新築マンション購入で使える税金の優遇制度|住宅ローン控除・各種軽減・贈与税非課税を宅建士が解説

使える税の優遇制度 | アパートメントラボ

最終更新:2026年6月(令和8年度税制ベース)

新築マンションを買うとき、価格や住宅ローン金利には注意が向くのに、意外と見落とされがちなのが「税金の優遇制度」です。住宅ローン控除はもちろん、登録免許税・不動産取得税・印紙税の軽減、さらに親や祖父母からの援助に使える贈与税の非課税措置まで、新築マンションには使える制度が複数あります。

問題は、これらの多くが「自分で申請しないと適用されない」こと。とくに住宅ローン控除の初年度は、会社員でも確定申告が必須です。筆者は宅地建物取引士で、自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する現役の不動産オーナーとして、買う側・貸す側の双方の現場を見てきた立場から解説します。

この記事でわかること

  • 新築マンションで使える税優遇5制度(住宅ローン控除・登録免許税・不動産取得税・印紙税・贈与税非課税)の全体像と効果
  • 住宅の省エネ性能・床面積・所得で控除額や適用がどう変わるか、モデルケースの控除総額イメージ
  • 印紙税以外は自分で申請・申告が必要で、住宅ローン控除の初年度は会社員でも確定申告が必須という実務ポイント
  • 制度ごとの期限と併用の注意点、初年度の確定申告の流れ

▶ この記事は新築マンション購入の完全ガイド(失敗しない進め方)の詳細編です。

なお、税制は毎年の税制改正で限度額・期限・要件が変わります。本記事の数値・期限はすべて2026年(令和8年)6月時点・令和8年度税制に基づく内容です。一部は令和8年度税制改正「大綱」段階のもので、法案・政令の成立で確定します。実際に購入・入居する際は、必ず国税庁・国土交通省・物件所在地の都道府県など最新の一次情報をご確認ください。

新築マンション購入で使える税の優遇制度【全体像】

新築マンションの購入では、大きく分けて「所得税・住民税を減らす制度」「購入時にかかる税の軽減」「贈与を受けるときの非課税制度」の3系統が使えます。まずは全体像を一覧で押さえましょう。

制度対象となる税主な効果申請のタイミング
住宅ローン控除所得税・住民税年末ローン残高×0.7%を最大13年間控除初年度は確定申告、2年目以降は年末調整(会社員)
登録免許税の軽減登録免許税保存登記・抵当権設定登記の税率を引き下げ登記時(司法書士が手続き)
不動産取得税の軽減不動産取得税評価額から1,200万円控除など取得後に都道府県へ申告
印紙税の軽減印紙税売買契約書の税額を軽減契約時(自動適用)
住宅取得等資金の贈与税非課税贈与税省エネ等住宅で最大1,000万円が非課税贈与の翌年に贈与税の申告

非課税枠単体の額。暦年課税・相続時精算課税の併用でさらに広がります(後述)。ただし相続時精算課税で使った分は、贈与者の死亡時に相続税で精算されます。

このうち印紙税は契約時にほぼ自動で軽減されますが、それ以外は「自分で申請する」か「申告する」ことが前提です。一つずつ詳しく見ていきましょう。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

新築マンション購入で最も効果が大きい制度です。その年の年末ローン残高に0.7%を乗じた額が、その年の所得税(控除しきれない分は翌年の住民税の一部)から控除されます。新築・買取再販の認定住宅/ZEH水準/省エネ基準適合住宅は控除期間が原則13年間、経過措置で「その他の住宅」に該当する分は10年間です。住宅ローンの組み方は新築マンションの住宅ローンの選び方でも触れています。

住宅の省エネ性能で借入限度額が変わる

控除の対象となる借入限度額は、住宅の省エネ性能区分で3段階に分かれます。令和7年(2025年)入居・令和8年(2026年)入居とも、一般世帯と子育て世帯・若者夫婦世帯(後述の上乗せ)の差は次のとおりです。

住宅の区分一般世帯子育て・若者夫婦世帯(上乗せ後)年間控除上限
認定住宅(長期優良・低炭素)4,500万円5,000万円一般31.5万円/上乗せ35万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円一般24.5万円/上乗せ31.5万円
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円一般14万円/上乗せ21万円

