新築マンション購入の流れを宅建士が解説|申込から引き渡しまでの全7ステップ

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「新築マンションを買いたいけれど、申込から引き渡しまで何がどの順番で進むのか分からない」「モデルルームで契約を急かされたら、その場で決めてしまいそうで不安」——新築分譲マンションは人生で最も大きな買い物のひとつでありながら、全体の流れを知らないまま商談に入る方がほとんどです。流れさえ頭に入れておけば、各段階で「いま自分は何を確認すべきか」が分かり、急かされずに自分のペースで契約まで進められます。本記事では、新築マンション購入の全体像を全7ステップに整理し、各段階の注意点を宅地建物取引士の視点で解説します。筆者は宅建士として全国の新築マンションを取材し、自身も広島で一棟アパートを経営する現役オーナーとして、買う側・売る側の両方の現場を見てきました。

▶ この記事は「新築マンション購入で失敗しない完全ガイド」の詳細編です。本記事は購入の流れを7ステップで深掘りします。

新築マンション購入の全体像|期間は数か月〜1年が目安

新築マンション購入にかかる期間は、全体で数か月〜1年程度が目安です。ここで多くの方が誤解するのが「完成済みの建物を買って、契約したらすぐ住める」というイメージ。実際には、新築マンションの主流は青田売り(あおたうり)、つまり建物がまだ完成していない段階で販売される物件です。完成済み物件なら契約や住宅ローンなどの手続きが完了すればすみやかに入居できますが、未完成物件の場合は売買契約から引き渡しまでの期間が1年を超えることもあります。

標準的な流れは、資金計画 → 情報収集・物件検討 → モデルルーム見学 → 住宅ローン事前審査 → 購入申込 → 重要事項説明・売買契約 → 住宅ローン本審査 → 入居説明会・内覧会 → 残金決済・引き渡し、という順序で進みます。本記事ではこれを実務に沿って7つのステップに整理しました。

ステップ主な内容期間の目安
① 資金計画予算・自己資金・ローン借入額の整理、住宅ローン事前審査(3日〜1週間)最初に実施
② 物件探し・モデルルーム情報収集、事前予約してモデルルーム見学数週間〜数か月
③ 購入申込申込書提出・申込証拠金申込から契約まで概ね1週間前後(3〜10日)
④ 重要事項説明宅建士が契約前に書面で説明売買契約の直前(多くは同日)
⑤ 売買契約手付金の支払い・契約書締結申込から概ね1週間前後
⑥ 住宅ローン本審査・金消契約本審査(1〜2週間)→金銭消費貸借契約契約後〜引き渡し前
⑦ 内覧会・残金決済・登記・引き渡し内覧会→残代金支払い→融資実行→登記→鍵受領引き渡しで完了

ステップ①|資金計画を立てる

最初にやるべきは物件探しではなく資金計画です。「いくらの物件なら無理なく買えるか」を、自己資金・年収・借入可能額から逆算しておきます。新築マンションは物件価格のほかに諸費用がかかるため、頭金や手付金を含めた現金の準備も必要です。諸費用の内訳と目安は新築マンションの諸費用一覧と総額シミュレーションで詳しく解説しています。

資金計画と並行して、後のステップで使う住宅ローン事前審査(仮審査)の準備もしておくとスムーズです。事前審査は結果が出るまで通常3日〜1週間程度。購入申込の前後に行い、自分がいくらまで借りられるかを把握したうえで物件選びに進みます。

ステップ②|物件探し・モデルルーム見学

資金の上限が見えたら、物件情報を集めて候補を絞り込みます。新築マンションのモデルルームは事前予約制が基本なので、気になる物件は予約してから見学に行きましょう。

ここで最初に確認すべきなのが引き渡し時期です。前述のとおり新築は青田売りが多く、契約してもすぐ住めるとは限りません。完成・入居予定がいつなのか、現在の賃貸契約の更新時期や子どもの進学とぶつからないかを、見学の段階でおさえておきます。青田売りでは間取り変更や設備の選択ができる物件もありますが、それが可能なのは一定の早期契約時期までである点にも注意が必要です。

アパートメントラボの現場から

全国の新築マンションを取材してきて、契約を急かされて後悔する人にはひとつ共通点があります。それは「その日のうちに結論を出そうとした」ことです。モデルルームは購入意欲が最高潮になるよう設計された空間で、内装も家具もすべて整っています。私自身、撮影で何十ものモデルルームに入りましたが、あの高揚感のまま申込書にサインしてしまう怖さは現場で痛感しています。引き渡し時期と、間取り変更ができるタイムリミットだけはその場で必ず聞き、価格やローンの判断は一度持ち帰る——これだけで「急かされた契約」は避けられます。

