注文住宅の住宅ローンとつなぎ融資|土地先行・分割実行の仕組みを宅建士が解説

注文住宅の住宅ローン | アパートメントラボ

注文住宅の住宅ローンは、建売やマンションとは「お金が動く順番」がまったく違います。家が完成して引渡しを受けてから融資が実行される一般的な住宅ローンに対し、注文住宅では土地代・着工金・中間金と、引渡し前に何度もまとまった支払いが発生するからです。ここを理解しないまま契約を進めると、「住宅ローンがあるのに手元の現金が足りない」という事態に陥ります。本記事では、その穴を埋める「つなぎ融資」「土地先行融資」「分割実行」の3つの方法を、宅地建物取引士として全国の戸建てを取材し、自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する筆者が、現場で見てきた施主のつまずきも交えて解説します。(本記事の金利・控除額などの数値は2026年6月時点の目安です。改定されやすいため、最新は各社・国税庁の公式情報で必ず確認してください。)

▶ この記事は「新築一戸建て購入で失敗しない完全ガイド」の詳細編です。

注文住宅の住宅ローンの仕組み|なぜ引渡し前にお金が出ていくのか

住宅ローンは原則として「建物が完成し、引渡しを受けたタイミングで一括実行」されます。建売住宅や新築マンションなら、引渡しと同時に売買代金を一括で払えばよいので、この仕組みで何の問題もありません。

ところが注文住宅は、土地代金 → 着工金 → 中間金(上棟金) → 残金(竣工・引渡し金)というように、家が建っていく過程で複数回に分けて支払いが発生します。このうち引渡し前に払う土地代・着工金・中間金は、引渡し時に実行される住宅ローン本体ではカバーできません。つまり、自己資金で立て替えるか、別の融資でつなぐ必要があるのです。これが、通常の住宅ローン(一括実行)が注文住宅では使いにくい根本的な理由です。

支払いの内訳は会社により異なりますが、契約時・着工時・上棟(中間)時・引渡し時の3〜4回に分かれるのが一般的です。割合の一例として、着工金=建物価格の約30%、上棟金=約30%(SBIアルヒのシミュレーション例)とされ、建築費3,000万円なら中間金だけで900万〜1,200万円程度になります。これだけの現金を引渡し前に用意できる人は多くありません。

注文住宅の支払いタイミングと住宅ローン本体での支払い可否
支払いのタイミング主な名目住宅ローン本体で払えるか
契約時契約金・手付払えない(引渡し前)
着工時着工金(建物の約30%が一例)払えない(引渡し前)
上棟時中間金・上棟金(約30%が一例)払えない(引渡し前)
引渡し時残金(竣工金)払える(ここで一括実行)

なお、金利タイプ・審査・団信・無理なく返せる額といった住宅ローンの基礎は、注文住宅でも建売でも共通です。その部分は金利タイプ・審査・団信の基礎を解説した住宅ローンの記事で詳しくまとめているので、本記事は注文住宅ならではの「資金のつなぎ方」に絞って読み進めてください。

引渡し前の支払いをつなぐ3つの方法

引渡し前に発生する土地代や着工金をどう手当てするか。自己資金以外の手段は、大きく次の3つに整理できます。混同されやすいので、まず全体像を表で押さえましょう。

つなぎ融資・土地先行融資・分割融資の比較
方法性質金利の水準住宅ローン控除取扱金融機関
つなぎ融資住宅ローンとは別契約の無担保短期融資年2〜4%程度と高め対象外比較的多い
土地先行融資住宅ローン本体の一部を土地分だけ先行実行住宅ローンと同水準で低い要件を満たせば対象限定的
分割融資(分割実行)1本の住宅ローンを複数回に分けて実行住宅ローンと同水準で低い要件を満たせば対象限定的

ポイントは、「担保があるかどうか」で性質がはっきり分かれることです。つなぎ融資は無担保(抵当権を設定しない)なので手続きが簡単な反面、金利が高くなります。土地先行融資・分割融資は土地(・建物)を担保にするぶん、住宅ローンと同じ低金利で借りられますが、抵当権設定などの手間と費用がかかります。「土地先行融資」と「分割融資(分割実行)」は実務上ほぼ同じ仕組みを指すことが多いため、対比軸は「つなぎ融資(無担保・高金利・別契約) vs 分割実行系(担保あり・低金利・住宅ローン本体)」と覚えると整理しやすくなります。両者の細かな違いは後述します。

