボが、費用負担のルールと、早く直してもらうための連絡のコツを解説します。

結論:備え付け設備の経年故障は大家負担が原則

民法は、賃貸物件を使える状態に保つ修繕義務を貸主(大家)に課しています(民法606条)。エアコン・給湯器・コンロなど物件に備え付けの設備が普通に使っていて壊れた場合、修理・交換費用は大家負担が原則です。入居者負担になるのは、故意・不注意で壊した場合(物をぶつけた、フィルター掃除を全くせず故障を招いた等)です。

ただし「残置物」は対象外。ここが最大の落とし穴

注意すべき例外が残置物(ざんちぶつ)です。前の入居者が置いていったエアコンや照明を「使ってもいいですよ」という扱いで引き継いでいる場合、それは貸主の「設備」ではないため、壊れても大家に修理義務がありません。契約書・重要事項説明書の設備欄に「設備」とあるか「残置物(サービス品)」とあるかで扱いが変わります。契約前に必ず確認してください。この違いは家具家電付き賃貸の記事で詳しく解説しています。

故障したときの正しい動き方(4ステップ)

  1. まず管理会社(または大家)に連絡——連絡先は契約書か建物の掲示板に記載。夜間は緊急窓口の案内に従う
  2. 症状を具体的に伝える——「いつから・どの設備が・どういう症状か・エラー表示・型番」。写真や動画を添えると手配が一気に早くなります
  3. 記録を残す——電話だけでなくメールやアプリでも一報入れておくと、後の負担トラブル防止になります
  4. 勝手に業者を呼ばない——自己判断で修理すると費用を払ってもらえないことがあります(急迫の事情がある場合等を除く)

そのまま使える連絡文例:「◯号室の◯◯です。備え付けのエアコン(リビング・型番◯◯)が昨日から冷房が効かず、E◯◯というエラーが出ています。写真を添付します。修理の手配をお願いできますか。在宅可能日は◯日と◯日です。」

直してくれないときの法的な武器

2020年の民法改正で、借りる側の立場は強くなっています。

  • 入居者の修繕権(民法607条の2):修繕が必要と通知したのに相当期間内に対応されない場合や急迫の事情がある場合、入居者が自ら修繕できる(費用は貸主に請求)
  • 賃料の当然減額(民法611条):設備故障で部屋の一部が使えない場合、その割合に応じて賃料は「減額される」と定められている(協議の目安として日数・影響度で算定するのが実務)

いきなり権利を振りかざすより、「民法上も対応いただける理解です」と一言添えて期限を切るのが実務的には効きます。それでも動かない管理会社なら、消費生活センターや自治体の相談窓口へ。

【大家の本音】故障連絡は迷惑ではなく「ありがたい」

大家の立場から本音を言うと、設備の故障連絡は早いほどありがたいんです。給湯器の不調を我慢されて完全に壊れてから連絡が来ると、交換まで入居者さんはお湯なし生活、こちらは緊急手配で費用も割高。早期連絡なら部品交換で済んだかもしれない。だから「こんな小さいことで連絡していいのかな」はいりません。水漏れ・異音・効きの悪さの段階でどうぞ。まともな大家・管理会社ほど、報告をくれる入居者さんを大切にします。むしろ対応の速さは物件選びの指標になるので、内見時に「設備が壊れたときの窓口と対応時間」を聞いてみるのもおすすめです(内見チェックリスト)。

よくある質問

エアコンの修理中、代替機や賃料減額は求められますか?

相談は正当です。真夏・真冬にエアコンが長期間使えない場合、代替機(窓用エアコン等)の設置や、使えなかった期間に応じた賃料減額の協議は珍しくありません。まずは修理の見込み日数を確認し、長引くようなら「その間の対応」を相談しましょう。

電球や電池も大家負担ですか?

室内の電球・蛍光灯・リモコンの電池などの消耗品交換は、通常の使用に伴う軽微な維持として入居者負担とする契約が一般的です。共用部(廊下・階段)の照明は大家側の管理です。

退去時に「設備を壊した」と言われないか不安です。

入居直後に設備の状態を写真で記録し、故障時のやりとりを残しておくことが最大の防御です。経年劣化や通常使用による損耗は退去費用の対象になりません。詳しくは退去費用と原状回復の記事をご覧ください。

まとめ|「設備か残置物か」を契約前に、故障したら即連絡

①備え付け設備の経年故障は大家負担、②残置物は対象外なので契約書で確認、③故障したら写真付きで即連絡・記録を残す。この3つを押さえれば設備トラブルの9割は落ち着いて対処できます。設備の充実した物件の実例は全国の取材物件マップで内見動画つきで紹介しています。

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畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士

登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、賃貸・分譲・戸建ての内見動画を制作。自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する現役の不動産オーナー。UR都市機構などの物件PR動画も手がけ、賃貸を「借りる側」と「貸す側」の両方の視点から発信しています。運営者について >

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