ステップ③|購入申込(申込証拠金)

買いたい物件が決まったら、購入申込書を提出して購入の意思を示します。このとき申込証拠金(申込金)として、多くは2万〜10万円程度(物件によっては1万〜10万円、不要なケースもあります)を預けることがあります。

ここで絶対に押さえておきたいのが、申込証拠金と後述の手付金はまったくの別物だということ。申込証拠金は購入意思を示す「預け金」にすぎず、法的拘束力はありません。申込はあくまで意思表示であり、契約に至らなければ申込証拠金は原則として全額返還されます(宅建業者が正当な理由なく返還を拒むことは認められていません)。契約に進んだ場合は手付金に充当されます。手付金のように「放棄するもの」ではないので、預り証で返還条件を必ず確認しておきましょう。

なお人気物件は先着順ではなく抽選方式のこともあり、登録期間中に登録したうえで抽選で購入者が決まる流れになります。購入申込から売買契約までは、概ね1週間前後(3〜10日)が一般的です。

ステップ④|重要事項説明(宅建士の独占業務)

売買契約の直前(多くは同日)に行われるのが重要事項説明(35条書面)です。これは宅地建物取引士が、宅建士証を提示したうえで契約締結前に書面で説明する法的義務であり、宅建士の独占業務です。「説明者が宅建士か」「相手が宅建業者か」は必ず確認してください。なお、重要事項説明書(35条書面)と売買契約書(37条書面)は役割の異なる別の書類です。両者の違いを整理しておくと、契約当日に何を確認すべきかが明確になります。

書面根拠条文交付・説明のタイミング主な役割
重要事項説明書(35条書面)宅建業法35条売買契約の締結前物件・取引条件のリスクを契約前に宅建士が説明し、判断材料を与える
売買契約書(37条書面)宅建業法37条売買契約の締結時合意した契約内容(代金・引渡し・特約等)を書面化し当事者の権利義務を確定する

2022年5月18日施行の改正宅建業法により、これらの書面への宅建士の押印は不要となり記名のみで足りるようになりました。買主の承諾があれば電子書面交付やIT重説(オンライン重要事項説明)も正式に可能です。オンラインでも内容確認の重要性は変わりませんが、事前にデータで読み込めるという利点があります。

重要事項説明で特に確認したいチェックポイントを整理します。

確認カテゴリ見るべきポイント
マンション固有管理費・修繕積立金の額、長期修繕計画(将来いくらに上がるか)、管理規約(ペット・楽器・リフォーム制限)、専用使用権(バルコニー・駐車場)
水害ハザードマップ2020年8月(同年8月28日施行)の規則改正で説明が義務化。物件のおおむねの位置を確認(低層階・地下駐車場のリスク把握に活用)
法令・周辺環境用途地域・建ぺい率・容積率、隣接地の開発計画(眺望・日照が失われる可能性)
特約・特記事項本契約より優先して適用される。署名・捺印後の抗弁は難しいため最も注意して読む

新築では当初の修繕積立金が低めに設定され、段階的に値上げされる計画が多いものです。「今いくらか」だけでなく「将来いくらになるか」を長期修繕計画で見ないと判断を誤ります。また駐車場や共用施設の使用料が「購入価格に含まれると思っていたら別料金だった」というトラブルも頻発します。

この章の要点:重要事項説明は宅建士の独占業務。35条書面(契約前のリスク説明)と37条書面(契約内容の確定)を区別し、巻末の特約・特記事項と長期修繕計画を重点的に確認しましょう。

アパートメントラボの現場から

宅建士として重要事項説明をする立場の本音を言うと、当日にその場で初めて分厚い書面を読み上げられて、買う側が内容をすべて理解できるはずがありません。だからこそ私は、買う側には「重要事項説明書のコピーを前日までにもらって読み込んでおく」ことを強くおすすめしています。読むべきは派手な間取り図ではなく、巻末の特約と特記事項です。眺望や日照、隣地の建築計画、修繕積立金の値上げスケジュール——後でもめるのは決まってここ。一度持ち帰り、第三者の宅建士やFPに見てもらう余地を作るだけで、契約後の後悔はぐっと減ります。

ステップ⑤|売買契約(手付金)