アパートメントラボの現場から

取材で施主の方と話していて一番多いのが、「つなぎ融資という言葉を、土地の契約直前に初めて聞いて慌てた」というケースです。住宅会社の打ち合わせは間取りや設備の話が中心で、お金の「順番」は意外と後回しにされがちなんですね。私が現場で必ずお伝えするのは、間取りを詰めるより先に「土地代と着工金を、引渡しまでどう立て替えるか」を金融機関に確認しておくこと。この一歩を踏んでおくだけで、契約直前のバタバタは大きく減ります。

つなぎ融資の仕組み|金利・手数料・控除対象外に注意

つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでの一時的な「立て替え」用のローンです。住宅の引渡し前に必要な土地代・着工金・中間金などを立て替え、建物が完成して住宅ローンが実行されたときに、まとめて一括返済します。住宅ローンとは別契約で、抵当権を設定せず無担保で借りられる場合が多いのが特徴です。融資期間は第1回融資から最長1年程度の短期で、毎月は利息だけを払い、元金は住宅ローン実行時に一括返済する形が一般的です。

つなぎ融資の金利|年2〜4%程度と住宅ローンより明確に高い

つなぎ融資の金利相場は概ね年2〜4%(目安として3%前後)です。ホームズ掲載の具体例(同サイト記載時点)では、楽天銀行つなぎローン年2.640%、三井住友銀行つなぎローン年2.475%、ARUHIフラットつなぎAタイプ年3.475%、全宅住宅ローン年2.900%。直近の実例でもセゾンのつなぎローンが2026年5月で年3.125%、全宅住宅ローンが2026年1月でつなぎ融資3.400%でした(いずれも各社サイト記載時点の数値で、最新は要確認)。一方の住宅ローン本体は、変動金利で年1%前後、フラット35でも年1.5%前後(2026年6月時点の目安)が中心で、金利タイプを問わずつなぎ融資より明確に低い水準です。つなぎ融資は短期とはいえ高金利だと押さえておきましょう。

つなぎ融資の利息計算|日割りで完成が遅れるほど膨らむ

利息は「融資金額 × 金利 ÷ 365日 × 融資期間日数」の日割りで計算されます。カーディフ生命(スマイルすまい)の試算例(金利3.0%・3回分割)では、1回目1,500万円×180日で約22万1,917円、2回目500万円×120日で約4万9,315円、3回目500万円×60日で約2万4,657円となっています。ここで見落としやすいのが、工期が遅れると借入日数が伸び、その分だけ利息が増えるという点です。注文住宅は天候や資材の都合で完成がずれることもあるため、余裕を持った資金計画が欠かせません。

つなぎ融資はいくら?利息早見表で自分のケースに当てはめる

自分のケースは、上の式に「借入額・金利・日数」を当てはめれば概算できます。たとえば借入額2,000万円・金利3.0%・借入期間6か月(約183日)なら、2,000万円 × 3.0% ÷ 365 × 183 ≒ 約30万円です。借入額と金利の代表的な組み合わせで、6か月借りた場合の利息の目安を一覧にしました(あくまで概算で、実際は実行回数・各回の日数により変わります)。

つなぎ融資の利息早見表(借入期間6か月・183日で計算した概算)
借入額金利2.5%金利3.0%金利3.5%
2,000万円約25万円約30万円約35万円
3,000万円約38万円約45万円約53万円
4,000万円約50万円約60万円約70万円

実際には土地代・着工金・中間金を時期をずらして借りるため、全額を6か月フルに借りるわけではなく、利息はこの表より小さくなるのが普通です。あくまで「上限の目安」として、つなぎvs分割実行系でどれくらい差が出るかを当てはめる際の出発点にしてください。

つなぎ融資の事務手数料・印紙代も別途かかる

つなぎ融資は住宅ローンとは別契約なので、諸費用も別にかかります。事務手数料は定額制(例:11万円)または定率制(例:融資額×0.803%)で、楽天銀行は初回一律110,000円、SBI新生銀行も約11万円が目安です。これに印紙代(契約金額1,000万円超〜5,000万円以下で2万円など)が加わり、諸費用合計は概ね10万〜20万円程度になります。

つなぎ融資のデメリット|利息・手数料が住宅ローン控除の対象外

最も注意したいのが、つなぎ融資そのものは住宅ローン控除(住宅ローン減税)の対象にならない点です。控除の対象は「10年以上にわたって分割して返済する一定の借入金等」に限られますが、つなぎ融資は後日一括弁済する短期融資なので、この要件を満たしません。建物完成後にそれを完済する住宅ローン本体は控除対象になりますが、立て替え期間中に払った利息や手数料は、税優遇のない「純粋なコスト」として建築費に上乗せされます。見えにくいコストだからこそ、総額で把握しておくことが大切です。