年間控除上限=借入限度額×0.7%。実際の控除額は、年末ローン残高がこの限度額に満たなければ「残高×0.7%」で頭打ちになります。

注意したいのは、この限度額が年で引き下げられてきた点です。経緯をミニ表で示します。

区分令和4・5年入居令和6年入居〜
ZEH水準省エネ住宅4,500万円3,500万円
省エネ基準適合住宅4,000万円2,000万円

令和6年入居から各1,000万円超引き下げられています。なお令和8年度税制改正「大綱」(令和7年12月閣議決定)で、住宅ローン控除の適用期限は令和12年(2030年)末まで延長されることが決まりました(法案成立で確定)。新築の借入限度額は令和7年水準が維持される見込みですが、確定は政令等でご確認ください。

子育て世帯・若者夫婦世帯は上乗せがある

子育て世帯・若者夫婦世帯(子育て特例対象個人)は、新築の借入限度額が上の表のとおり上乗せされます。対象は、その年の12月31日時点で「40歳未満で配偶者がいる」「40歳以上で40歳未満の配偶者がいる」「19歳未満の扶養親族がいる」のいずれかに該当する方です。

この上乗せは当初「令和6年限り」の臨時措置でしたが、令和7年に1年延長、さらに令和8年度税制改正で令和8年入居まで延長されています。年度ごとに延長が判断されている措置なので、入居時点の最新情報を必ず確認してください。なお、この上乗せ枠を使うには床面積が原則50㎡以上必要で、後述の40㎡台の特例とは併用できません(次節参照)。

省エネ基準適合が住宅ローン控除の必須要件に(令和6年1月以降の建築確認分)

見落としやすいのが、新築住宅では「省エネ基準適合」が住宅ローン控除の必須要件になっている点です。令和6年(2024年)1月以降に建築確認を受けた、省エネ基準を満たさない新築(その他の住宅)は、借入限度額が0円=控除を受けられません。

判定の基準は「入居日」ではなく「建築確認の日」である点が誤解されやすいところです。令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和6年6月30日までに建築されたものは、経過措置で借入限度額2,000万円・控除期間10年として適用できます。

さらに将来の予定として、令和10年(2028年)以降に建築確認を受ける新築は「省エネ基準適合住宅」では控除対象外となり、ZEH水準以上が事実上の最低要件になることが令和8年度税制改正「大綱」で示されています(法案成立で確定)。これも基準は建築確認日です。物件の省エネ性能区分は、契約前に必ず確認しておきましょう。

▶ 一次情報:国税庁 No.1213 住宅を新築または新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

床面積・所得の要件

床面積要件は原則50㎡以上。合計所得金額1,000万円以下の年に限り、40㎡以上50㎡未満の特例(特例居住用家屋)も対象になりますが、建築確認の期限が設定されています。マンションの床面積は登記簿上の内法(うちのり)面積で判定され、パンフレットの壁芯面積より小さくなるため、50㎡前後の物件はとくに注意が必要です。

所得要件は合計所得金額2,000万円以下(給与のみなら年収約2,195万円が目安。給与所得控除の改正で前後します)、40㎡台の特例を使う年は1,000万円以下となります。40㎡台の特例を使う場合は、前述の子育て世帯の上乗せ枠(認定住宅5,000万円など)は使えません。上乗せを受けるには床面積50㎡以上が必要です。

所得税が少ないと「満額もらえない」ことがある

住宅ローン控除は、まずその年の所得税から差し引かれ、控除しきれなかった分が翌年度の住民税から控除されます。ただし住民税からの控除には上限があり、課税所得金額の5%(最大9.75万円/年)までです。所得税・住民税の合計がもともと少ない場合は、表の「年間控除上限」まで使い切れず、満額を受けられないことがあります。借入限度額の大きい認定住宅などでは、自分の納税額とのバランスを試算しておくと安心です。

また、ペアローンや連帯債務で夫婦それぞれが借入の名義人になっている場合は、夫婦それぞれが自分の持分・残高に応じて借入限度額を使えます。世帯としての控除を最大化したいときの選択肢になります。

モデルケースで見る控除のイメージ

具体的な金額は物件・残高・所得で変わりますが、考え方は単純です。たとえば認定住宅(一般世帯・借入限度額4,500万円)で、ある年の年末ローン残高が限度額を上回っていれば、その年の控除上限は「4,500万円×0.7%=31.5万円」。残高が3,000万円なら「3,000万円×0.7%=21万円」というように、毎年の控除額=その年末残高(限度額が上限)×0.7%で求められます。これを最長13年間、残高に応じて積み上げていくイメージです。実際の控除総額は残高の減り方・所得・住民税上限で決まるため、ローン返済予定表をもとに試算してみてください。