重要事項説明の内容に納得したら、売買契約を締結します。新築では「重要事項説明 → 手付金振込 → 売買契約」の順で進むのが一般的です。契約時には手付金を支払います。新築マンションの手付金は売買代金の5%前後に設定されるケースが多い一方、デベロッパーや物件によっては10%を求められることもあります(法的上限は20%)。手付金は最終的に売買代金の一部に充当され、先に預けた申込証拠金も手付金に充当されます。下表は5%・10%で計算した目安です(あくまで計算例で、10%が標準というわけではありません)。

物件価格手付金5%(計算例)手付金10%(計算例)備考
2,500万円125万円250万円この手付金は後日、売買代金に充当
3,000万円150万円300万円この手付金は後日、売買代金に充当
4,000万円200万円400万円この手付金は後日、売買代金に充当
5,000万円250万円500万円この手付金は後日、売買代金に充当
6,000万円300万円600万円この手付金は後日、売買代金に充当

手付金は別段の合意がなければ解約手付と推定されます。相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄すれば(手付流し)、売主は手付金を倍返しすれば(倍返し)契約を解除できます。ただし倍返しは口頭の意思表示だけでは足りず、売主は倍額を現実に提供する必要があります。注意したいのは、手付解除ができるのは「相手方が履行に着手するまで」という期限がある点。売買契約書で「手付解除期日」が定められていることも多いので確認しましょう。

新築分譲は売主が宅建業者であることが通常なので、買主には宅建業法による保護(8種制限)が及びます。売主が宅建業者の新築分譲では、手付額の上限は売買代金の20%(相場は5〜10%)です。また宅建業者が売主のときは、手付の性質を問わず解約手付とみなされ、買主に不利な特約は無効になります。さらに違約金(損害賠償額の予定)も、合計が売買代金の20%を超えてはならないと定められています。手付解除と違約金は別物で、履行着手前に手付で解除する場合は違約金は発生しません。

売買契約には実印(共有名義は全員分)、本人確認書類(顔写真付き1点または顔写真なし2点の原本)、手付金、収入印紙代、銀行振込控えが必要です。手付金と収入印紙代は事前に銀行振込で支払うのが通例。購入名義人全員の出席が原則で、欠席する場合は委任状と印鑑証明が要ります。実印は引き渡しまで変更できません。夫婦ペアローンなど共有名義のケースは全員分の準備が見落とされやすいので注意してください。

この章の要点:手付金は売買代金の5%前後が多く上限は20%。解約手付は履行着手前まで・手付解除期日までしか使えません。申込証拠金は手付金に充当されます。

ステップ⑥|住宅ローン本審査・金銭消費貸借契約

売買契約の後に、住宅ローンの本審査を行います。本審査は結果が出るまで1〜2週間程度。通過後、金融機関と金銭消費貸借契約(金消契約)を締結します。金消契約は、引き渡し日にローンが実行されるよう、遅くとも決済・引き渡しの4〜5営業日前(おおむね1〜2週間前)までに締結するのが目安です。

この時期には入居(者)説明会も開かれます。引き渡しの2〜3か月前(資料により3〜6か月前)に開催され、スケジュール説明・駐車場/駐輪場の抽選・引越日の調整などを行います。入居説明会と同時に金消契約(金消会)が行われるケースもあります。

ステップ⑦|内覧会・残金決済・登記・引き渡し

建物が完成すると、引き渡し前に内覧会(竣工内覧)が実施されます。内覧会は引き渡しの1〜3週間前に行われるのが一般的ですが、指摘事項の補修と再内覧会が入る場合はもう少し前倒しになることもあります。契約内容・設計図どおりに施工され不具合がないかを買主自身が確認する重要工程です。問題なく補修が済めば、最終確認から1週間〜10日程度で引き渡し日となることが多いです。内覧会のチェック項目は後の【深掘り】章で詳しく解説します。

引き渡し当日は、おおむね次の手順で進みます。

  1. 残代金(購入代金から手付金を除いた残額)+諸費用の支払い(登記関係費用・固定資産税精算金など)
  2. 住宅ローンの融資実行
  3. 所有権移転登記(と抵当権設定登記)の手続き——司法書士が行う
  4. 鍵の受け取り・設備説明

残金決済・登記・引き渡しは同日に行われるのが一般的です。所有権移転登記の完了には数日〜数週間かかり、完了後に書類が郵送されます。

【深掘り】青田売り(未完成物件)で必ず確認する2点

ここからは7ステップの本編を踏まえ、つまずきやすい論点を2つの章で深掘りします。まずは新築マンションの主流である青田売りです。契約時にまだ建物が存在しないからこそ確認すべき点があります。