土地先行融資・分割融資のメリットとデメリット

つなぎ融資のコストを抑えたい人にとって有力な代替手段が、土地先行融資・分割融資(分割実行)です。いずれも「住宅ローンそのものを複数回に分けて実行する」方式で、別契約のつなぎ融資とは法的性質が異なります。

前述のとおり両者は地続きの仕組みですが、厳密には、分割融資は1つの住宅ローン契約で、土地購入時・着工時・上棟/完成時など必要なタイミングごとに通常3回程度実行する方法です。土地先行融資は、そのうち土地代金分を建物の融資に先立って先行実行するものを指します。みずほ銀行のFAQでも「土地代のみ先行借入が可能=お支払時期に応じて分割融資が可能」と説明されており、実行回数や据置の運用は金融機関によって異なります。

つなぎ融資と土地先行融資・分割融資の比較
比較項目つなぎ融資土地先行融資・分割融資
金利年2〜4%程度(高い)住宅ローンと同水準(低い)
担保(抵当権)無担保・手続きが簡単土地等に設定・手間と費用
諸費用契約2本分(別途発生)住宅ローン1本分で済む
住宅ローン控除対象外要件を満たせば対象
取扱金融機関比較的多い限定的
土地分実行後の返済利息のみ・元本は実行時一括金融機関により利息のみ/元利返済開始に分かれる

金利差のインパクトは大きく、ある銀行員による試算例(土地2,000万円を8か月借入)では、つなぎ融資(年2.65%)で利息約35万円とされています。一方の分割融資側は、同じ前提(2,000万円・年0.4%・8か月)を「利息=元金×金利×期間」で自前計算すると約5.3万円となり、出典では約8.4万円とされています(出典の試算例。借入日数や各回の元金など前提条件により利息額は変動します)。いずれにせよ、低金利の分割実行系のほうが利息負担を大きく抑えられる点は変わりません。諸費用も、つなぎ融資は住宅ローンと合わせて契約が2本になるため2回分かかるのに対し、分割融資は事務手数料・印紙代・登記費用が住宅ローン1本分で済みます。コスト面では分割実行系が有利です。

一方でデメリットもあります。土地分の融資実行後の返済方法は金融機関により(a)利息のみ返済(b)元利返済の開始、に分かれます。(b)で賃貸住まいの場合は家賃とローン返済のダブル負担が生じ得るため、負担を避けたいなら「完成まで元金据置(利息のみ)にできるか」を必ず確認してください。また、土地・建物に抵当権を設定する手続きが必要で、分割実行に対応する銀行は限られます。みずほ・三井住友・三菱UFJ・りそな・住信SBIネット銀行などが取扱例として挙げられますが(出典時点)、メガバンクの商品ラインは改定が多いため、利用予定の金融機関に直接確認するのが確実です。一度契約するとハウスメーカーの変更など後戻りが難しい点にも注意が必要です。

アパートメントラボの現場から

土地先行融資や分割融資は金利面で有利なのに、「使いたくても扱っている銀行を探すのに苦労した」という声を取材でよく聞きます。住宅会社が提携している金融機関が、つなぎ融資しか用意していないケースが珍しくないんですね。私がお勧めしているのは、住宅会社の提携先を1行だけで決めず、分割実行に対応する銀行にも自分で当たってみること。同じ建物・同じ年収でも、選ぶ融資の方式ひとつで利息と手数料の合計が十数万円単位で変わってきます。手間はかかりますが、ここは動いた人が得をする部分です。

フラット35と注文住宅|つなぎ融資とセットになる理由

フラット35を検討している人は、特につなぎ融資の理解が欠かせません。フラット35(およびフラット50)では、本体貸付けは引渡し時に住宅ローンが実行される仕組みで、着工金・上棟金といった工事中の中間資金を本体融資では受け取れないからです。注文住宅では土地取得→着工金→中間金→引渡しの順に支払いが先行するため、住宅金融支援機構自体はつなぎ融資を扱わず、取扱金融機関がつなぎ融資商品を用意しています。「フラット35はつなぎ融資とセットで検討」と言われるのは、この「中間資金を本体で出せない」という構造的な理由によります。

つなぎ融資には対象ごとに融資割合の上限があります。ドコモ・ファイナンスのフラット35つなぎ融資の例(一例)では、土地購入資金は土地売買契約金額の100%以内、建物着工時資金は工事請負契約に金額の明記があれば請負金額の40%以内(明記なしは30%以内)、建物上棟時(中間金)は着工時融資額と合算して請負金額の80%以内(明記なしは60%以内)とされています。残り(引渡し時の竣工金相当)をフラット35本体で支払う形です。割合は金融機関ごとに異なるため、必ず利用先で確認してください。フラット35の金利や団信の詳細は住宅ローンの選び方と審査の記事もあわせてご確認ください。

