新築マンション購入の諸費用はいくら?内訳と相場を宅建士が解説【価格別シミュレーション】

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新築マンションを買うとき、見落としがちなのが「諸費用」です。物件価格とは別に、登記費用や住宅ローンの手数料、新築特有の修繕積立基金などがかかります。そしてその多くは、現金で用意しなければなりません。本記事では新築マンションの諸費用の内訳と相場、物件価格3,000万〜5,000万円ごとの具体的なシミュレーション、そして「現金でいくら用意すべきか」までを宅建士の視点で整理します。筆者は宅地建物取引士として全国の新築・中古・戸建ての内見動画を制作し、自身も広島で一棟アパートを経営する現役の不動産オーナーです。

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新築マンションの諸費用とは?相場は物件価格の3〜7%

諸費用とは、物件価格そのもの以外にかかる税金・手数料・保険料などの総称です。新築マンションの諸費用の目安は、一般的に物件価格の3〜7%とされています。SUUMOは「新築で物件価格の3〜5%」、複数の専門サイトは「3〜6%」、保守的に見る大手は「5〜10%」と幅があり、ローンの組み方によって上下します。

中古マンションでは仲介手数料がかかるため諸費用は7〜10%が目安になりますが、新築はそれより低いのが特徴です。ただし重要なのは、この諸費用は原則として「現金」で必要になるという点です。住宅ローンに上乗せできる「諸費用ローン」もありますが、金利が高めに設定される傾向があります。たとえば物件価格5,000万円なら、純粋な諸費用はおおむね150万〜250万円が目安です。ただし住宅ローンの事務手数料を定率型(借入額×2.2%)で選んだ場合は上限側に振れ、修繕積立基金なども含めた実額では300万円を超えることもあります。

新築マンションの諸費用の内訳一覧

諸費用は一つの大きな出費ではなく、複数の費目の積み重ねです。新築マンションの主な内訳を見ていきましょう。

手付金(契約時に現金で必要)

手付金は売買契約日に現金で支払うお金で、相場は物件価格の5〜10%(新築は5%前後の設定が多い)です。3,000万円なら150万〜300万円が目安になります。手付金は最終的に購入代金の一部に充当されるため「消える費用」ではありません。ただし住宅ローンの融資実行は引渡し(決済)時のため、契約から決済までの間は自己資金で立て替える必要があります。なお、住宅ローン特約が付いていれば、審査に通らなかった場合に手付金は全額返還されます。

登記費用(登録免許税+司法書士報酬)

登記費用は「登録免許税(国に納める税金)」と「司法書士報酬」の合計です。登録免許税は『固定資産税評価額(または債権額)×税率』で計算します。住宅用家屋の軽減税率により、新築マンションでは次のようになります。

登記の種類本則税率軽減税率
所有権保存登記0.4%0.15%
抵当権設定登記(ローン)0.4%0.1%(債権額に対して)

軽減を受けるには市区町村発行の「住宅用家屋証明書」が必要です。登録免許税の軽減要件は『床面積50㎡以上・自己居住用・取得後1年以内の登記』で、上限はありません。マンションの床面積は専有部分に共用部分の持分を加えた面積で判定するため、登記簿上の専有面積が50㎡弱でも対象になることがあります。適用期限は令和9年(2027年)3月31日までで、これは「登記申請日」基準であって購入日・引渡日ではない点に注意してください。認定長期優良住宅・認定低炭素住宅は所有権保存登記がさらに0.1%まで軽減されます。司法書士報酬の相場は6万〜10万円程度で、地域によって異なります。

印紙税

印紙税は「不動産売買契約書」と「住宅ローン契約書(金銭消費貸借契約書)」の両方にかかります。売買契約書には軽減措置(令和9年3月31日までに作成の契約書)が適用されますが、ローン契約書は軽減対象外で本則税率です。自分の価格帯・借入額で両方を一度に確認できるよう、並べて示します。

契約金額売買契約書(軽減後)ローン契約書(本則)
500万円超〜1,000万円以下5千円1万円
1,000万円超〜5,000万円以下1万円2万円
5,000万円超〜1億円以下3万円6万円

たとえば3,000万円の物件を3,000万円借り入れる場合、売買契約書に1万円、ローン契約書に2万円の印紙税がかかります。売買契約書の軽減とローン契約書の本則は税額が異なるため、別々に見込んでおきましょう。