ひとつめが手付金等の保全措置です。売主が宅建業者の取引では、未完成物件で手付金等が代金の5%超または1,000万円超、完成物件で10%超または1,000万円超の場合、売主の宅建業者に保全措置(保証委託契約・保証保険契約・指定保管機関による保管)が義務づけられます。完成・未完成の判定は売買契約締結時点で行われるため、契約時に未完成なら引き渡し時に完成していても未完成基準(5%)が適用されます。青田売りは契約時未完成が多いため5%基準が適用されやすく、保全措置は売主の宅建業者が倒産するなどして物件を引き渡せなくなった場合でも、買主が支払った手付金等が確実に返還されるようにするための仕組みです。建物が完成していない青田売りでは、引き渡しまで売主の信用リスクを負うため特に重要になります。

ふたつめが住宅ローン特約(融資利用の特約)です。これは予定の住宅ローンを借りられなかったとき、違約金等の負担なく手付金が返還され、無条件で契約を白紙解除できる約定です。融資特約による解除なら、手付放棄も契約違反による損害賠償も発生しません。ただし、この特約には重要な落とし穴があります。

確認ポイント内容
2つの型解除条件型(期日までに不成立なら自動で白紙解除)と解除権留保型(買主の通知で解除)。実務では解除権留保型が主流
期限厳守融資承認取得期日・解除期日を1日でも過ぎると解除権は消滅。過ぎてからの延長申し出も認められない
通知の到達解除権留保型は、解除の通知が期日内に売主へ「到達」しないと効力を失う
融資条件の記載契約書に金融機関・融資希望額が正確に記載されていないと機能しない。「融資希望額3,000万円」の明記がないと、2,000万円の部分承認でも「承認された」とみなされ白紙解除が認められないことがある

自己都合(複数物件で迷って手続きを怠った等)や買主の信用情報悪化が原因の場合は、特約が使えない可能性があります。契約書記載の融資承認取得期日・解除期日を必ず確認し、審査が間に合わないと分かった段階で早めに延長合意や解除通知の手続きを取りましょう。

なお、新築マンションでもクーリングオフは使えますが、成立条件があります。次のすべてを満たすときに限り、書面で告知を受けた日を含めて8日以内なら無条件で撤回・解除できます。

  • 売主が宅建業者であること
  • 買主が宅建業者でないこと
  • 宅建業者の事務所等(事務所・モデルルーム等)以外の場所で申込み・契約をしたこと
  • クーリングオフできる旨の書面告知から8日以内であること(発信主義=書面を発した時に効力が生じる)
  • 物件の引き渡しと代金全額の支払いの両方が、まだ済んでいないこと

ただし新築マンションは申込み・契約をモデルルームや事務所で行うことが大半なので、実際にはクーリングオフが使えないケースが多いのが実情です。

この章の要点:保全措置は売主の倒産時でも手付金等を取り戻すための仕組み。ローン特約は期限・到達・融資条件の記載が命で、クーリングオフは事務所等での契約には基本的に使えません。

【深掘り】内覧会の施工チェックポイント

内覧会(竣工内覧・施主検査)は、契約内容・設計図どおりに施工され不具合がないかを買主が確認する最後の砦です。重要なのは、ここで指摘しておかないと、引き渡し後は対応されないケースが多いということ。アフターサービスや契約不適合責任とは別に、内覧会で明確にしておく必要があります。所要時間は通常30〜60分とされますが、プロでも全項目の確認に2時間以上かかります。

玄関・廊下・洋室・和室・LD・キッチン・洗面室・浴室・トイレと、場所別にチェックします。プロのチェックシートは最大700項目以上にのぼります。実際の不具合例として、床の傾き、床と扉のこすれ、建具の建付け、給排気ダクトの接続不良、ダウンライトの配置不良、断熱材の施工順序の誤り、水漏れなどが報告されています。特に床の傾きや建具の建付けは見た目で気づきにくいため、水平器やビー玉などの道具が必要です。

持ち物は、チェックリスト、水平器/下げ振り、メジャー、カメラ、付箋・マスキングテープ。指摘の出し方の基本は次のとおりです。

  • 不具合箇所に付箋やマスキングテープを貼って可視化する
  • 口頭で済ませず、補修確認書(指摘リスト)を売主と書面で交わし、是正方法・期日を明記して合意する
  • 再内覧会で是正を一つずつ確認してから残金決済に進む
  • クロスの傷・汚れやコーキングの不備は数が多いため、写真記録を残す

原則は「修繕は引き渡し前までに完了させる」こと。引き渡し・支払い後は売主の対応が鈍りがちだからです。専門知識に不安がある場合は、内覧会同行(ホームインスペクション)を依頼する選択肢もあります。新築マンション内覧会同行の相場は約5万〜6万円で、一級建築士やマンション管理士が同行し、再内覧会の立会いサービスがある業者もあります。引き渡し後に直せない不具合を事前に是正できると考えれば、費用対効果は十分検討に値します。

この章の要点:内覧会は引き渡し前の最後の是正機会。指摘は必ず補修確認書で書面化し、再内覧会で確認してから決済へ。不安なら同行サービス(約5万〜6万円)も検討を。

よくある質問(FAQ)

申込証拠金と手付金は違うのですか?

