八王子アパート死亡事故・東京ー「実質経営者が自ら施工」 階段崩落で業者元社員

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こんにちは。アパラボ(@aparmtne_labo)です。
賃貸アパートの施工不良についての記事です。

 東京都八王子市の賃貸アパートで4月、外階段の一部が崩れて住人の女性が転落死した事故で、この物件を建築した「則武地所」(相模原市、破産手続き中)の元社員の男性が22日までに、時事通信の取材に応じた。

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2021年4月に賃貸アパートの鉄製階段が壊れて、住人の方が転落死してしましました。築8年目の物件です。

取材に応じた則武地所の元社員は、8年前に完成したこのアパートの建築に携わり、約6年前に退職した。元社員は、崩落した階段は「実質経営者の男性が自ら工事していた」と指摘。腐食を防ぐため、社員が木製踊り場の防水加工をするよう忠告しても、「聞く耳を持たなかった」と証言した。

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経営者の男性が自ら工事を行なっていたそうで、防水加工をするように社員が忠告しても聞く耳を持たなかったそうです。Wikipediaで「則武地所」を調べてみると2019年ごろから売り上げが落ち込みだし、2020年には取引先から報酬未払いなどで訴訟を提訴されるなど、経営状況が悪化していたようです。

経営状況が悪化したため資金繰りに困り、必要経費を節約するために、経営者が自ら施工したり、必要な施工を省いてしまったのでしょうか・・・怖いですね。設計図には防水加工するよう記載されていたようです。

この建物は、八王子市南新町の住宅地に立つ木造3階建ての共同住宅。建築計画概要書によると、敷地の用途地域は近隣商業地域で、準防火地域に指定されている。敷地面積は145.04m2、建築面積は107.23m2、延べ面積は302.23m2。計8戸から成り、1階に4戸、2階と3階に屋外階段を境として2戸ずつを配置している。12年12月5日に確認済み証、13年10月8日に検査済み証の交付を受けた。

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みなさん、検査済証って知っていますか?

建築や不動産業界の方はご存知のはずです。建物を建築するほとんどの場合に建物の検査が義務付けられます。その検査は「建築確認、中間検査、完了検査」の3つです。この3つの検査が全て完了すると法律の基準に適合されると認められ検査済証が発行されます。

この建物も検査済証が発行されています。何を基準に安全な建物だと判断すれば良いのか分からなくなってしまいますね。会社の経営状況や評判を調べてわかるものでもないですが、経営状況が悪くなっていると、何かしら不正が行われる可能性があるのかもしれないと、予防線をはるしかなさそうです。

国土交通省によると、則武地所が手掛け、2010年度以降に完成した2階建て以上の外階段付きアパートは、東京都と神奈川県で計166棟に上る。このうち、これまでに八王子市の5棟、同県厚木市の1棟で外階段の腐食などが確認された。同省は「危険性が判明した物件は各都県を通じ、所有者などに安全措置を講ずるよう徹底する」としている。 

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恐ろしいことに則武地所が手掛けた建物は166棟もあり、すでに6棟の外階段の腐食が確認されているようです。本当に恐ろしいです・・・このような施工不良物件が市場に出回っているケースもあるので、賃貸アパートを借りる時には、外階段の腐食を確認した方が良さそうですね。

事故の約2時間前に踊り場の側面部の板が落下し、管理会社が応急処置をしていたことが判明。

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腐食しているかどうか見ただけでは分からないという意見もありそうですが、階段が落ちる2時間前に管理会社に連絡が入っています。階段の腐食が目立つ場合は、修繕履歴があるかどうかの確認程度はしておいた方が良さそうです。