お部屋探しで必ず目にする「1R」「1K」「1DK」「1LDK」という表記。なんとなく後ろにいくほど広い、というイメージはあっても、「何がどう違うのか」を正確に説明できる人は意外と少ないものです。実はこの違い、居室の数ではなくキッチンまわりの空間の広さで決まっています。この記事では間取り表記のルールをやさしく整理し、一人暮らしで後悔しない間取りの選び方を解説します。
間取り記号の意味は「キッチン空間の広さ」で決まる
「1K」の数字は居室の数、アルファベットはキッチンまわりの空間の種類を表します。R=ルーム(居室とキッチンが一体)、K=キッチン、DK=ダイニングキッチン、LDK=リビングダイニングキッチンです。
どこからがDKでどこからがLDKなのかは、不動産公正取引協議会連合会が広告表示の目安を定めています。居室が1部屋の場合、台所まわりの空間が4.5畳以上ならDK、8畳以上ならLDKと表示できる、というのが基本ルールです。
| 間取り | キッチン空間の目安 | 専有面積の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1R | 居室と一体 | 13〜20㎡前後 | 仕切りのないワンルーム |
| 1K | 4.5畳未満 | 20〜28㎡前後 | 居室とキッチンの間に仕切りがある |
| 1DK | 4.5畳以上8畳未満 | 25〜35㎡前後 | 食事スペースを別に取れる |
| 1LDK | 8畳以上 | 33〜50㎡前後 | くつろぎの空間まで確保できる |
なお「畳(帖)」は1畳=約1.62㎡で換算されるのが一般的です。6畳なら約9.7㎡。図面の畳数を㎡に直してみると、部屋どうしの比較がしやすくなります。
間取りが一段階上がると、家賃はどれくらい変わる?
同じエリア・同じ築年数帯でも、1Rから1K、1Kから1DK、1DKから1LDKへと間取りが一段階上がるごとに、家賃はおおむね数千円〜数万円ずつ上がっていきます。都市部ほどこの差は大きく、たとえば都心では1Kと1LDKで月3〜5万円違うことも珍しくありません。家賃の目安としてよく使われるのは「手取り月収の3割以内」。広さに惹かれて間取りを上げる前に、その差額を毎月払い続けられるか、年間でいくらになるかを一度計算してみるのがおすすめです。月1万円の差は年間12万円。それだけあれば旅行にも家具にも回せます。
それぞれの特徴と向いている人
1R:とにかく家賃を抑えたい人に
玄関からキッチン、居室までがひとつの空間になった間取りです。同じ立地なら家賃はもっとも安くなりますが、玄関を開けると部屋全体が見える、調理のにおいが寝具に移りやすい、といった割り切りも必要です。家にいる時間が短い人、寝に帰る部屋と考える人に向いています。
1K:一人暮らしの定番。バランス重視なら
居室とキッチンの間に扉や仕切りがあるのが1Rとの違いです。においや来客時の視線を区切れるため、一人暮らしの定番として人気があります。キッチン部分はほぼ通路という物件が多いので、自炊派は内見でコンロの口数と調理スペースの広さを確認しましょう。

1DK:食事と睡眠の空間を分けたい人に
4.5畳以上のダイニングキッチンで食事をとり、居室は寝室として使う「食寝分離」ができる間取りです。築年数が経った物件に多い間取りのため、同じ広さの1LDKより家賃が抑えめな掘り出し物が見つかりやすいのも特徴。広さと家賃のコスパを重視するなら有力候補です。
1LDK:在宅時間が長い人・二人暮らしにも
8畳以上のLDKにソファやダイニングテーブルを置けて、暮らしの質は一気に上がります。そのぶん家賃は1Kより数万円高くなることも。在宅ワーク中心の人や、二人暮らしを見据えている人に向いています。
同じ「1K」でも広さは別物。専有面積を必ず見る
間取り表記はあくまで分類で、同じ1Kでも18㎡と28㎡では暮らしやすさがまったく違います。物件情報では間取りの記号だけでなく、次の3点をセットで確認しましょう。
- 専有面積:一人暮らしでゆとりを持つなら25㎡前後が目安。
- 居室の畳数:同じ1Kでも居室6畳と8.4畳では家具の選択肢が変わります。
- 収納の有無と奥行き:収納が少ないと、その分の家具で居室が狭くなります。
たとえば当サイトで紹介した東広島のKalmia(1K・27.79㎡)は、1Kながら8.4畳の居室と充実した設備で家賃4万円台。一方、福岡市のRJR大橋東(1K・24.41㎡)は、福岡市内の立地でコンパクトにまとまったタイプです。同じ「1K・家賃4万円台」というくくりでも、面積・設備・立地のバランスは物件ごとにまったく違う。記号だけで絞り込みすぎず、中身を見比べることが大切です。