別物です。申込証拠金(多くは2万〜10万円)は購入意思を示す預け金で法的拘束力がなく、契約に至らなければ原則全額返還されます。手付金(売買代金の5〜10%)は契約成立後に支払う解約手付で、買主都合で解除すれば放棄(手付流し)になります。契約に進めば申込証拠金は手付金に充当されます。

新築マンションは契約したらすぐ住めますか?

完成済み物件なら手続き完了後すみやかに入居できますが、新築の主流である青田売り(未完成物件)は売買契約から引き渡しまで1年を超えることもあります。見学時にまず引き渡し時期を確認しましょう。

ローンの本審査に落ちたら手付金はどうなりますか?

住宅ローン特約(融資利用の特約)が付いていれば、違約金なしで手付金が全額返還され白紙解除できます。ただし契約書記載の期限を1日でも過ぎると解除権は消滅し、融資条件(金融機関・融資希望額)が正確に記載されていないと機能しないため、特約の内容は必ず確認してください。

手付金は自己資金が必要ですか?住宅ローンに組み込めますか?

手付金は契約時に現金で支払うのが原則で、住宅ローンが実行されるのは引き渡し時のため、原則として手付金は自己資金で用意します。物件価格の5%前後(物件により10%)が目安になるので、申込前にこの分の現金を準備しておきましょう。諸費用と合わせ、契約・引き渡しに必要な現金を早めに把握しておくのが安全です。

新築マンションは値引きできますか?

新築分譲はデベロッパーが価格を設定し、原則として値引きは難しいのが実情です。ただし完成在庫・最終期の残戸・期末などのタイミングでは相談の余地が生じることもあります。値引きより、管理費・修繕積立金や引き渡し時期、特約の有無といった条件面を確認するほうが実益が大きいケースが多いです。

重要事項説明は当日その場で聞けば十分ですか?

分厚い書面を当日初めて読み上げられて全部理解するのは困難です。事前に説明書のコピーを受け取って読み込み、特に特約・特記事項を確認しておくのが理想です。承諾があればIT重説(オンライン)も可能で、事前にデータで読み込める利点があります。

内覧会で不具合を見つけたらどうすればいいですか?

付箋やマスキングテープで箇所を可視化し、補修確認書を売主と書面で交わして是正方法・期日を合意します。再内覧会で直っていることを確認してから残金決済に進みましょう。引き渡し後は対応が鈍りがちなので、修繕は引き渡し前までに完了させるのが原則です。

まとめ

新築マンション購入は、①資金計画 → ②物件探し・モデルルーム → ③購入申込 → ④重要事項説明 → ⑤売買契約 → ⑥住宅ローン本審査・金消契約 → ⑦内覧会・残金決済・登記・引き渡し、という7ステップで進み、全体で数か月〜1年が目安です。青田売りでは契約してもすぐ住めるとは限らず、引き渡し時期の確認が出発点になります。

各段階で押さえるべき要点は明確です。申込証拠金と手付金の違いを理解し、重要事項説明では特約・特記事項と長期修繕計画を読み込み、ローン特約の期限と融資条件の記載を確認し、内覧会では指摘を書面化して引き渡し前に是正させる——。流れと注意点を知っていれば、モデルルームで急かされても自分のペースで判断できます。諸費用の詳細は新築マンションの諸費用一覧と総額シミュレーション、購入全体の概観は新築マンション購入の完全ガイドもあわせてご確認ください。

参考(出典):法令の根拠は、国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」およびe-Gov法令検索(宅地建物取引業法 第35条・第37条ほか)をご確認ください。本記事の公開日・最終更新日:2026年6月13日(法令・制度は改正されることがあります。最新の情報は一次情報をご確認ください)。

畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士

登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、賃貸・分譲・戸建ての内見動画を制作。自身も広島で一棟アパートを経営する現役の不動産オーナー。三菱地所レジデンス・積水ハウス・UR都市機構などの物件PR動画も手がける。賃貸を「借りる側」と「貸す側」の両方の視点から発信しています。運営者について >

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