住宅ローンの事務手数料・保証料

住宅ローンを借りるときの初期費用には、事務手数料と保証料があります。事務手数料には「定額型(3〜5万円)」と「定率型(借入額×2.2%税込)」の2タイプがあり、近年は定率型が主流です。借入3,000万円なら定率型で約66万円になります。

保証料は「一括前払い型」と「金利上乗せ型(年0.2%が目安)」があります。一括前払い型の目安は借入額の約2%(借入1,000万円・返済35年で約20万円)で、返済期間に応じて増減します。ここで誤解されやすいのが、事務手数料型と保証料型は二者択一が基本という点です。多くのネット銀行は「事務手数料定率2.2%で保証料0円」、メガバンクは「事務手数料定額+保証料」というパターンが多く、両方がフルでかかるわけではありません。諸費用を見積もるとき、事務手数料の定率2.2%と保証料の約2%を両方足すと過大計上になります。なお保証料の約2%は返済期間で変わる目安で、事務手数料の2.2%(税込)とは別の数字です。

修繕積立基金(新築特有の一時金)

修繕積立基金は、新築マンション購入時のみに一度だけ徴収される一時金です。相場は20万〜80万円(一般的には20万〜40万円程度)で、グレードや専有面積で変動します。竣工直後は月々の積立額が少ないため、将来の大規模修繕に備えて別途まとまった額を徴収する仕組みです。毎月払う「修繕積立金」とは別物である点に注意してください。引渡時に管理準備金(数万円)や初月分の管理費とともに、一括で管理会社へ振り込むのが通常です。

不動産取得税

不動産取得税は、新築住宅の場合、固定資産税評価額から1,200万円が控除されるため『(固定資産税評価額−1,200万円)×3%』で計算します。課税標準は「購入価格」ではなく「固定資産税評価額」(購入価格の概ね6〜7割程度)です。そのため多くのケースで税額が大きく圧縮され、0円になることもあります。控除を受ける床面積要件は『50㎡以上240㎡以下』で、登録免許税の軽減要件(50㎡以上・上限なし・自己居住用・取得後1年以内の登記)とは要件の中身が異なる点に注意してください。マンションの場合、この床面積も専有部分に共用部分の持分を加えた面積で判定します。取得後に都道府県から納税通知が数ヶ月〜半年後に届くため、諸費用に含め忘れやすい費目です。

火災保険料・固定資産税の清算金

火災保険料は年間3万円程度が目安です。マンションは木造戸建てより保険料が安めで、住宅ローン利用時はほぼ必須になります。最長5年の長期一括契約にすると割安になり、地震保険を付けると別途加算されます。

また、固定資産税・都市計画税はその年の1月1日時点の所有者に課税されます。年の途中で引渡す場合、引渡日以降の分を買主が売主に日割りで支払って精算します。これは法定の義務ではなく売買慣行による精算金です。新築マンションは年の途中の引渡しが多く、初年度に数万円規模の精算金が発生しうる点を覚えておきましょう。

諸費用に含めにくいが現金で必要な周辺費用

上記の税金・手数料とは別に、入居までに現金で発生する周辺費用があります。総予算を立てるときは次も見込んでおきましょう。

  • 引越し費用:時期・距離・荷物量で変動し、数万円〜十数万円が目安
  • カーテン・照明・エアコン・家具家電などの入居初期費用
  • (該当地域のみ)水道加入金・水道分担金:自治体により有無と金額が異なる

アパートメントラボの現場から

新築の取材で物件を見て回っていると、お客さまが見落としやすいのは決まって修繕積立基金です。「仲介手数料がかからないから新築は諸費用が安い」と思って来場された方が、引渡時に修繕積立基金と管理準備金を合わせて数十万円の一時金を提示されて固まる場面を何度も見てきました。新築は仲介手数料という大きな費目が消える代わりに、中古には存在しないこの一時金が乗ります。物件価格の数字だけ見て予算を組み、後から「現金が足りない」と慌てる方が本当に多いというのが、宅建士として現場で感じる実情です。

新築は仲介手数料がかからないことが多い

新築マンションの大きな特徴は、原則として仲介手数料がかからないことです。新築マンションはデベロッパー(開発会社)が直接売主となって販売する「直販」スタイルが大半で、売主と買主の間に仲介する不動産会社が存在しないためです。これが中古マンションとの最大の費用差になっています。

デベロッパーが販売を不動産会社に委ねる「販売代理」「販売提携」方式でも、報酬は売主が支払うため買主の負担はありません。仲介手数料の法定上限は『物件価格×3%+6万円+消費税』(取引額400万円超の場合)で、5,000万円の物件なら税込171.6万円にもなります。これがかからないのは大きなメリットです。中古マンションを検討する場合は、この仲介手数料を含めた諸費用と総額で比べると判断しやすくなります。