図面だけではわからない。内見で確かめたい3つのこと
間取り図と専有面積で候補を絞ったら、最後は実際の空間で確かめましょう。チェックしたいのは次の3点です。
- 天井の高さと梁の位置:同じ6畳でも、天井が高い部屋は体感がひと回り広くなります。逆に大きな梁が張り出していると、ベッドや棚の置き場所が制限されることも。
- 手持ちの家具が入るか:ベッド・ソファ・テレビ台など大物家具のサイズを測っておき、内見時にメジャーで置き場所を確認しましょう。搬入経路(玄関・廊下・階段の幅)も忘れずに。
- コンセントと照明の位置:デスクやベッドを置きたい場所にコンセントがあるか。生活動線のイメージが具体的になり、入居後の「しまった」を防げます。

遠方への引っ越しなどで内見が難しい場合は、室内を撮影した動画で広さの感覚をつかむのもひとつの方法です。
家族構成が変わるなら「2DK・2LDK」も視野に
二人暮らしや子育て世帯なら、居室が2つある2DK・2LDKが候補になります。ちなみに居室が2部屋以上の場合、表示の目安はDKが6畳以上、LDKが10畳以上に上がります。居室の数が増えるほど、キッチン空間にもそれだけの広さが求められるルールです。
とくに団地系の2DK・2LDKは、面積あたりの家賃が割安なことが多い狙い目です。名古屋の尾上団地(2LDK・53.24㎡)のように、53㎡で家賃6万円台という物件もあります。間取り選びに迷ったら、全国の物件マップで実際の物件の動画レポートを見比べてみるのもおすすめです。

アパートメントラボの現場から
同じ1Kでも、家具をどう置くかで住み心地はまるで変わります。大家として内見に立ち会うと、ベッドや机の配置を具体的にイメージできている人ほど、入居後の「思ったより狭い」を避けられている印象です。内見時はメジャーで採寸し、手持ちの家具が入るかまで確認しておきましょう。
【大家の本音】同じ広さなら「1K表記」の方が埋まりやすい
貸す側の実感も書いておきます。検索サイトでは多くの方が「1K以上」で絞り込むため、実質同じ広さでも1R表記の部屋は問い合わせが減りがちです。だから大家はリフォームのタイミングで仕切り扉を付けて1K化することがあります。逆に言えば、あえて1Rも検索条件に含めると、同じ家賃帯で広めの部屋に出会えることがある、ということです。仕切りがない=空調が1台で済む・家具レイアウトの自由度が高い、と割り切れる方には、1Rはコスパの良い選択肢ではないでしょうか。
よくある質問
1Kと1DKなら、どちらを選ぶべきですか?
自炊の頻度で決めるのがおすすめです。週の半分以上自炊するなら、食事スペースを分けられる1DKの快適さが効いてきます。外食・中食が中心なら1Kで家賃を抑え、その分を立地や設備に回す方が満足度は上がりやすいと考えています。予算の考え方は手取りに対する適正家賃の記事もあわせてご覧ください。
2Kや2DKはお得と聞きましたが本当ですか?
傾向としては本当です。2K・2DKは築年数のある物件に多い間取りのため、専有面積のわりに家賃が抑えめに設定されがちです。団地やリノベーション物件に多く、当サイトでもUR賃貸住宅の特設ページで実例を紹介しています。
SLDKの「S」とは何ですか?
サービスルーム(納戸)のことです。建築基準法上の採光などの基準を満たさないため「居室」と数えられない部屋を指します。窓が小さい・ないだけで広さは居室並みという部屋も多く、収納や書斎として使えるなら実質プラス1部屋とも考えられます。
二人暮らしなら1LDKで足りますか?
生活時間帯が近いお二人なら1LDKで足りることが多い一方、在宅ワークが重なると寝室しか逃げ場がない、という声もあります。詳しくは同棲・二人暮らしの部屋探しガイドで整理しています。
この記事の悩みに効く、賃貸OKの道具
- 賃貸OKの間仕切り
玄関から部屋が丸見えのワンルーム向けに、突っ張りカーテンポールとパーテーションで寝る場所と玄関を分ける方法を紹介しま… - 賃貸OKの狭いキッチン収納
1口コンロでまな板を置く場所がない1K・ワンルームのミニキッチン向けに、シンクの上に作業台と水切り・収納を作る道具5… - 玄関の靴収納が足りない
1K・ワンルームの半畳ほどの玄関で靴の置き場がない悩みを、床に置くだけ・突っ張るだけのシューズラック5点で解決
宅建士・現役大家が、原状回復できる「賃貸OK」の道具を選んでいます。道具記事の一覧 →
まとめ
1R・1K・1DK・1LDKの違いは、キッチンまわりの空間の広さで決まっています。1Rは家賃重視、1Kはバランス重視、1DKはコスパ重視、1LDKは暮らしの質重視。そして表記だけに頼らず、専有面積・畳数・収納をセットで見ることが、後悔しない部屋選びのいちばんの近道です。図面で気になった部屋は、ぜひ内見や動画で「実際の広さの感覚」を確かめてみてください。現地で見るポイントは内見チェックリストに、部屋探し全体の流れは初めての賃貸で損しない完全ガイドにまとめています。
畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士
登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、賃貸・分譲・戸建ての内見動画を制作。自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する現役の不動産オーナー。UR都市機構・JR九州の仲介・大和リビングなどの物件PR動画も手がける。賃貸を「借りる側」と「貸す側」の両方の視点から発信しています。運営者について >