アパートメントラボの現場から

初年度の確定申告を「会社員だから関係ない」と思い込んで、控除そのものを取りこぼすケースが本当に多いです。住宅ローン控除は2年目以降こそ年末調整で完結しますが、初年度だけは給与所得者でも自分で確定申告をしないと一切適用されません。

引っ越しのバタバタで書類が散逸し、翌年3月15日を過ぎてから慌てて相談に来る方を毎年見ています。もう一つ、50㎡前後のコンパクトマンションでは、私自身も内見動画を撮る中で「パンフレットの面積は超えているのに登記簿の内法面積が50㎡を割る」物件に何度も出会いました。契約前に登記簿基準の専有面積を確認しておくことを、宅建士として強くおすすめします。

登録免許税の軽減

マンションを取得すると、建物の所有権を登記する「保存登記」や、住宅ローンを組む際の「抵当権設定登記」に登録免許税がかかります。住宅用家屋の特例を使うと、税率が大きく下がります。

登記の種類本則税率軽減税率
所有権保存登記(新築建物)0.4%0.15%
所有権移転登記(敷地持分など)2.0%0.3%
抵当権設定登記(住宅ローン)0.4%0.1%
認定長期優良・低炭素住宅の保存登記0.4%0.1%

この軽減を受けるには、市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」を登記申請時に添付する必要があります。要件は、個人が自己の居住用に取得すること、床面積(登記簿面積)が50㎡以上であること、新築後または取得後1年以内に登記することなどです。適用期限は令和6年度税制改正で令和9年(2027年)3月31日まで3年延長されています。金額を当てはめた具体的な計算例は新築マンションの諸費用の内訳と総額で詳しく扱っています(本記事は制度の横断整理・申請・併用・期限が役割です)。

▶ 一次情報:国土交通省 住宅用家屋の所有権保存登記等の税率の軽減措置

不動産取得税の軽減

不動産取得税は、不動産を取得したときに一度だけかかる地方税です。標準税率は4%ですが、土地および住宅用の家屋は特例で3%に軽減されます(令和9年〔2027年〕3月31日取得分まで)。

さらに新築住宅は、課税標準である固定資産税評価額から1戸につき1,200万円が控除されます。税額は「(評価額−1,200万円)×3%」で計算され、評価額が1,200万円以下なら建物の不動産取得税は実質ゼロになります。控除を受ける床面積要件は50㎡以上240㎡以下です。

項目内容
税率本則4% → 住宅・土地は3%(令和9年3月末まで)
新築建物の控除評価額から1戸につき1,200万円控除
認定長期優良住宅の控除1,300万円(100万円上乗せ/期限は令和8年度税制改正大綱で令和13年3月末まで延長見込み・法案成立で確定)
床面積要件50㎡以上240㎡以下
土地(敷地)課税標準を評価額の1/2に軽減+税額控除

マンションの床面積は、専有床面積に共用部分の持分按分面積を加算して判定するため、専有が50㎡未満でも要件を満たすことがあります。登録免許税の50㎡(共用部分を含まない)とは判定基準が異なる点に注意してください。敷地の持分についても課税標準が評価額の1/2に軽減され、住宅用地の税額控除と合わせて、新築マンションの敷地分は実質ゼロになるケースが多くあります。具体的な税額は評価額によって変わるため、所在地の都道府県のページで確認しましょう。

▶ 一次情報:不動産取得税の軽減は地方税のため、物件所在地の都道府県(県税事務所)の公式案内でご確認ください。

印紙税の軽減

不動産売買契約書には印紙税がかかりますが、記載金額10万円超の不動産譲渡契約書には軽減措置が適用されます(平成26年4月1日〜令和9年〔2027年〕3月31日作成分が対象)。新築マンションで多い価格帯の軽減後税額は次のとおりです。

契約金額本則税額軽減後税額
500万円超 1,000万円以下1万円5千円
1,000万円超 5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超 1億円以下6万円3万円

軽減の対象は売買契約書(および工事請負契約書)で、賃貸借契約書や領収書は対象外です。また、電子契約(電磁的記録)の場合はそもそも印紙税が課税されません。紙の契約書のみが課税文書となるため、電子契約に対応した不動産会社を選ぶことも実務上の節税ポイントになります。