ただし注意点が2つあります。1つは、売れ残り・再販物件などを「仲介(媒介)」として購入する場合は新築でも手数料が発生しうること。広告の「取引態様」が「売主・代理」なら手数料なし、「媒介(仲介)」なら手数料ありと判別できます。もう1つは、新築マンションは販売管理費・広告費が物件価格に含まれている点です。仲介手数料がない分そのまま得とは言い切れないため、総支払額で判断するのが正解です。

物件価格別シミュレーション(3,000/4,000/5,000万円)

諸費用は割合だけ示してもイメージしにくいため、費目を積み上げた概算表で見てみましょう。下表は住宅ローン事務手数料を定率型(借入額×2.2%)・修繕積立基金を約30万円・頭金なし(物件価格=借入額)と仮定した概算です。不動産取得税は控除で0円になる前提とし、手付金(購入代金に充当される分)は含めていません。実際は評価額・借入条件・物件で変動します。

費目3,000万円4,000万円5,000万円
登録免許税(保存+抵当権)約8万円約11万円約14万円
印紙税(売買+ローン)約3万円約3万円約3万円
ローン事務手数料(定率2.2%)約66万円約88万円約110万円
修繕積立基金約30万円約30万円約30万円
不動産取得税(0円想定)0円0円0円
火災保険料(5年一括目安)約15万円約15万円約15万円
司法書士報酬約8万円約8万円約8万円
諸費用合計(目安)約130万円約155万円約180万円
対物件価格約4.3%約3.9%約3.6%

上の表は事務手数料を定率2.2%で見積もった一例です。事務手数料を定額型(3〜5万円)に変えれば諸費用合計はこれより数十万円下がり、修繕積立基金が高い物件では逆に上がります。住宅ローン控除を含めた実質負担で比較したい場合は、住宅ローン控除の対象額もあわせて確認してください。なお手付金は契約時に別途現金で必要になるため、上記とは切り分けて準備します。

事務手数料を定率型にすると、率がさらに上振れすることもあります。たとえば4,500万円の新築マンションを借入4,000万円で購入する試算例では、事務手数料を定率2.2%(約88万円)で計算すると諸費用が約421万円に達するケースもあります。この約421万円は物件価格の約9%相当で、冒頭の「新築3〜7%」を超える上限ケースです。定額型を選べば率はこれより下がります。定率型は金利が低めに設定される傾向があるため、初期費用と総返済額を合わせて比較することが大切です。

現金で用意すべき額はいくら?

もっとも誤解されやすいのが「頭金ゼロ(フルローン)なら現金は不要」という思い込みです。これは誤りです。理由は次の3点です。

  1. 手付金(物件価格の5〜10%目安)は契約時に現金で必要で、住宅ローンに組み込めない
  2. 諸費用を借入に含めると金利が上乗せされる可能性がある
  3. 借入額が増え、総返済額・月々返済が増える

したがって、「頭金ゼロでも、手付金と諸費用の現金は用意するのが理想」というのが各金融機関・各社の共通見解です。契約時に最低限必要なのは「手付金+売買契約書の印紙税」です。たとえば3,000万円の物件なら、手付金150万円前後+印紙税1万円を契約日に現金で支払う必要があります。諸費用全体としては、物件価格5,000万円なら手付金とは別に150万〜350万円の現金を見込んでおくと安全です(純粋な諸費用は150万〜250万円、定率型ローン手数料と修繕積立基金を含めた実額で上限側に振れます)。

アパートメントラボの現場から

取材やご相談を受けていて一番もったいないと感じるのが、現金で用意すべき額を甘く見てしまうケースです。実際にあったのが、フルローンの事前審査は通ったのに、契約時の手付金(数百万円)を決済まで自己資金で立て替えられず、申込から契約に進めなかった方です。手付金は引渡し時の融資実行より先に支払うため、ローンが通ること=手付金が用意できることではありません。「ローンが通れば貯金ゼロでも買える」と考えていて、契約直前に話が止まるのは決して珍しくありません。宅建士として全国の新築マンションを見てきた立場から言えば、物件価格とは別に、最低でも諸費用+手付金の現金を先に確保してから動くこと。これが新築マンション購入でつまずかない一番の現実的なコツです。具体的な進め方は新築マンション購入の流れの記事でも解説しています。