注文住宅の住宅ローン控除|性能区分と入居要件が要

注文住宅は性能を自分で選んで建てられるぶん、住宅ローン控除の「借入限度額」を左右する省エネ性能の作り込みが重要になります。控除率0.7%・控除期間13年・床面積要件といった限度額・控除率の一般論は新築一戸建て購入の完全ガイドでも触れているため、本章は注文住宅特有の「設計段階で省エネ性能=限度額が決まる」「完成・引渡し日が初年度を左右する」という論点に重みを置いて解説します。2026年(令和8年)入居の新築住宅の控除率は0.7%、控除期間は原則13年で、適用期間は令和8年1月1日〜令和12年12月31日入居まで継続されます。控除額は「年末ローン残高 × 0.7%」で各年計算します(2026年6月時点・最新は要確認)。

新築住宅の性能区分別 住宅ローン控除の借入限度額(2026年入居)
住宅の性能区分(新築)借入限度額(子育て・若者夫婦世帯)借入限度額(一般世帯)
認定住宅(長期優良・低炭素)5,000万円4,500万円
ZEH水準省エネ住宅4,500万円3,500万円
省エネ基準適合住宅3,000万円2,000万円
その他の住宅(省エネ基準未達)原則対象外(限度額0円)

注意すべきは、2024年(令和6年)以降に建築確認を受ける新築の「その他の住宅(省エネ基準未達)」は、原則として控除対象外(限度額0円)になる点です。注文住宅でも、最低限「省エネ基準適合」を満たさないと控除がまったく受けられません。設計段階での省エネ性能の確保が前提になります。なお「子育て世帯・若者夫婦世帯」とは、19歳未満の扶養親族(子)がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯を指し、該当の有無で限度額が数百万円変わります。

入居要件は「新築(完成・取得)の日から6か月以内」

注文住宅で誤解が多いのが入居要件です。控除を受けるには、住宅の新築等の日から6か月以内に居住を開始し、その年の12月31日まで引き続き居住している必要があります。ここで起算点になるのは「契約日」ではなく「新築(完成・取得)の日」です。注文住宅は完成・引渡しのタイミングが控除の適用初年度を左右するため、年末引渡しの場合は初年度の確定申告や年末残高への影響も意識しておきましょう。

床面積は登記事項証明書(登記簿)の床面積で判定し、原則50㎡以上が必要です。合計所得金額1,000万円以下なら40㎡以上50㎡未満でも対象となる「40㎡特例」もありますが、新築では「2024年(令和6年)12月31日までに建築確認を受けた住宅」という時期要件があり、これから建てる注文住宅では適用されない場合があります(延長状況は最新の税制で要確認)。コンパクトな40㎡台の注文住宅を検討している場合は、適用可否を必ず確認してください。所得要件は合計所得金額2,000万円以下(40㎡特例適用時は1,000万円以下)。さらに借入金は「10年以上にわたり分割して返済する」ことが要件で、繰上返済で残存期間が10年未満になると以後控除を受けられなくなる点にも注意してください。

審査の注意点|資金の出所と登記持分を整合させる

注文住宅の資金計画では、つなぎ融資や土地先行融資の負担者・頭金の出所と、登記の持分割合を一致させておくことが大切です。出資額に応じた持分で登記しないと、夫婦間で資金が移転したとみなされ贈与税が課されるおそれがあります。とくに注文住宅は土地・建物それぞれで持分登記が発生するため、誰がいくら出すかと持分・債務者の整合を、設計段階から意識しておきましょう。

夫婦で借りる場合のペアローンと収入合算も、注文住宅では土地・建物の持分と債務者をそろえる必要があり、誤解の多いところです。要点だけ挙げると、ペアローンは契約が2本になるため事務手数料・印紙税が単独の約2倍になり、団信は各自の債務分しかカバーしません。収入合算は「連帯保証型」だと合算者は控除を受けられず、「連帯債務型」なら双方が控除対象になり得ます。「収入合算=必ず2人分控除」ではない点に注意してください。ペアローン・収入合算・連帯債務/連帯保証の違いや団信の詳しい比較はペアローン・収入合算・団信の違いを整理した住宅ローンの記事に譲り、本記事では注文住宅特有の「土地・建物それぞれの持分登記と債務者を一致させる」点だけ押さえておけば十分です。

よくある質問(FAQ)

自己資金が十分ならつなぎ融資は不要ですか?