住宅取得等資金の贈与税非課税措置

親や祖父母など直系尊属から住宅購入の資金援助を受ける場合、一定額まで贈与税が非課税になる「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」が使えます。適用期間は令和6年1月1日〜令和8年(2026年)12月31日の贈与が対象です(令和6年度税制改正で3年延長)。2026年6月時点では令和8年12月31日が期限で、2027年以降は未定のため、利用予定なら令和8年内の贈与完了が必須です。

非課税限度額と併用

非課税限度額は省エネ等住宅1,000万円/一般住宅500万円(受贈者1人あたり)。父母双方から贈与を受けても、非課税は受贈者1人につき上限額までです。新築の「省エネ等住宅」の要件は、令和6年1月以降取得分から「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上(ZEH水準)」に引き上げられています。ZEH水準・長期優良住宅などの性能区分は新築マンション購入の完全ガイドでも整理しています。

課税方式非課税枠+併用できる控除非課税の上限(省エネ等住宅)
暦年課税1,000万円+基礎控除110万円最大1,110万円
相続時精算課税1,000万円+基礎控除110万円+特別控除2,500万円最大3,610万円

相続時精算課税で適用した分(非課税枠を除く)は、贈与者の死亡時に相続税の課税価格へ加算され精算されます。目先の贈与税が非課税でも、相続時に相続税で清算される点を踏まえて選びましょう。

受贈者は贈与の年1月1日時点で18歳以上、合計所得金額2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満は1,000万円以下)などの要件があります。対象家屋は登記簿上の床面積40㎡以上240㎡以下、かつ床面積の1/2以上が居住用であることが必要です。暦年課税と相続時精算課税のどちらを選ぶかで将来の相続税まで影響するため、金額が大きい場合は税理士に相談することをおすすめします。

▶ 一次情報:国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

アパートメントラボの現場から

贈与の非課税で一番ヒヤリとするのは「期限の落とし穴」です。この制度は、贈与を受けた翌年3月15日までに資金の全額を住宅取得に充て、原則その日までに居住していることが条件です。

新築マンションは「取得」扱いになるため、引渡しが遅れて3月15日を過ぎると適用外になりかねません。竣工予定が年末年始にかかる物件で、贈与のタイミングを先に決めてしまって慌てた方を実際に見ています。もう一つ、税額が0円でも贈与税の申告をしないと非課税そのものが使えない点は本当に盲点です。さらに兄弟間で「誰がいくら親から受け取ったか」が後の相続で揉め火種になることもあり、宅建士としては、援助を受けるなら金額と使途を家族で書面に残しておくことをおすすめしています。

制度の併用と期限の注意点

これらの制度は基本的に併用できますが、いくつか注意点があります。まず、贈与税の非課税の適用を受けた部分は、住宅ローン控除の対象となる「取得対価の額」から差し引かれます。贈与で賄った分はローン控除の計算基礎から除かれるため、贈与とローンの組み合わせ方は事前に試算しておくと安心です。

期限についても整理しておきましょう。主要な軽減(登録免許税・不動産取得税の率3%・印紙税)の期限は揃って令和9年(2027年)3月31日です。ただし認定長期優良住宅の不動産取得税控除は、令和8年度税制改正大綱で令和13年(2031年)3月31日まで延長される見込みです(法案成立で確定)。住宅ローン控除の入居期限は、同じく令和8年度税制改正大綱で令和12年(2030年)末まで延長されることが決まりました(法案成立で確定)。贈与税非課税は令和8年(2026年)12月31日までと、制度ごとに期限が異なります。契約・引渡し・登記・入居の時期が期限をまたぐ案件は、とくに慎重に確認してください。

なお、ここまでの数値・期限はすべて2026年6月時点・令和8年度税制(一部は同年度税制改正大綱)に基づくものです。確定は各年の法案・政令でご確認ください。最終確認は国税庁・国土交通省・物件所在地の都道府県の最新案内で行ってください。

申請方法・確定申告の流れ

制度ごとに手続きのタイミングが異なります。とくに住宅ローン控除と贈与税非課税は「申告しないと適用されない」ため、流れを押さえておきましょう。

  1. 住宅ローン控除(初年度):入居の翌年に確定申告。会社員でも必須です。確定申告書、住宅借入金等特別控除額の計算明細書、金融機関発行の住宅ローン年末残高等証明書、登記事項証明書、売買契約書の写し、本人確認書類(マイナンバー)、省エネ住宅では住宅性能を証明する書類などが必要。申告期限は原則翌年3月15日(還付申告は1月から可能)。
  2. 住宅ローン控除(2年目以降):会社員は、税務署から送られる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」と金融機関の年末残高等証明書を勤務先に提出すれば年末調整で完結。自営業者等は毎年確定申告。
  3. 贈与税の非課税:贈与の翌年2月1日〜3月15日に贈与税の申告書と添付書類を提出。納税額が0円でも申告が必要です。
  4. 登録免許税・不動産取得税・印紙税:登録免許税と印紙税は登記・契約の場で処理され、不動産取得税は取得後に都道府県へ軽減の申告をします。