諸費用を抑える方法・諸費用ローンの注意点

諸費用は工夫次第で削減できます。主な方法は次のとおりです。

  • 保証料無料のローンを選ぶ:フラット35はどの金融機関でも保証料無料。ネット銀行の保証料無料プランや勤務先提携ローンを使えば数十万円圧縮できます(ただし事務手数料型と総額で比較を)
  • 火災保険を最適化:ネット販売は割安で、居住リスクに合わせ補償範囲を絞ると年間目安約3万円に抑えられます
  • 登記を自分で行う:司法書士報酬6〜10万円を節約できますが、抵当権設定がある場合は金融機関が難色を示すことが多く交渉次第です
  • 引越時期の調整:土日や午後便を避け、相見積もりで数万円削減できます

諸費用を借入に含める「オーバーローン(諸費用ローン)」も選択肢です。低金利の住宅ローンに諸費用を含められれば、別建ての諸費用ローン(金利が高め)より負担を抑えられる場合があります。借入額が増える分、住宅ローン控除の対象額も増えます。一方でデメリットもあります。月々・総返済額が増え、金融機関は物件価格以上の融資をリスクと見て審査が厳しくなり、残債が物件評価額を上回りやすく将来売却しづらくなります。さらに、借入金を物件購入と諸費用以外(家具・車など)に使うと契約違反となり、一括返済請求の対象になりうる点も要注意です。手付金は現金が必要なので、「オーバーローン=完全に自己資金ゼロで買える」わけではありません。

なお、諸費用ではありませんが、住宅ローン控除を使えば、年末ローン残高×0.7%を最大13年間(省エネ基準に適合した新築の場合)、所得税(控除しきれない分は一部住民税)から控除できます。適用要件や借入限度額は毎年の税制改正で変わるため、実質負担を考えるうえで最新情報とセットで押さえておくとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 新築マンションの諸費用は本当に現金で必要ですか?

はい、原則として現金で必要です。特に手付金(物件価格の5〜10%目安)は契約時に現金で支払い、住宅ローンには組み込めません。諸費用ローン(オーバーローン)で諸費用部分を借りることは可能ですが、手付金は対象外です。

Q. 事務手数料と保証料は両方かかりますか?

二者択一が基本です。定率型(事務手数料=借入額×2.2%)を選ぶと保証料0円、定額型(事務手数料3〜5万円)を選ぶと別途保証料がかかる、というパターンが一般的で、両方がフルでかかるわけではありません。

Q. 手付金が戻らないのはどんなときですか?

解約手付の仕組みでは、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を償還して契約を解除できます(手付解除)。この場合、買主都合の解除なら手付金は戻りません。ただし相手方が履行に着手した後は手付解除はできず、違約金や損害賠償の問題に切り替わります。「買主都合ならいつでも手付放棄でキャンセルできる」わけではない点に注意してください。なお、住宅ローン特約が付いていて審査に通らなかった場合は、手付金は全額返還されます(民法557条・宅地建物取引業法の枠組み)。

Q. 不動産取得税はいつ払いますか?

取得後、数ヶ月〜半年後に都道府県から納税通知が届きます。新築住宅は評価額から1,200万円控除されるため0円になることも多いですが、後日請求される点で諸費用に含め忘れやすい費目です。

まとめ

新築マンションの諸費用は物件価格の3〜7%が目安で、中古より仲介手数料がかからない分安い傾向にあります。一方で、修繕積立基金など新築特有の一時金があり、その多くは現金で用意する必要があります。特に手付金は契約時に現金で必要でローンに組み込めないため、「頭金ゼロ=現金不要」ではない点を必ず押さえてください。物件価格5,000万円なら、純粋な諸費用は150万〜250万円、定率型ローン手数料と修繕積立基金を含めた実額では手付金とは別に150万〜350万円の現金を見込んでおくと安心です。各種税の軽減措置にも適用期限があり、項目によって期限が異なります(延長されているものもあります)。床面積などの要件も税ごとに違うため、契約前に国税庁・法務局・都道府県で最新情報を確認しましょう。新築マンション購入の全体像は新築マンション購入の完全ガイドを、具体的な進め方は新築マンション購入の流れの記事を合わせてご覧ください。

畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士

登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、賃貸・分譲・戸建ての内見動画を制作。自身も広島で一棟アパートを経営する現役の不動産オーナー。三菱地所レジデンス・積水ハウス・UR都市機構などの物件PR動画も手がける。賃貸を「借りる側」と「貸す側」の両方の視点から発信しています。運営者について >

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