引渡し前に発生する土地代・着工金・中間金を自己資金で賄えるなら、つなぎ融資は不要なケースがあります。ただし手元現金を使い切ると、引越し費用や家具・予備費が足りなくなることもあります。分割融資・土地先行融資・着工時一括融資などの代替手段と総コストを比較したうえで判断するのが定石です。

つなぎ融資なしで注文住宅は建てられますか?

建てられます。引渡し前の支払いを自己資金で立て替えられる場合や、土地先行融資・分割融資(分割実行)で住宅ローン本体を必要な時期に分けて実行できる場合は、つなぎ融資を使わずに資金をつなげます。「着工時一括融資」(土地代と建物代を着工時にまとめて1回で実行する方式)を扱う金融機関を選ぶ方法もあります。要は「引渡し前の中間資金を、つなぎ融資以外でどう手当てできるか」を金融機関に確認することがポイントです。

土地だけ先に購入したい場合のローンはどうなりますか?

土地を先に取得したい場合は、土地先行融資(住宅ローン本体の土地分を先行実行)や、つなぎ融資で土地代を立て替える方法が中心になります。土地先行融資なら低金利で借りられ要件を満たせば住宅ローン控除の対象にもなりますが、土地分の実行後は金融機関により利息のみ返済か元利返済が始まり、完成までの返済負担が発生し得ます。なお、建物の計画が伴わない純粋な「土地だけのローン」は住宅ローン控除の対象外で、金利も住宅ローンより高くなりがちです。建物の建築をいつ・どの会社で進めるかとセットで金融機関に相談してください。

つなぎ融資の審査基準は厳しいですか?

つなぎ融資は最終的に実行される住宅ローン本体の審査とセットで判断されるのが一般的で、住宅ローン本体の審査に通る計画であれば、つなぎ融資単独で極端に厳しくなるわけではありません。ただし無担保の短期融資である分、年収・返済負担率・勤続年数・他の借入状況など本体審査と同様の項目が見られます。金融機関によってはつなぎ融資を取り扱っていない、あるいは自社の住宅ローン利用が前提のこともあるため、利用予定先の取扱条件を事前に確認しておきましょう。

つなぎ融資と分割融資はどちらを選ぶべきですか?

金利・諸費用を抑えたい、住宅ローン控除も活かしたいなら、分割融資・土地先行融資が有利です。現役銀行員の解説でも「金利面や契約書類の手間を考えれば、つなぎ融資より分割融資のほうがよい」とされています。一方、土地を急いで確保したい場合や、利用予定の金融機関が分割実行系を扱っていない場合は、無担保で手続きが簡単・スピーディーなつなぎ融資が選択肢になります。最終的には、利用する金融機関がどの方式を扱うかで実質的に決まります。

つなぎ融資の利息は住宅ローン控除で取り戻せますか?

取り戻せません。つなぎ融資は控除対象外で、その利息も控除されません。控除対象になるのは、建物完成後に実行される住宅ローン本体(および要件を満たす土地先行融資・分割融資)です。つなぎ融資の利息・手数料は税優遇のないコストとして見込んでおきましょう。

まとめ|方式の違いを知れば資金は無理なくつながる

注文住宅の住宅ローンが特殊なのは、土地代・着工金・中間金という大きな支払いが引渡し前に発生するからです。その穴を埋める方法は、無担保・高金利で手続きが簡単な「つなぎ融資」と、担保あり・低金利で住宅ローン控除も活かせる「土地先行融資・分割融資(分割実行)」に大別されます。コストだけ見れば分割実行系が有利ですが、取扱金融機関が限られるため、住宅会社の提携先を1行で決めず、自分でも当たってみる動きが効いてきます。性能区分による控除限度額や入居要件も含め、間取りを詰める前に「お金の順番」を金融機関へ確認しておくことが、無理のない資金計画の第一歩です。

注文住宅の購入・建築全体の進め方は新築一戸建て購入・建築の流れの記事を、家づくり全体の判断材料は新築一戸建て購入の完全ガイドをあわせてご覧ください。

畠山 晴允(はたけやま はるみつ)/アパートメントラボ合同会社 代表・宅地建物取引士

登録者14万人のYouTubeチャンネル「アパートメントラボ」を運営し、賃貸・分譲・戸建ての内見動画を制作。自身も広島でアパート2棟26世帯を経営する現役の不動産オーナー。UR都市機構・JR九州の仲介・大和リビングなどの物件PR動画も手がける。賃貸を「借りる側」と「貸す側」の両方の視点から発信しています。運営者について >

注文住宅の住宅ローン | アパートメントラボ
最新情報をチェックしよう!
>