▶ 一次情報:国税庁 No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)/確定申告の手続

よくある質問(FAQ)

新築マンションの住宅ローン控除は会社員でも確定申告が必要ですか?

初年度のみ、会社員でも確定申告が必須です。2年目以降は、税務署と金融機関から届く証明書を勤務先に出せば年末調整で完結します。贈与税の非課税を使う場合も、贈与の翌年に贈与税の申告が必要です。

住宅ローン控除の必要書類は何ですか?

初年度の確定申告では、計算明細書・年末残高等証明書・登記事項証明書・売買契約書の写し・本人確認書類(マイナンバー)が基本セットです。省エネ住宅で控除を受ける場合は、建設住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書など、性能を証明する書類も必要になります。物件によって必要書類が異なるため、引渡し時に売主・施工会社へ確認しておくと安心です。

新築マンションの不動産取得税はいくらですか?

税額は「(建物の固定資産税評価額−1,200万円)×3%」で計算され、評価額が1,200万円以下なら建物分は実質ゼロです。敷地(土地)の持分も課税標準が1/2になり、住宅用地の税額控除と合わせて、新築マンションでは実質ゼロになるケースが多くあります。正確な金額は評価額で決まるため、物件所在地の都道府県(県税事務所)でご確認ください。

贈与税の非課税は申告しないとどうなりますか?

納税額が0円になる場合でも、申告期間内に申告しないと非課税の適用を受けられません。無申告だと制度そのものが使えなくなるため、必ず贈与の翌年2月1日〜3月15日に申告書と添付書類を提出してください。

50㎡前後のマンションは控除を受けられますか?

制度ごとに判定基準が異なります。住宅ローン控除と登録免許税は登記簿上の内法面積で50㎡以上が原則です(合計所得1,000万円以下なら40㎡以上の特例あり。ただしこの特例利用時は子育て世帯の上乗せ枠は使えません)。一方、不動産取得税は共用部分の持分を加算して判定します。登記簿基準の専有面積を契約前に確認するのが確実です。

2026年に新築マンションを買えば省エネ性能は気にしなくていい?

いいえ。令和6年1月以降に建築確認を受けた新築は、省エネ基準を満たさないと住宅ローン控除を受けられません。さらに令和8年度税制改正大綱では、令和10年(2028年)以降の建築確認分でZEH水準以上が事実上の最低要件になる見込みです(法案成立で確定)。物件の省エネ性能区分を必ず確認してください。

まとめ

新築マンション購入では、住宅ローン控除を中心に、登録免許税・不動産取得税・印紙税の軽減、そして親・祖父母からの贈与税非課税まで、複数の税優遇が使えます。ポイントは次の3つです。

  • 印紙税以外は「自分で申請・申告」が前提。とくに住宅ローン控除の初年度は会社員でも確定申告が必須。
  • 住宅の省エネ性能で控除額が変わり、新築は省エネ基準適合が前提条件。床面積は登記簿の内法面積で確認する。所得税・住民税が少ないと満額もらえないこともある。
  • 制度ごとに期限が異なり、贈与税非課税は令和8年12月末、主要な軽減は令和9年3月末まで。住宅ローン控除の入居期限延長などは令和8年度税制改正大綱ベース(法案成立で確定)。引渡し・入居の時期が期限をまたぐ案件は要注意。

本記事の税の数値・期限はすべて2026年(令和8年)6月時点・令和8年度税制(一部は同年度税制改正大綱)に基づくものです。税制は毎年の改正で変わるため、購入・入居の時点で必ず国税庁・国土交通省・物件所在地の都道府県など最新の一次情報を確認してください。

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畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士

登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、全国の新築・中古・戸建ての内見動画を制作。自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する現役の不動産オーナー。UR都市機構・JR九州の仲介・大和リビングなどの物件PR動画も手がける。買う側と貸す側の両方の視点から発信しています。運営者について >

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